NTTジャパンラグビーリーグワンはいよいよ12月21日開幕。昨シーズン5位とプレーオフ進出ならなかったコベルコ神戸スティーラーズが所信表明会見を7日、神戸市内で行った。弘津英司チームディレクター、デイヴ・レニーHC、ブロディ・レタリック、李承信共同キャプテンが登壇した。チームを指揮するデイヴ・レニーHCは2シーズン目を迎える。「チームカルチャーを構築する時間もしっかり費やした。自分たちのレベルも昨シーズンよりさらにあげていくところに一番注力している」と話した。
弘津英司チームディレクター
チームはこの9月から本格的に活動をスタートいたしました。新しい選手、新しいスタッフも入り、日々ハードなトレーニングを行っています。開幕までに、さらに積み上げて、良いコンディションで臨んでいきたいと思っております。リーグワンも4シーズン目に入ったということで、例年各チームレベルも上がっております。ますます厳しい戦いになると思いますが、一丸となって戦いに臨んでいきたいと思います。
またこのシーズンは阪神淡路大震災が発生してからちょうど30年を迎えるシーズンでもあり、本当に我々にとっても特別なシーズンになると思いますので、ぜひリーグワン初優勝を応援してくださる皆様と喜びを分かち合いたいと思っております。
デイヴ・レニーHC
ここまでいい3ヶ月を過ごしています。弘津チームディレクターがもう既に申し上げたように、自分たちにとって阪神淡路震災から30年という本当に特別なシーズンになります。そこに向けての時間も過ごしてますし、チームカルチャーを構築する時間もしっかり費やしました。自分たちのレベルも昨シーズンよりさらに上げていくところに一番注力しています。
自分たちの12ヶ月前、つまり昨シーズンの開幕前の自分たちの状態はいい状態に持っていくことです。二週間後の静岡ブルーレヴズとの開幕戦を楽しみにしています。ビジターなのでおそらくチャレンジングなゲームになると思います。先ほど申し上げたように、チーム状態としては昨シーズンの今の状態でもいい状態にある。今日の花園近鉄ライナーズとのトレーニングマッチでも30人以上の選手を試合に出すことができて良かったし、来週の三重ホンダヒートとの試合を経て開幕に向かいたいと思います。
ーー今日のトレーニングマッチについて
選手の今日のパフォーマンスに関してフラストレーションはあります。前半の40分、圧倒できるシチュエーションがたくさんある中で、自分たちが突き放さないといけないところを突き放せない。前半の40分おそらく40%近く、相手陣の22メーターラインにいて、その上で4トライ。正直5〜6トライは自分たちのミスでしっかり取ることができず、修正しなきゃいけないところ。自分たちでどれだけそこで落ち着いていけるか、そこの部分は間違いなく開幕に向けて成長しなきゃいけないことです。本来であれば前半でしっかりと試合を決めなきゃいけない。
ーーそこはすぐに修正することができるのか。
そうですね。状況判断の部分とあとは選手の部分です。リーグワンのシーズンが始まったら実際に試合に出るメンバーはチームの中で一番ベストの選手たちがフィールドに出るわけなので。練習試合はトライアルゲームというわけなのですが、このトライアルゲームの中でしっかりと若手の選手にチャンスを与えて、どれだけのことがプレッシャーの中でできるのか。どういうところが足りてないのかっていうところを見るっていう機会はしっかり作ることができた。シーズンがスタートしたら、自分たちにとって一番の選手を出さないといけません。ベストの選手がしっかりと60分、80分、もっとしっかりコンビネーション合わせた上でプレーできることっていうことで変わってくると思います。
ーー新戦力や、若手選手について期待すること
1人の名前を挙げるっていうことは自分は好きではないので、ちょっと難しいところもありますけど、去年いたメンバー全体的に該当します。正直去年いた選手全員に関しては昨年より成長してほしい。スキルもそうですし、自分たちのゲームに対する知識の部分もそうですし、コンディショニングレベルという部分もそうです。
今年から加入している選手ももちろんです。新加入の選手で名前をあげるとしたら、スコットランド代表のHO(フッカー)ジョージ・ターナーです。見てて本当に楽しむことができるスペシャルな選手だと思っています。能力も高いし、フィジカル的にも高い。
そしてここにいるキャプテン二人に関しても本当に体を張った上で、しっかりチームをリードしてくれる、特別な選手だと思いますし、李に関してはまだ今シーズンはプレーができていないですけど、しっかりと来週のホンダ戦でしっかりと試合に出てもらって開幕に向かってもらいたいと思います。
チームの層の深さっていうところに関しては、さらに深くしていかなきゃいけない。この部分はハードワークをしたい。残り数週間の中でそこの部分もしっかりしていきたい。
ーー昨シーズンのミスの修正を具体的に
自分たちは神戸のラグビーをプレーする上で、常に展開するラグビーをしたい。そこの部分に関して相手がついてこれない状況に持っていきたい。ただ、その上でバランスを取らなきゃいけないっていうのも自分たちは理解をしていて、一歩キックを蹴るべきタイミングはどこなのか、プレーするべきタイミングはどういう状況なのか。
試合の中の大一番、勝たなければいけない試合で、自分たちのミスで去年、試合を落としてしまった。必要なスキルセットに対して、ゲームの理解度を、自分たちが試合に対する、試合の中での流れや理解度っていうところをどれだけ上げていけるかが一番大切だと思います
ただ、リスクを完全になしにして、キックをベースに蹴っていこうっていうようなチームには、なってほしくない。ミスは必ず起きますし、だからそのミスをどれだけ最小限に抑えるか。チャンスがあるときに自分たちがどれだけ丁寧に仕留めきれるかが大切です。
