「いろんな思いがありましたね」と中村知春は言った。
「ちょうど1年前、次は自分のチームを引き連れてここに戻ってくるぞと決意して。思い出しますね。ここからスタートしたんだな。チームがあって、良かったな、と思いますね……」
そして、こう付け加えた。
「あのときは、いろんな思いを抱えてましたね」
1年前の鈴鹿大会は6月26-27日に行われた。その1週間前の6月19日、東京五輪の男女セブンズの内定選手が発表された。
そのリストには、少なくないファン、関係者が驚きの声をあげた。リオ五輪から、いや、それに先立つ2012年からサクラセブンズの主将を務めてきた日本女子ラグビーのカリスマリーダー中村知春が落選。
さらに、やはりリオ五輪からチームのアタックの中心的役割を果たしてきた大黒田裕芽の名前もリストにはなかった。その半年前に就任したハレ・マキリHCは「彼女たちにはリスペクトを持ってセレクションした」とコメントしたが、本人たちにも落選理由は伝えられなかった。