女子15人制日本代表は、13日(日本時間、14日)に行われるイタリア代表戦のメンバーを発表した。初キャップとしては、妹尾安南(東京山九フェニックス)がリザーブメンバーに入った。この試合さらにその後に控えるWXVに向けた意気込みをレスリー・マッケンジーHC、長田いろはキャプテンがオンライン取材で答えた。
女子日本代表・イタリア代表戦試合登録メンバー
1 加藤 幸子(横河武蔵野アルテミ・スターズ / 24)
2 谷口 琴美(横河武蔵野アルテミ・スターズ / 19)
3 永田 虹歩(MIE PEARLS / 22)
4 佐藤 優奈(東京山九フェニックス / 16)
5 吉村 乙華(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA / 21)
6 川村 雅未(- / 15)
7 長田 いろは ◎(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA / 33)
8 ンドカ ジェニファ(北海道バーバリアンズディアナ / 7)
9 津久井 萌 (横河武蔵野アルテミ・スターズ / 34)
10 山本 実(YOKOHAMA TKM / 31)
11 今釘 小町(アルカス熊谷 / 25)
12 大塚 朱紗(アルカス熊谷 / 27)
13 古田 真菜(東京山九フェニックス / 29)
14 香川 メレ優愛ハヴィリ (ナナイロ プリズム福岡 / 1)
15 西村 蒼空(MIE PEARLS / 13)
16 小牧 日菜多(東京山九フェニックス / 16)
17 公家 明日香(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA / 14)
18 北野 和子 (MIE PEARLS / 14)
19 向來 桜子(日本体育大学ラグビー部女子 / 15)
20 細川 恭子(MIE PEARLS / 12)
21 永井 彩乃(YOKOHAMA TKM / 25)
22 妹尾 安南(東京山九フェニックス / 0)
23 松村 美咲(東京山九フェニックス / 7)
レスリー・マッケンジーHC
今週1週間とてもいいトレーニングができています。今はピアツェンツァにおりますが、メンバー全員がよくやっているので試合がとても楽しみです。
イタリアのメンバーについてはかなり継続性のあるメンバーだと感じています。協会としても日本とイタリアは同じような立ち位置にいるかなと思っています。イタリア国内にリーグがあるわけではなく、トッププレーヤーたちはフランスやイングランドなどのリーグでプレーしている状況です。
ですので、相手のメンバーを見て、何人か新しいプレーヤーの名前を見ました、これまでどおりのメンバーが多かったのであまり驚きを感じませんでした。このテストマッチだけでなくこの後のWXVを見据えているのだと思います。
――イタリアとの試合の位置づけ
昨年と同じような流れでここに来ています。いい入りができるような準備をするためのゲームにしたいです。それは昨年もそうですし、今年も同じです。直接南アフリカに行くのではなく、一旦ヨーロッパによってから南アフリカへ向かえるのはとても良いかなと思っています。
またユニオン同士もいい関係を今築きあげているところなので、ゲームの経験を新しい選手たちにもさせていきたいと思っています。
――津久井選手の先発起用が増えているが今後もこのようにしていきたいか
そういうわけではないです。本当はメグ(阿部恵)を9番としてジャージを着せようと思っていましたが、飛行機での旅を経て100%のコンディションではない状況だと判断したので変更しました。メグはフィジカルもしっかりあって、テンポを作り出していけるような選手なのでそこはすごく期待しています。
彼女にとっては残念なことではあったんですけど、津久井の強みであるストレングスのところと経験のところ、そしてそれ(阿部が欠場したこと)によって妹尾安南をベンチにいれることができたので結果をしては悪くなかったと思います。
――NO8ンドカ選手をスタートに起用することについて期待していること
今週1週間通して良いトレーニングを積んでいると思います。その中で彼女は今年ニュージーランドへ行きプレーする機会を得て、たくさんの経験を積んできました。彼女はこの5、6年サクラフィフティーンに関わっている選手ですが、これまでは大学を優先したり、仕事を優先したり、なかなか代表に参加できない時期もありました。今回継続的に代表に来てもらえうようになったことはすごく良いことだと思っています。ニュージーランドでのたくさんの経験を積んできたことで15人制への成長が見られています。彼女は元々アスレチックな選手で、スキルもあるので数年前に期待していたような姿に今、近づいていると思います。
――山本実選手の10番起用について
彼女はかなりハードに今トレーニングしていますし準備もできていて、前回の試合では10番としての存在感というものをしっかり見せてくれました。彼女がもう一度ゲームドライバーとして太鼓判を押す機会を彼女が今手にしているところです。
――香川メレ優愛ハヴィリ選手の14番起用について
メレについては今週のトレーニングでは本当に素晴らしいものを見せてくれています。彼女がボールを手にしてゲームに入って参加するのは素晴らしいところがあります。そういった部分を期待しています。
たくさんの選手がスターティングに名乗り出てくれています。選べる状況にあるというのは本当に素晴らしいことで、私としてはそれを目指していましたのでヘッドコーチとしては嬉しい限りです。
私が今興奮している理由は、今回メンバーに入らなかった選手たちもスターティングに手を挙げてくれているということです。ワールドカップに向かっていく前に、代表チームを成長させていく唯一の道は、選手個人がチームに対して貢献を続けて、チームをプッシュするということ。それはオンザフィールドでもオフザ・フィールドでもですが。そういったことによってしかチームは成長していかない、前進をしていかないと思っています。だからこそ、今それができていること、この濃い密度の中でそれを感じています。
それと同時に大事なことは高い強度の中で高い集中力の中でやるということはこれからの5週間持続可能ではないということです。ときにはスイッチ・オフして休んでリラックスして、ということも必要になってきます。
そのスキルは、あまり得意ではないですね。なかなかスイッチを切るということが。ケープタウンに行く前に1週案トレーニングするんですけども、そのときに選手たちが自分でそういった(リラックスする)時間を見つけることができるか、一度スイッチを切って自分自身に戻れるような時間、ガスを抜くような時間を作ることによってもう一度高い集中だったり、高い強度の山を持っていくことができるのか期待しています。
――今回のイタリア戦、WXVに向けて強化していたエリアは?
