太陽生命ウィメンズセブンズ2019第3戦鈴鹿大会は、6月8~9日の2日間、三重交通Gスポーツの杜サッカーラグビー場で行われる。
ラウンド3・鈴鹿大会|試合登録メンバー (注)=◎は主将、★は東京大会からのメンバー変更で登録された選手
POOL A・三重パールズ
◎ジャンナ・ヴォーン
谷口琴美
玉井希絵
庵奥里愛
山本実
ジョージア・ダールズ
片嶋佑果
杉本七海★
アビゲイル・ローチ
ロリ・クライマー
末結希
タレイ・キド
POOL A・北海道ディアナ
吉田ジェイド
小笹知美
ニア・トリバー
岡村由惟
レネー・ホームズ
ソーフイ・クァーク★
佐藤優
◎ヒューズシェアリィ
ケイリン・タキティムコック
清水茜
木村あや
磯貝美加紗
POOL A・自衛隊PTS
梶木真凛
藤本実優
星野恵
伊藤睦
◎葛西杏奈
佐藤都
岩渕彩花
宮守杏実
平山愛
桑島彩花
沖野真妃
古市彩
POOL A・横河武蔵野アルテミ・スターズ
江渕まこと★
相川文
村上愛梨
杉江朋香
櫻井綾乃
青木蘭
名倉ひなの
石川裕美★
笹川翼
増本京子
齋藤亜里穂
小畑結依
POOL B・アルカスクイーン熊谷
門脇桃子★
ロコドゥナ・イヴァメレミッシェルデリリ
バティヴァカロロアテザ優海
井口瑞穂★
野田夢乃
本間美月
鈴木彩香
古田真菜
◎田坂藍
阿部恵
黒川碧
公家明日香
POOL・B RKUラグビー龍ヶ崎グレース
永岡萌
幅野真子
森本里菜
大塚朱紗
内海春菜子
寺内美樹
鹿尾みなみ
荻原晴花
須田澪奈
菅萌絵
新井実來
大谷苑佳
POOLB・日本体育大学
山本和花★
永井彩乃★
柏木那月
小林花奈子
高崎真那
南侑里★
小島碧優
古屋みず希
細川恭子
阿部純佳★
永田花奈
吉田美結
POOLB・チャレンジ
吉村乙華
吉本芽以
◎秋田若菜
川岸由季奈
内野琴音★
児玉沙葵★
井上藍
平田愛美★
今釘小町
岡田恵梨香
梅津悠月
吉田萌香
POOL C・ながとブルーエンジェルス
ヴァイネ・グレイグ
リナ・パラオネ
藤﨑春菜
タイシャ・イケナシオ
藤埜瑳紀★
坪井美月
小野ゆき
シャネイ・スィソルカ
辰巳裕有希
藪内あゆみ
アリス・グレゴリー
◎ヘーゼル・トゥビック
POOL C・東京山九フェニックス
カーステン・レベッカ
ポール・メレランギ★
山田怜
佐藤優奈★
ポーリ・レン・ケイラマリタ
上運天あかり
岡田はるな
倉持美知★
原わか花
福島わさな
ハーヴィー・マガリ
笠原きらら★
POOL C・YOKOHAMA TKM
デイヴィッドソン・ベッキー
藤本麻依子
松永美穂★
スキャヴォン・ヴェロニカ★
モロー・モーガン
鈴木育美
光月三智
新原響
浜辺梨帆★
カーティス・サム
◎平野恵里子
シンプソン・アンエリザベス
POOL C・追手門学院VENUS
◎阪本結花
木下由美
新﨑麻未
高木愛実
堀毛咲良
小林詩波★
室越香南
増井茜
土井望愛
金芳歩
福岡花恋
武田乙華
総合順位

東京大会優勝の三重パールズ。今大会はHOME鈴鹿。2大会連続優勝すれば総合優勝も近づいてくる
まず、今季の太陽生命シリーズ2大会終了時点の総合順位をおさらいしておく。
(①秋田大会、②東京大会 獲得ポイント)
1位 ながとブルーエンジェルス 36 ①20②16
2位 三重パールズ 34 ①14②20
2位 アルカスクイーン熊谷 34 ①16②18
4位 YOKOHAMA TKM 26 ①18②8
5位 RKUラグビー龍ヶ崎グレース 24 ①10②14
5位 東京山九フェニックス 24 ①12②12
7位 北海道バーバリアンズディアナ 14 ①4②10
8位 追手門学院VENUS 11 ①8②3
9位 自衛隊体育学校PTS 10 ①6②4
10位 日本体育大学 8 ①2②6
11位 横河武蔵野アルテミ・スターズ 5 ①3②2
12位 チャレンジチーム 2 ①1②1
鈴鹿大会展望_実力伯仲。決勝に進んだチームが4つ生まれている
今季は秋田、東京の2大会で、決勝に進んだチームが4つ生まれているという大混戦だ。

東京大会7位に沈んだYOKOHAMA TKMだがいずれも紙一重の試合だった。
昨年までなら、上位チームの4強進出はまず固いだろうと踏んで予想できたが、今季は準々決勝からどちらが勝つか予想できない実力伯仲のカードが並ぶ。秋田大会で初の決勝進出を果たした横浜TKMが、東京大会では準々決勝でアルカスに7-19で敗れ、フェニックスにも15-17で敗れ、7位に沈んだが、そのTKMは、初日のプール戦では三重パールズと12-12で引き分けている。そして2日目、決勝トーナメントを勝ち抜いて優勝したのは、TKMと引き分けたパールズだったのだから、本当に紙一重の差で勝負がついていることがわかる。
では鈴鹿大会はどんな展開になるだろう。
プールA、前回大会優勝のパールズ。司令塔加入で攻撃力がアップしたディアナ。フィジカルの強さが際立つPTS。主力が欠場のアルテミ・スターズ

パールズは地元鈴鹿での大会になる
プールAは三重パールズ、北海道ディアナ、自衛隊体育学校PTS、横河武蔵野アルテミスターズの4チームとなった。
パールズは東京大会MVPの保井沙予が欠場するが、昨季2大会MVPのジャンナ・ヴォーン、昨季は日体大主将として年間MVPを獲得した山本実、同じく日体大から加入し、東京大会決勝でサヨナラトライを決めた庵奥里愛、サクラフィフティーンのディフェンスの柱・末結希ら頼りになる選手が揃う。
プールB、準優勝のアルカス熊谷、チーム初の4強入りのグレース、秋田大会から持ち直した日体大、未勝利のチャレンジ

アルカスのベテラン、鈴木彩香
プールBは東京大会決勝で三重パールズと死闘を繰り広げたアルカス熊谷、チーム初の4強入りを果たした龍ヶ崎グレース、秋田大会の11位から8強へ持ち直した日体大、そしてチャレンジチームの4チームだ。
アルカスは、東京大会で、勝てばMVP候補だったベテラン鈴木彩香、司令塔の古田真菜、接点にランに急成長のアテザ優海ら、東京大会でチームを引っ張った中軸選手が登録された。
グレースは昨季の総合10位から秋田で6位、東京で4位と着実に順位を上げている。手を抜かないブレイクダウン、ハードワークはチームの伝統だが、大塚朱紗と内海春菜子というツインプレイメーカーの加入・成長で、エース鹿尾みなみ、寺内美樹の攻撃力が増大した。

東京大会では日体大が敗れ、グレースが初の4強入り
昨季総合優勝の日体大は、主力の大量卒業とサクラセブンズ勢の不在で秋田大会では11位まで後退。東京大会ではサクラセブンズの堤ほの花、平野優芽がスポット復帰し、チームを上昇気流に乗せ、プール戦ではアルカス、フェニックス、自衛隊に競り勝ち3戦全勝で1位通過したが、トーナメント初戦の準々決勝ではグレースに14-20で敗れ4強を逃した。鈴鹿ではプール初戦で因縁の対決が再現する。注目の対決になりそうだ。

チャレンジチームの今釘小町
プールB、もう1チームはチャレンジ。高校生のトップ選手やコアチーム以外の選手で編成されるチャレンジチームの、今季の中軸と期待された松田凜日、香川メレハヴィリ優愛のサクラセブンズペアは今大会も登録されなかったが、リージョナルセブンズで2大会優勝の四国大・井上藍&吉田萌香をはじめ、川岸由季奈(名古屋レディース)、児玉沙葵(ブレイブルーヴ)、岡田恵梨香(神戸ファストジャイロ)らゲームフィットをあげている選手が参戦する。過去2戦でスケールの大きなプレーをみせた秋田若菜(佐野高2年)のプレーが、3戦目を迎え、大学生トップチームにどれだけ通用するようステージアップしているか。昨季までコアチームで参戦していた石見智翠館のエース今釘小町のプレーも楽しみだ。
プールCはまさに「死のプール」総合順位トップのながと、YOKOHAMA TKM、東京山九フェニックス、追手門VENUS

小野ゆき(ながと)
プールCにはながとブルーエンジェルス、東京山九フェニックス、横浜TKM、追手門学院VENUSが入った。
秋田大会優勝のながとは、東京では準決勝でアルカスに敗れたものの、3位決定戦でグレースを破り3位。2戦を終えて総合順位はトップに立っている。昨季は2日間6試合を戦うには波があったが、今季はコミュニケーション、メンタル面の安定が戦いぶりに現れている。
日本人選手と外国人選手をつなぐコミュニケーションマスターとなっているのは、2015年ワールドカップ日本代表SO小野晃征の妹、NZ生まれの小野ゆき。アルカスから加入した藪内あゆみの運動量、追手門学院大から加入した藤﨑春菜のプレースキックもチームに安定感をもたらしている。

原わか花(東京山九フェニックス)
東京山九フェニックスも、爆発力は全12チーム中で1、2を争うポテンシャルを持つ。秋田大会、東京大会では鋭いステップと急加速、相手タックルを紙一重でくぐりぬけるチャレンジングな姿勢で観衆を沸かせた原わか花、そこへ好球を送るのが福島わさな。豊富な経験で多くの引き出しを持つマルチプレーヤーの司令塔ぶりに注目したい。

TKMは東京大会の7位決定戦で日体大を破った
この激戦プールに入る残り2チームがまた強い。秋田大会2位で昨季の総合4位の横浜TKMと、昨年の総合3位の追手門学院VENUSなのだ。
TKMは、昨年オーストラリアに半年間留学したエース平野恵里子が、帰国から半年間の熟成を経てパワーもスピードも大幅にスケールアップ。秋田大会、東京大会とも攻守にアグレッシブなプレーを披露している。日体大から新加入の新原響もSH兼WTBとして貢献。FW第1列とは思えない展開力を見せる藤本麻依子、チームを安心させる司令塔モロー・モーガンとバランスよく実力者がハイされているのも強みだ。

高木愛実(追手門学院VENUS)
最後の追手門学院VENUSは、日体大同様に卒業した前主将、藤﨑春菜の抜けた穴を埋めるのに苦労している様子だが、頼れるのが大会通算40トライの絶対的エース高木愛実。今春大学生になり、より強気になった室越香南の仕掛けから高木が良い形で走る場面が増えれば、8強入りの可能性は十分だ。
12チームはすべて実力伯仲。大会は、どこがどこに勝ってもおかしくないスリリングな大混戦で進みそうだ。
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |