太陽生命ウィメンズセブンズ2022・弘前大会ドリームセブン・個人ランキング | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズ2022・弘前大会ドリームセブン・個人ランキング

2022/06/21

文●大友信彦


激闘の続いた太陽生命シリーズ2022最終戦弘前大会。RUGBYJAPAN365では恒例の大会トライ&得点ランキングとドリームセブンをお届けする。

トライランキング

ジャネット・オケロ

ジャネット・オケロ


1 ジャネット・オケロ(三重パールズ)14T
2 堤ほの花(日体大) 10T
3 ニア・トリバー(東京山九フェニックス) 8T
3 内海春菜子(横浜TKM) 8T
3 日下寧子(四国大) 8T
6 岡元涼葉(東京山九フェニックス) 7T
7 アテザ優海(ながとブルーエンジェルス) 6T
7 磯貝美加紗(ながとブルーエンジェルス) 6T
7 アテカ・レイヤモ(横浜TKM) 6T
10 プルーニー・キヴィット(ながと)5T

堤ほの花

堤ほの花



ニア・トリバーの年間4大会トライ王完全制覇はならなかった。前回鈴鹿大会でニアとトライ王を分け合ったパールズのケニア代表ジャネット・オケロは、DAY1の四国大戦でいきなり3Tのハットトリック。続くグレース戦でも3TをあげるなどDAY1の3試合で8トライを荒稼ぎ。DAY2も準々決勝の日体大戦で3T、準決勝のフェニックス戦で2T、3位決定戦のTKM戦でも1トライをあげ14T。堤ほの花の10T、ニアら3人の8Tを抑え2大会連続、単独では初のトライ王に輝いた。


年間トライは32トライ。2019年のニアが達成した年間最多トライをニアに続いて突破した。もっとも先に自己記録を突破したニアは今大会、トライ王こそ逃したが8Tを加え今季4大会合計トライは41。2019年に続き2度目の年間トライ王を獲得した。
堤ほの花は10Tで2位。今季4大会合計トライを30とし、こちらもニアの前記録に並んだ。堤はあわせて太陽生命シリーズ通算トライを95とし、前人未踏の通算100Tに王手をかけた。通算トライ2位はニアの82。

得点ランキング

内海春菜子

内海春菜子


1 ジャネット・オケロ(三重パールズ)70
2 内海春菜子(横浜TKM)68
3 プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス)53
4 堤ほの花(日体大)52
5 ニア・トリバー(東京山九フェニックス)40
5 日下寧子(四国大)40
7 三谷咲月(三重パールズ)36
8 岡元涼葉(東京山九フェニックス)35
9 バティヴァカロロ・アテザ優海(ながとブルーエンジェルス) 30
9 磯貝美加紗(ながとブルーエンジェルス) 30
9 アテカ・レイヤモ(横浜TKM) 30
9 金島瑠奈(四国大)30

プルーニー・キヴィット

プルーニー・キヴィット



初の単独トライ王に輝いたオケロが70得点でトライ王と得点王の2冠を獲得した。2位に食いこんだのはTKMの内海春菜子。8T14Cの68得点。コンバージョンがもう1本決まっていれば同点得点王になるところだった。3位のプルーニー・キヴィットは準決勝のTKM戦で5度のコンバージョンをすべて成功。左右のタッチライン際からの難しいキックも両サイドから立て続けに決め、インターナショナルレベルのキックをみせつけた。


そして本誌恒例、大会を通じてひときわ輝いた選手を厳選、本誌選出ドリームセブンとして紹介する。

ニア・トリバー

東京山九フェニックス 24歳 167/75 アメリカ代表

ニア・トリバー

ニア・トリバー



過去3大会とは異なり初戦は完全休場。2戦目も前半7分のみで退くなどプレー時間をコントロールしたこともあり、大会合計トライは8トライ止まり。年間4大会連続トライ王の偉業こそ逃したが、脚をためていた分は準決勝&決勝でスパーク。

ニアとオケロ

ニアとオケロ



決定力はもちろん、試合中のピッチでは声を出し続け、強烈な存在感でチームを鼓舞し、相手を威圧し続けた。TKMとの準決勝はトライ王オケロとの止め合い、抜き合いは超ハイレベル。ながととの決勝でも前半、ピンチをしのいだところからの逆襲独走トライは鮮烈だった。静岡大会に続き大会MVPを獲得。2018年のジャンナ・ヴォーン(三重パールズ)以来史上2人目となる年間2大会でのMVP獲得を達成した。

中島涼香(なかしま・すずか)

東京山九フェニックス 20歳 155/54 法大2年(ORSレディース-関東学院六浦)

中島涼香

中島涼香



サクラセブンズのフランス遠征に参加した大黒田裕芽に代わり東京山九フェニックスのBKをSOの位置で統率。同じ大学2年の岡元涼葉、石田茉央との19歳トリオで東京山九フェニックスを優勝に導いた。弘前大会DAY2はちょうど20歳の誕生日。優勝を決めたあとは解禁されたビールで祝杯をあげたのかな?

バティヴァカロロ・アテザ優海(ゆみ)

ながとブルーエンジェルス 22歳 164/64 ヤマネ鉄工建設(戸田ダンディライオンズRS-都立石神井-立正大)

バティバカロロアテザ優海

バティバカロロアテザ優海



鈴鹿大会優勝の立役者となった平野優芽と辻崎由希乃がサクラセブンズで、姉のライチェル海遙が負傷で欠場したブルーエンジェルスにあって、フィジカルの強さ、重量感あるコンタクトとワークレートの高さでチームを支えた。決勝の前半ロスタイムには自陣から長躯走りきって7-7に追いつく貴重なトライをあげた!

内海春菜子(うつみ・はなこ)

横浜TKM 22歳 160/60 ヒューマンライフケア横浜(相模原RS-國學院栃木-流経大グレース)

内海春菜子

内海春菜子



ピッチに入り、ボールを持つと体が大きく見えるのが特徴だ。背筋をピンと伸ばした姿勢と視野の広さ、攻撃スペースを見つける戦術眼と、迷わず走り込むスピードとフィットネス。後半6分からの出場だったDAY1ディアナ戦を除く5試合でトライを決めるなど8T14Cの68得点。2冠王オケロとわずか2点差の得点ランク2位だった(そのディアナ戦もわずかな出場時間で2C4点をあげていた!)。

ジャネット・オケロ

三重パールズ 30歳 172/70 ケニア代表



今季、三重パールズに加わり太陽生命デビューしたケニア代表WTBは、4戦目で日本の気候や大会スケジュールにも完全に慣れ、DAY1から全開。四国大戦で80m、グレース戦では90mと100mの独走を立て続けに決めるなど抜群の走力を披露。DAY2準決勝、フェニックス戦で見せたニア・トリバーとの抜きあい止めあいは、これぞインターナショナルレベル! と声をあげたくなる攻防だった。

堤ほの花(つつみ・ほのか)

日体大 24歳 153/57 (株)ディックソリューションエンジニアリング(嬉野RS-佐賀工-日体大)

堤ほの花

堤ほの花




静岡大会の12Tに続き弘前でも10Tをあげ、シーズン4大会合計トライは30。高3でチャレンジチームに参加した2015年の自己最多の年間25Tを7年ぶりに更新した。太陽生命シリーズ通算トライも95まで伸ばし、シリーズ通算100T到達第1号も目前だ。宿敵アルカスとの5/6位決定戦では①相手DFの真ん中を猛加速で突破、②急ブレーキとステップ&急加速を繰り返す圧巻の70m独走③相手キックに自陣まで戻って相手タックルをふりほどき反転するや逆襲の60m独走、とバリエーション豊かな3トライのハットトリック。「だいぶマークされるようになっているので、どうやればトライを取れるか考えてやっています。自分で切り返したり、前の選手がもらった動きから切り返してもらったり。日体大の分析チームに助けられてます」
サクラセブンズは「諸事情で」離脱中だが、状況が整えば代表復帰の可能性はまだまだ十分。太陽生命シリーズが育てたトライハンターはさらに進化し続ける!


日下寧子(くさか・ねね)

四国大 21歳 157/56 四国大4年(鳴門渦潮)

日下寧子

日下寧子



鈴鹿大会で5Tをあげた注目のライジングトライゲッターは、自信をつけてパワーアップし、弘前大会では出場全5試合でトライをあげ、合計8トライ。

ラグビーを始めたのは鳴門渦潮高校1年から。「それまでは男子と一緒に野球をやってたんですが、高校からは違うスポーツをしたくなって、いろんな偶然が重なってラグビーをすることになったんですが、性にあってました」


四国大1年時はリージョナル。昇格した2年時はコロナ禍で太陽生命シリーズ全大会中止。3年の昨季はケガで出場できず、4年の今季、太陽生命デビュー。

「やっと太陽生命に出られたんですが、チームの最低目標だった総合8位にも入れなくて悔しい。この悔しさは7月の大学セブンズで晴らします」

卒業後はボートレースへの転向を目指し、受験準備中という。

「挑戦するのが好きなんです。イチかバチか、チャレンジしてみたい」

次に目指すは水上のトライライン!


大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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