ーー李をどこで使うのか
ブリン・ガットランドに関しては怪我があって、おそらく4試合くらい出られないかもしれない。承信はもちろん10番でプレーするって言っていますし、昨シーズンはCTBの試合もありました。去年は15番でも素晴らしいパフォーマンスをする試合も多かった。
今シーズン日本代表で出た試合に関しても、10番としていいパフォーマンスをしたが、一番いいパフォーマンスをしたのは、サモア代表戦での15番のパフォーマンスだったと思います。どのポジションでもそれだけ高いレベルでプレーしてくれる存在がいてくれるってことはチームとして本当に心強いです。
ーーアーディ・サヴェアが抜けた穴をどうカバーするのか
アーディは間違いなく世界で一番の選手だと思っているので、簡単に誰かが穴埋めするというのは難しい。HOターナーに来てもらった理由としては、HOしての強みをたくさん出してくれますし、ディフェンダーとしてもタックル後の動きとしてもアグレッシブさがあって、バックスと同じぐらいスピードを持っていて、試合の中でそういった部分の厳しさを出してくれる選手だと思います。
アマナキ・サウマキなど他のFWの選手がプレシーズンを通して成長することを考えた時、簡単にアーディの代わりに誰か一人連れて来ればいいか、そういう話ではなくて、選手の成長であったりターナーの加入によってアーディーのカバーをしてくれるでしょう。
LOブロディ・レタリック共同キャプテン
シーズンが始まることは本当に自分でも楽しみです。チームとしても10週間近くで一緒に練習している状態ですけど、自分たちが昨シーズンから学んだ内容をどれだけ今シーズン生かしていけるか、そこの部分に関しては、昨シーズンの成長ももちろんそうですけど、自分たちがミスしたところをどれだけ修正していけるかというところに重きをおいて練習に取り組んでいます。
プレシーズンの試合に関しても、3試合ほどあり、今2試合ほど終えた状態でありますけど、成長した部分っていうのも見せられる時間帯もあったと思います。来週のホンダとの試合で、どれだけそれを長い時間、80分通して出し切れるかっていうところが大事かなと思います。
自分たちが学んだことをしっかり積み重ねていって、それを自分たちが形にすることによって、良いシーズンにできると思うので、しっかり自分たちは成長し続けることをやめないようにしていきたいと思います。」
一つ昨シーズンと違いを見せたいところはディフェンスの部分で、どれだけ相手に対してプレッシャーをかけて自分たちのアタックに変えるチャンスを作っていきたい。このプレシーズンを通して自分たちのフォーカスする内容の一つであるのでそこの部分は昨シーズンとの違いを見せていきたいと思います。
SO/FB李承信共同キャプテン
HCからもあったように、本当に今までいい準備ができてますし、昨シーズンから新体制になって、やっぱり去年1シーズン、自分たちのラグビーを経験して、より今シーズンの自分たちがどういうラグビーをしないといけないのかっていう部分が本当にクリアになってきて、本当にチームもいい状態になってると思います。
シーズンを通して、自分たちが何を、どういうチームにならないかを自問自答しながら、そういう部分でキャプテンとしてリードしていきたいと思いますし、シーズン通して1試合1試合しっかり勝ち切って、成長していけるようにチームとしてシーズンを過ごしていきたいと思います。目標はもちろん優勝ですし、それに向けて、シーズン中もチームとしても個人としてもできるように、まずは開幕のブルーレヴズ戦に向け100%準備しているので、必ず勝ち切りたいと思います。
ーー自分たちはどういうチームになりたいか
まずはラグビー以外のところで、クラブとして自分たちが代表しているという話をしたんですけど、本当にスティーラーズを支えてくれる方々がたくさんいるし、神戸市もそうですし、スポンサーの方々もそうですし、特にスティーラーズは、そのスポンサーとする会社との繋がりを大事にしていて、それが強みだと思います。
新しいメンバーも新人選手もいますが、経験ある選手が自分たちのカルチャーを作っていて、それをチーム全体としてチームカルチャーとして作っていくのが大事かな。グラウンド面では本当に神戸の目指すラグビーっていうところを深く理解して、アタックでもディフェンスでもどういうシステムで、システムの中でどれだけ1人1人が100%役割を遂行できるかというところをシーズン通し追求していけば、目指しているラグビーはは本当にいいものがあると思うんで、そういうところを毎試合追求し、その中で1人1人が自分が何でどう貢献できるのかというところをやっていくことを目指していきたい。
ーーテストマッチの経験
本当にあれだけのプレータイムを経験できたっていうのは、自分にとっていい経験になりましたし10番として、15番としてプレーできたのは自信になりました。やっぱりリーグワンと違って、特にフィジカルやスピードのところで強度が高いですし、そこで求められるスキルセットであったりっていうのと、一瞬の判断というところは、試合していくうちに本当に自分の中でも手応えありましたし、成長できた部分でもあります。
15番でプレーした2試合も、ハーフサイドから見える視点で10番に対してのコミュニケーションだったり、ラグビーのゲームをする中でボールが動く中で、ここにスペースが空いたらどういうキックオプションが有効なのかっていうところもプレーしながら経験することができた。そこは神戸でも、最初の方はもちろん10番でプレーすることになると思うんですけど、周りに対する要求と、また自分自身も
いろんなポジションも経験して得た知識だったりする部分があるので、そういうところを意識しながら成長していきたい。