USAとのテストマッチの中で明らかに(強化しなければならない)エリアが見つかりました。コンテストでもテリトリーでも私達のやり方を示そうとしてきたのですが、ポジションのコントロールというのは十分ではなかったということが明らかに浮かび上がって来ました。それはブレイクダウンでの規律に課題があったと思っています。ですので、そこの部分を今回は何度も話してきましたし、そこが今週のキーになってきますし、WXVでも同じです。それは、WXVで対戦するすべての相手は私達よりも大きいですし、激しくやってきます。さらに私達よりも経験を重ねている年上のチームということもあるので。
――そのエリアが改善されれば得点力も上がってくると考えていますか
そうでなければこの1週間が無駄になってしまうので、そうであることを願っています。
――永田虹歩選手についてはHOからPR、1番から3番になって彼女のポテンシャルをどう感じていますか?
彼女もすごく良くやっている選手の一人です。前回のワールドカップではHOでしたが、その後タイトヘッドとしても数回のテストマッチを経験しています。オーランドへ行って、それからブルースでもプレーしてきました。私達には十分なタイトヘッドがいないということで、そこに対して虹歩の力を供給してほしいという話をしました。
今の日本代表には十分なタイトヘッドもルースヘッドもいません。それからLOもいないので、サクラフィフティーンの選手にはそういった柔軟性が求められてくることもあります。彼女はすごくハードにやっているのでスキルセットも体得してきました。その中でベンチからスタートとしてしっかりインパクト残してくれたからこそ、今週末は3番のジャージを切ることになったのでとても楽しみにしています。彼女はスクラムやブレイクダウンに対してインパクトをもたらしてくれると思います。
――今回デベロップメントスコッドの松田凛日、水谷咲良両選手について。イタリアまでなのか南アフリカへも連れていくのか。怪我人がでたらスコッドに変わるのか?
短い答えとしては両方とも「Yes」です。2人とも自分から15人制のインターナショナルに挑戦してみたいということで手を挙げてくれました。まずは私達の環境の中で過ごす、というかなり大きなブロックを与えるということが意図としてはありました。
この期間というのがちょうどいい期間でもありました。水谷についてはこれまでサクラフィフティーンの活動に参加したことはありませんが、15人制のバックグラウンドを持っています。ハミルトンの高校で15人制の経験もしていますし、フェニックスでプレーしています。ここ数年間はセブンズに集中していたかと思うんですけど、15人制の経験を積んでもらういい機会だと思っています。
(松田)凛日についてはここ数年セブンズに集中してきましたし、オリンピック出場をゴールに掲げていました。もう一度15人制をしっかり感じてもらうすごくいい機会だと思っています。
――吉村乙華選手に期待すること。
彼女はフィジカルが優れていて、先々のことを考えながら動いていくことができる。アグレッシブに戦いにいけるということがあります。彼女は日本人にしては大きいフィジカルを持ちながらアスレチックなところもあるという元々のポテンシャルがあります。
今週の試合ではチームをドライブさせていくようなところを期待しています。彼女には試合に向けた1週間の準備に対するレビューをやってもらっています。自分たちがやっていることを分析してそこからどうしていくのかということを分析してもらっています。
彼女のラグビー面での長所はわかっているんですけども、付け加えてリーダーシップのエレメント、責任という部分を担わせようとしています。
長田いろはキャプテン
イタリアに来て1週間くらいですが、気候も過ごしやすくてホテルからグラウンドも近く、すごくいい練習を積んでいると思います。練習を積み重ねる毎に試合に向けての自分たちの自信というのも積み重ねているので、しっかり試合でそれを出したいと思います。
――WXVに向けてイタリア戦では何を試したい
WXVで試合が行えるのは本当に嬉しいことですし、自分たちがアメリカ戦、その前のフィジー戦から何が大事で、もっとよくならないといけないのかというのをイタリアに来てチームで話し合ったので、そこをしっかり出していきたいと思っています。
――練習での意識などキャプテンとして感じていること
私がこの一週間で感じたのは、試合に向けた準備でもちろんフィールド内でもそうですし、フィールド外での選手同士のコミュニケーションが増えたなというのを感じました。おかげで試合にむけた自信というのが更に持てるようになったと思っています。
今まではフォワードだったら、フォワードだけ、ということが多かったんですけど、BKも一緒に連携するところのコミュニケーションが多くなったかなと思います。