RUGBYJAPAN365では、現地取材と日本協会の公式記録をもとに、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2022鈴鹿大会の個人得点&トライランキングを集計した。集計結果は以下の通りだ。
トライランキング

ニア・トリバー(東京山九フェニックス)
1 ニア・トリバー(東京山九フェニックス) 7T
1 ジャネット・オケロ(三重パールズ) 7T
3 プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス) 6T
3 アカニシ・ソコイワサ(ながとブルーエンジェルス) 6T
3 保井沙予(三重パールズ) 6T
3 村田彩乃(追手門学院VENUS) 6T
7 バティヴァカロロ・ライチェル海遙(ながとブルーエンジェルス)5T
7 辻崎由希乃(ながとブルーエンジェルス) 5T
7 原わか花(東京山九フェニックス) 5T
7 角川穂乃花(横浜TKM) 5T
7 日下寧子(四国大) 5T
12 平野優芽(ながとブルーエンジェルス) 4T
12 内海春菜子(横浜TKM) 4T
12 梶木真凜(自衛隊体育学校PTS) 4T
12 須田倫代(追手門学院VENUS)4T
12 星野瑠奈(九州産業大)4T
12 三枝千晃(北海道ディアナ)
トライ王は熊谷、静岡に続き3大会連続でニア・トリバーが獲得したが、今回はジャネット・オケロとの同点戴冠となった。
ニアはDAY1は3試合で6Tをあげ、DAY1トライランクの単独トップに立っていたが、DAY2は2試合で1T止まり。ながとブルーエンジェルスとの決勝は厳しいディフェンスに封じられた。
同点トライ王に輝いたオケロはリオ五輪と東京五輪のケニア代表。2017年にはアフリカ最優秀選手賞に輝いている。今大会では5試合すべてでトライを決めた。
なお、ニアは今大会の7Tで今季3大会合計トライを33とし、自身がディアナに在籍していた2019年に記録した年間合計30Tの太陽生命シリーズ記録を更新した。残る弘前大会で記録はどこまで伸びるか?また、4大会すべてでトライ王となればこれも初の快挙だ。第4戦弘前大会のニアの走りにも注目だ。
得点ランキング

プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス)
1 プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス) 60=6T15C
2 村田彩乃(追手門学院VENUS) 50=6T10C
3 ニア・トリバー(東京山九フェニックス) 35=7T
3 ジャネット・オケロ(三重パールズ) 35=7T
3 三谷咲月(三重パールズ) 35=1T15C
6 内海春菜子(横浜TKM) 34=4T7C
7 大黒田裕芽(東京山九フェニックス)33=3T9C
8 アカニシ・ソコイワサ(ながとブルーエンジェルス) 30=6T
8 保井沙予(三重パールズ) 30=6T
10 永田花菜(日体大) 29=3T7C
11 バティヴァカロロ・ライチェル海遙(ながとブルーエンジェルス)25=5T
11 辻崎由希乃(ながとブルーエンジェルス) 25=5T
11 原わか花(東京山九フェニックス) 25=5T
11 角川穂乃花(横浜TKM) 25=5T
11 平山愛(自衛隊体育学校PTS)25=1T10C
11 日下寧子(四国大) 25=5T
17 平野優芽(ながとブルーエンジェルス) 24=4T2C
17 星野瑠奈(九州産業大) 24=4T2C

プルーニー・キヴィット
大会MVPを獲得したプルーニー・キヴィットが60得点で初の得点王に輝いた。今季ながと入りした、太陽生命シリーズを戦う初のオランダ代表選手は「太陽生命シリーズはワールドシリーズにも負けないプロフェッショナルな大会。ものすごくレベルが高い」と話し、自身のMVP獲得については「今大会のメンバーに入らなかった選手も含めたチームメイト、スタッフ全員のおかげ」とチームファーストを強調した。
本誌恒例、大会で印象的な活躍をみせた選手をドリームセブンそしてネクストセブンとして選出した。今大会はリージョナルセブンズの成績と地域性に基づき4チームがゲストチームとして参加し、通常より多い16チームでの開催となり、より多くの才能がピッチをかけた見応えのある大会だった。
本誌が選んだドリームセブンは以下の顔ぶれだ。
バティヴァカロロ・ライチェル海遙(ながとブルーエンジェルス)

バティヴァカロロ・ライチェル海遙(ながとブルーエンジェルス)
セコム株式会社(都立板橋有徳高-立正大/アルカス熊谷)25歳 今大会得点:25(5T)
PKのクイックスタート。相手DFを振り切る一瞬の加速。接点で前に出る力とタックル、ブレイクダウンでの高いワークレートでながとブルーエンジェルスの安定した戦いぶりと優勝に大きく貢献した。
太陽生命シリーズには昨年、日本代表スコッドで編成したチャレンジチームで2大会に出場したが、自チームで出場するのはアルカスで出場した2017年保土ケ谷大会以来5年ぶりだった。
平野優芽(ながとブルーエンジェルス)

平野優芽(ながとブルーエンジェルス)
ヤマネ鉄工建設(東亜学園高-日体大)22歳 今大会得点24(4T2C)
SH兼スイーパー、時に司令塔そしてフィニッシャーとポジションを入れ替えながらゲームを巧みにコントロールし、ボールを持てば自らミッドフィールドをステップで突破。ディフェンスに回れば相手のトライを阻むタックルの強さもアピールした。決勝の東京山九フェニックス戦、サクラセブンズのチームメイト・大黒田裕芽との「ゆめゆめ対決」ステップ勝負は大会のハイライトだった。
プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス)

プルーニー・キヴィット(ながとブルーエンジェルス)
ながとスポーツ財団(オランダ代表) 25歳 今大会得点60(6T15C)
平野優芽とのダブル司令塔でゲームを統率し、隙あらば自ら仕掛けてトライを決め、正確なゴールキックでキッチリと得点を積み上げた。今大会はすべて圧勝、接戦のなかったながとブルーエンジェルスだが、プルーニーのキックによって序盤から5点ではなく7点ずつを積み上げたのが大きかった。
大黒田裕芽(東京山九フェニックス)

大黒田裕芽(東京山九フェニックス)
Japan Restaurants Development株式会社(市立船橋高-立正大/アルカス熊谷-名古屋レディース) 27歳 今大会得点33(3T9C)
アルカスから名古屋レディースを経て昨秋、フェニックスに選手登録。今季、新天地での大会出場も3大会目となり、周囲との呼吸もフィジカルコンディションもグレードアップ。抜群の戦術眼で周囲の陣形を見るや猛ダッシュで仕掛けながらニア・トリバー、原わか花のダブルエースを自在に走らせる、攻める司令塔として観衆を魅了した。
水谷咲良(東京山九フェニックス)

水谷咲良(東京山九フェニックス)
Tokyo Athletic United(四日市メリノール学院高) 18歳 今大会得点15(3T)
ワールドシリーズカナダ大会では18歳にしてサクラセブンズの最前線で大暴れ。
四日市メリノール学院を卒業した今春、東京山九フェニックス入り。静岡大会の2トライに続き地元・三重に戻っての鈴鹿大会では気迫を前面に出すプレーを続けて3トライ。ながとブルーエンジェルスとの決勝、フェニックス唯一のトライを返した場面、相手タックルを次々と振り払うパワフルな突進は見事!
ジャネット・オケロ(三重パールズ)

ジャネット・オケロ(三重パールズ)
一般社団法人PEARLS(ケニア代表) 30歳 今大会得点35(7T)
過去2大会は決勝トーナメントのDAY2で不完全燃焼気味だったが、今大会はDAY2も3トライをあげ、ニアとの同点ながら初のトライ王を獲得した。その東京山九フェニックス戦は21-24で惜敗したものの、オケロとニアの走り合い、止め合い、プレッシャーのかけあいは見応えあり。ノーマーク選手の独走にも逆サイドから猛然と戻るDFにインターナショナル選手のプライドを見た。
永田花菜(日体大)

永田花菜(日体大)
日体大4年(福岡高) 22歳 今大会得点29(3T7C)
長い手足が生むしなやかな加速。サクラセブンズのマルチプレーヤーが圧巻の輝きを放ったのはDAY2初戦、PTS戦の前半6分。12-17とリードされ、さらに自陣ゴール前に攻め込まれて得たスクラムで、SHの位置からしなやかにサイドをすり抜け、相手DFの裏に出るとPTSはもう降参。誰も追いかけるのを諦める中、悠然と90mを独走した。
ネクストセブン
ドリームセブン候補として今後も活躍が期待されるネクストセブンもあわせて発表。
辻崎由希乃(ながとブルーエンジェルス)

辻崎由希乃(ながとブルーエンジェルス)
ヤマネ鉄工建設(北陸学院大) 27歳 今大会得点25=5T
バスケットボールからラグビーに転向して4年。初めてサクラセブンズ候補入りした躍進ランナーは、今大会でも外へ内へ効果的なラン、粘りのプレーでトライを生み、ながとブルーエンジェルスの優勝に貢献。
角川穂乃花(横浜TKM)

角川穂乃花(横浜TKM)
戸塚共立ゆかりの里(群馬・大泉高) 20歳 今大会得点25=5T
ボールをもらうタイミング、相手タックルの届かないコース取り、細かいステップは松島幸太朗を思わせる。熊谷の2T、静岡の3Tから今大会は5トライへ、増産体制に入った。
村田彩乃(追手門学院VENUS)

村田彩乃(追手門学院VENUS)
追手門学院大3年(追手門学院高) 20歳 今大会得点50=6T10C
ゲームの読み、正確なキックに加えて今大会は自陣からでも果敢にランニングで勝負するアグレッシブな姿勢を披露。DAY1は5T9Cの43得点で初日の得点王だった。
小笹知美(ナナイロプリズム福岡)

小笹知美(ナナイロプリズム福岡)
吉備国際大-横浜TKM-北海道ディアナ 30歳 今大会得点15=3T
太陽生命シリーズ初参戦のナナイロプリズム福岡にあって、シリーズ元年の2014年から横浜TKM、北海道ディアナで17大会のキャリアを重ねてきた経験値はやはり武器。GM兼主将の中村知春とともにアンストラクチャーなプレッシャーをかけ、不規則にボールを奪うなど球際の強さを発揮。大会初出場のナナイロプリズム福岡を9位に押し上げた。
日下寧子(四国大)

日下寧子(四国大)
四国大4年(鳴門渦潮)21歳 今大会得点25=5T
DAY1の神戸ファストジャイロ戦では3Tのハットトリック。DAY2グレース戦の前半、大外ギリギリで相手タックルをすり抜け、そのままゴールポスト間際まで走り込むトライは鮮やかだった。
星野瑠奈(九州産業大)

星野瑠奈(九州産業大)
九産大1年(九産大附九州) 18歳 今大会得点24=4T2C
4Tは今大会にゲスト参加した4チームで最多。特にDAY1の自衛隊体育学校PTS戦の後半2分、相手キックオフをキャッチして走り出し、相手DFを切り裂いて80mを走り抜けたキックオフリターンは衝撃的だった。
三枝千晃(北海道ディアナ)

三枝千晃(北海道ディアナ)
株式会社メディカルシステムネットワーク(文教大) 25歳 今大会得点20=4T
選手層が薄く苦しい戦いが続く北海道ディアナにあって貴重なサクラセブンズ。過去2大会は出場できなかったが、今大会はDAY1の強敵TKM相手に自陣から55m独走のトライを決めるなど、強靱な足腰を活かしたパワフルなランでトライを量産した。
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |