ドリームセブンプラス1、ネクストセブン、個人ランキング発表!太陽生命・秩父宮大会 | ラグビージャパン365

ドリームセブンプラス1、ネクストセブン、個人ランキング発表!太陽生命・秩父宮大会

2023/06/06

文●大友信彦


太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023・秩父宮大会は、ながとブルーエンジェルスの2大会連続優勝で大会を終了した。公式記録をもとに個人ランキングを集計。トライランキング、得点ランキングは以下のとおりとなった。

トライランキング

トライ王争いの常連、ニアとジャネットが、昨年の鈴鹿大会に続き同数でトライ王を分け合った。

ニア・トリバー

ニア・トリバー



1 ニア・トリバー 東京山九フェニックス 12T
1 ジャネット・オケロ 三重パールズ 12T
3 ジラワン・チュトラクン ナナイロプリズム福岡 8T
3 須田倫代 追手門学院VENUS 8T
5 ビアンカ・シルバ ながとブルーエンジェルス 7T
6 ナーディーン・ルース ながとブルーエンジェルス 6T
6 堤ほの花 日体大 6T
6 保井沙予 三重パールズ 6T
9 向來桜子 日体大 5T
9 原 わか花 東京山九フェニックス 5T
9 ケイトリン・シェイプ 東京山九フェニックス 5T
9 永田花菜 ナナイロプリズム福岡 5T
13 今釘小町 アルカス熊谷 4T
13 グレース・ククタイ ながとブルーエンジェルス 4T
13 プルーニー・キヴィット ながとブルーエンジェルス 4T
13 シャキーラ・ベイカー 三重パールズ 4T
13 秋田若菜 自衛隊体育学校PTS 4T
13 小島碧優 横浜TKM 4T
13 辻崎由希乃 ながとブルーエンジェルス 4T
20 山中美緒 三重パールズ 3T
20 水谷咲良 東京山九フェニックス 3T
20 金島瑠奈 四国大 3T
20 新野由里菜 日体大 3T
20 東あかり 日体大 3T
20 大内田夏月 日体大 3T
20 高橋夏未 日体大 3T
20 杉本七海 アルカス熊谷 3T
20 サバナ・ボッドマン 日本経済大 3T
20 麻田瑞月 RKUグレース 3T
20 葛西杏奈 自衛隊体育学校PTS 3T
20 田代ひなの 横河武蔵野アルテミスターズ 3T
20 小川愛夢 横河武蔵野アルテミスターズ 3T
20 小笹知美 ナナイロプリズム福岡 3T
20 平野優芽 ながとブルーエンジェルス 3T
20 カリン・タキティムクック 横浜TKM 3T
20 鈴木彩夏 横浜TKM 3T
20 アテカ・レイヤモ 横浜TKM 3T
20 岡田亜祐 チャレンジ 3T



得点ランキング

こちらもニアとジャネットがタイトルを分け合った。昨年の鈴鹿大会ではトライ王を分け合ったものの得点ランクでは3位タイに終わっていたので、2人でトライ王と得点王の2冠をともにわけあったのは初めて。

ジャネット・オケロ

ジャネット・オケロ



1 ニア・トリバー 東京山九フェニックス 60=12T
1 ジャネット・オケロ 三重パールズ 60=12T
3 永田花菜 ナナイロプリズム福岡 51=5T13C
4 須田倫代 追手門学院VENUS 50=8T5C
5 ナーディーン・ルース ながとブルーエンジェルス 46=6T8C
6 三輪里佳 三重パールズ 41=1T18C
7 ジラワン・チュトラクン ナナイロプリズム福岡 40=8T
8 新野由里菜 日体大 37=3T11C
9 ビアンカ・シルバ ながとブルーエンジェルス 35=7T
10 堤 ほの花 日体大 30=6T
10 保井沙予 三重パールズ 30=6T
12 平野優芽 ながとブルーエンジェルス 29=3T7C
13 プルーニー・キヴィット ながとブルーエンジェルス 28=4T4C
14 今釘小町 アルカス熊谷 26=4T3C
15 向來桜子 日体大 25=5T
15 原 わか花 東京山九フェニックス 25=5T
15 ケイトリン・シェイプ 東京山九フェニックス 25=5T
18 麻田瑞月 RKUグレース 23=3T4C
19 杉本七海 アルカス熊谷 21=3T3C
20 グレース・ククタイ ながとブルーエンジェルス 20=4T
20 シャキーラ・ベイカー 三重パールズ 20=4T
20 秋田若菜 自衛隊体育学校PTS 20=4T
20 小島碧優 横浜TKM 20=4T
20 辻崎由希乃 ながとブルーエンジェルス 20=4T


ドリームセブン



本誌恒例、大会の中でも特に活躍した選手をドリームセブンとして選出。そして熊谷大会に続き、歴史的な大記録を達成したスーパートライクイーンを「プラスワン」として紹介する。


平野優芽 ながとブルーエンジェルス



平野優芽

平野優芽



日体大との決勝ではリードされて折り返した後半1分に同点トライを決め、直後にはパワフルに突進する松田凜日にからんでボールを奪い取りナディーン・ルースの決勝トライにつなげる力業も披露。ながとブルーエンジェルスの熊谷大会に続く2連続優勝に大きく貢献した。

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ最年少記録となる15歳3ヵ月でMVPを受賞したのは2015年の秩父宮。それから8年、サクラセブンズでも多くのキャリアを重ね、巧さ速さ賢さに加え、強さたくましさも増した姿を同じ秩父宮で披露した。


松田凜日 日体大

松田凛日

松田凛日


リンカの進化が止まらない。ダイナミックなストライド、スピードに加え、大会ごとに肩周りが大きくなったように見えるフィジカルの強さが光る。ながととの再戦となった決勝の後半4分、相手タックルを2人、3人と引きずって前進。

松田凜日が相手タックルを2人、3人と引き連れて強引に前に出る

松田凜日が相手タックルを2人、3人と引き連れて強引に前に出る


「少しでも相手を多く吸い込もうと思った」。結果はダウンボールぎわにターンオーバーされたが前へ進む強い意志は見ている者に強いインパクトを残した。この経験も鈴鹿までにリンカを成長させるはず。今秋は五輪予選が予定されているため7人制に専念。来年のパリ五輪が終われば「15人制にもまたチャレンジしたい。できる限り、7人制と15人制の両方をやりたい」


永田花菜 ナナイロプリズム福岡

永田花菜

永田花菜



大会6試合で5T13Cの51得点をあげ、新昇格チーム・ナナイロプリズム福岡の3位躍進の原動力となった。準々決勝のパールズ戦では12-14と劣勢で迎えた後半6分、自陣10m線のスクラムからアタック、サクラ15のFB、庵奥里愛を絶妙のチェンジオブペースとステップで抜き去り、60m独走の逆転トライ。



東京山九フェニックスとのブロンズファイナルでは先制されたあとの前半3分、自陣10m線手前のラックから密集サイドをピックゴーで70m独走トライ。長い手足を活かしたダイナミックなストライドとハンドオフは威力満点。

「地元福岡に帰ってラグビーができるのは幸せです」


ジラワン・チュトラクン ナナイロプリズム福岡

ジラワン・チュトラクン

ジラワン・チュトラクン



アジアにこんな選手がいたのか!? と驚かされる驚異のスピードを持つタイ出身の23歳。DAY1初戦のアルテミ・スターズ戦ではハーフタイム直前の前半7分。自陣ゴール前のスクラムからボールを受け右サイドを95m独走。続くパールズ戦ではトイメンのケニア代表オケロを外勝負で抜き去り80m独走。ルーヴ戦では試合開始の相手キックオフを捕球するやそのまま左サイドをリターンして70m独走のノーホイッスルトライを決めるなど2トライ。



DAY2はパールズとの再戦となった準々決勝で1トライ、ながととの準決勝では前半に左サイドを80m独走、後半も左サイドでステップでDFをかわし75m独走。そしてフェニックスとの3位決定戦では爆走クイーン、ニアとのマッチアップでショートパントを蹴り、ワンバウンドしたボールを掴んでそのままトライという技ありトライも披露した。熊谷大会では4トライ、秩父宮では8トライ。鈴鹿&花園では?今季大注目のランナーだ。

三輪里佳 三重パールズ

三輪里佳

三輪里佳



右足から繰り出す精度の高いゴールキックで2日間の大会を引き締めた。
大会6試合で1T18Cの41得点。得点ランクは6位だが、キックによる得点(18C36得点)は最多。23キック中18回成功、成功率.783は男子のリーグワンの平均成功率.724を大きく上回り、チーム別ランキングの4位に相当する。パールズの成績自体は振るわなかったが、大会ではゴールポスト正面のコンバージョンを外して勝利を逃したチームも多かっただけに、三輪の正確なキックは大会を通じて光った。

須田倫代 追手門学院VENUS

須田倫代

須田倫代


初日は1勝2敗と不調だった追手門だが、プール3位による9-12位トーナメントに進んだDAY2は日経大、ブレイブルーヴを連破して9位フィニッシュ。その原動力が「うお!」と声が出てしまうような須田倫代の強烈ステップだ。日経大戦では試合開始1分、自陣でグースステップ2連発から急加速し、右サイドの徳永結羽とのパス交換で先制トライ、後半6分には松田向日葵のブレイクをサポートして仕上げのトライ。


ブレイブルーヴ戦では0-12とリードされた前半6分に外勝負でチーム初トライをあげると、10-12のビハインドで折り返した後半2分、ステップ&ステップで相手DF2人をかわして逆転トライ。4分にはキックで味方を走らせてリターンパスを受ける技ありトライも決めてハットトリック。DAY2の5Tは6Tのオケロに次ぐ2位だがオケロは3試合で6T。トライ率ではDAY2トップだった!


金島瑠奈 四国大

金島瑠奈

金島瑠奈



本誌選出DAY1ベストゲームはプールBの横浜TKMv四国大。この試合のプレーヤーオブザマッチがあれば間違いなく選出されたのが四国大キャプテンの金島瑠奈だ。前半4分、相手ゴール前ラインアウトをスチールした味方からパスを受けると外に立つDF3人をさらに外へ抜いてゴールポスト横にトライ。12-14と逆転された後半2分には相手キックオフを捕った味方から自陣ゴール前30mでパスを受けると、DF2人の圧力を受けながら右隅タッチ際をすり抜け70mを快走する逆転トライ。


再逆転された7分にも相手キックオフリターンで、やはり右タッチライン際ギリギリをすり抜け再び70m独走の逆転トライ。最後はTKMに逆転負けを喫したが秩父宮の観衆を魅了した。登録10人で臨み、2日間4試合勝利なしに終わった四国大だが、ファンに残したインパクトは大。残る2大会でのパフォーマンスに期待だ。


ドリームセブンプラスワン ニア・トリバー 東京山九フェニックス

記念すべきニアの通算100本目となるトライ

記念すべきニアの通算100本目となるトライ



熊谷大会終了時点で通算トライは98。DAY1初戦のディアナ戦の2トライ目が堤ほの花に次ぐ太陽生命シリーズ通算100号トライとなった。DAY1はそのまま7トライを荒稼ぎ、DAY2も5トライをあげ、今大会12T。大会通算110トライとし、大会前3差あった堤ほの花を逆転し、通算トップトライスコアラーの座を手に入れた。



数字だけではない。DAY2準々決勝のアルカス戦では5人のタックルを次々とかわしてボールをたたきつける先制トライ。日体大との準決勝では右隅ギリギリをグースステップで堤ほの花のタックルをすり抜ける技ありトライ。トライのバリエーションでも圧巻の魅力を発信するニアの今後に期待!

ネクストセブン

ドリームセブンに劣らない輝きを放った各チーム注目のの新加入&若手成長株7人をピックアップして紹介する。


ビアンカ・シルバ ながとブルーエンジェルス



ビアンカ・シルバ

ビアンカ・シルバ



今季新加入のブラジル代表。日経大戦で5Tを荒稼ぎするなど大会2日間で7トライ。加速力とタックルをすり抜けるボディバランスが光った。

向来桜子 日体大

向来桜子

向来桜子



サクラ15のW杯準備で昨季は太陽生命シリーズを欠場。チャレンジチームで戦った2021以来2年ぶりのステージで攻守にフル回転。2日間6試合で5トライをあげた。

大橋聖香 ナナイロプリズム福岡

大橋聖香

大橋聖香



昨季は石見智翠館のラインブレーカーとして突破力を披露。SDSも経験した今季は久留米大進学を機にナナイロプリズム福岡に加入。DAY2初戦パールズとの準々決勝では逆転した直後の後半ラストプレーで値千金のノーホイッスルサヨナラトライも決めた!

小島碧優 横浜TKM

小島碧優

小島碧優



日体大時代から定評のあったスピードに加えフィジカル面のたくましさがボリュームアップ。タックルされてもぶれない体幹の強さで今大会4Tをスコア。

矢崎桜子 アルテミスターズ

矢崎桜子

矢崎桜子


昨年はスポット参戦した静岡大会でシニアデビューを飾ったが得点には絡めず。コアに昇格した今季は熊谷で1T、そして秩父宮では2T。瞬時にトップスピードに乗る爆発的な加速で、15人制色の濃かったアルテミスターズを変える!

大内田葉月 チャレンジ(修猷館高)

大内田葉月

大内田葉月



高2ながら今大会ではチャレンジチームのキャプテンを拝命。「びっくりしました。会見もあって大変でした」と苦笑するが、試合が始まれば強気に前へ仕掛ける。プールの日体大戦では姉・夏月との姉妹対決も実現。「試合では初めて。にやけちゃいました」

日体大戦では姉・大内田夏月との姉妹対決

日体大戦では姉・大内田夏月との姉妹対決


ンドガ・ジェニファ 北海道ディアナ

ンドカ・ジェニファー

ンドカ・ジェニファー


流経大から今季、北海道バーバリアンズディアナに加入。熊谷大会では得点に絡めなかったが秩父宮大会ではプール戦の追手門戦で途中出場し、後半6分に3人のタックルを突き抜け、振り払い自身の初得点となるトライ。それが今季2大会目でディアナの初勝利を決める決勝トライとなった!

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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