5月29日、日本代表が10日間にわたる菅平合宿を終えた。SO石田一貴(三菱重工相模原ダイナボアーズ)が練習を終え取材に応じた。最終日に行われた紅白戦ではトライをきめた。エディー・ジョーンズHCとの1on1では「自分の強みを活かすプレー、そのための準備をするように」と言われたという。ラグビーキャリアの中で、代表になることは目標として掲げる石田がこの10日間をどう感じたか。
――10日間振り返って
僕自身としては、日本代表活動への参加はキャリアを通して初めてだったので、全てが新鮮で、きつい中でも楽しもうという気持ちの方が強くて、周りもみんないい仲間ばっかりで、きつい中でも楽しめて頑張れたかなと思います。
――この10日間っていうのはどういう意味合いを持っている?
何よりもジャージーに(桜の)マークがあるっていうのは、そこを背負って練習だけでもやれる、、そういった経験がある、ないというのは全然違ったなと思います。
―― どういった目標を持って臨まれて、どの程度達成されたと思われますか?
とりあえずチームにコミットすること、戦術を理解するっていうのがもう第1条件なので、そこは気にしていました。練習の中でも理解力っていうのを高めるようにやっていましたし、そこは十分理解してプレーできたなと思います。
――思い出深い練習は
正直、きつかったですね。やっぱり朝5時に起きて体をフルで当てるっていうのは初めての経験でしたね。「あ、これがエディーさんの噂のトレーニングか」っていう感覚でした。
――トレーニングスコッドに呼ばれたことについて。
そこはラグビーやる中で僕がダイナボアーズに移籍するきっかけにもなったのが、やっぱり代表ジャージーを着て試合したいっていうのがきっかけだったので、達成はできてないので、通過点なので、やっとここまでたどり着けたっていうことで正直嬉しかったですし、今までやってきたことは間違いじゃなかったっていう自分の成長も実感できた瞬間でしたね。
――いつのワールドカップであるとか、どこと対戦したいとか、どこでやりたいとかある?
正直どこでもいいです。(代表ジャージーを)着て出られるのであれば、そのチャンスがあるなら一日でも早く掴みたいです。
―― FBとSOでプレーしています。今回の合宿のポジションは。
ポジションに関してはあまり今は、正直こだわりはないので、10、15どちらでも、どのポジションでもこなせる選手になりたいと思っているので、指名されたポジションを全力でやるっていうだけです。
――アピールできた?
できたと思います。やれるだけのことはやりました。全力で。最後はちょっと肩痛めちゃったんですけど、やれることをやってスコアも取れたし、そこは良かったと思います。
――どういう目的で、どういう意図でこの紅白戦をやると説明されたか
9日間、今日までやってきたことをテストするっていうふうに、はっきりと言われていたので、それは復習して、しっかり今日出すだけでした。
――今日の試合では強みのキックは発揮できた?
今日のゲームでは自陣から3フェイズ以内に脱出するっていうのが決まりのルールだったので。 まあ自陣では、自分が敵陣深くまでキックでボールを運ぶというのは意識していました。
――(エディーHCが)目指してるラグビーの特徴は、どういうふうに捉えている?
キーワードとして超速ラグビーっていうのは、エディーさんが常々言われてて、スタッフの方からも言われている。世界一のテンポで世界一のスピード感のあるラグビーをするという感じです。
――最近のトレンドと(ラグビーの特徴で)違いはありますか?
起点となるところにはBKの選手がいる。 トレンドのようにフォワードで行くような形とは違って、FWの中にBKも入ってきて、起点の中にBKが常にいるっていうのが超速ラグビーをするキーポイントだと思います。
――ダイナボアーズに行く前は清水建設でプレーしました。
清水建設さんで僕は最初の2年プレーしてたんですけど、その時はトップイーストディビジョン1でスタートでした。その中でJスポーツだったりテレビを見たりしていて、同世代の選手たちが1部で活躍するのを見てやっぱりすごく悔しかったですし、大学で戦っていたのに、自分だけちょっと距離を感じたというのがすごく悔しくて。 ラグビーやるからには、 いけるとこまでやってみたい、代表を目指したいっていうのが始まりで、そこから移籍を意識してって感じですね。
――移籍してからどういうところが成長した
(相模原に)移籍してきてからヘッドコーチにディフェンスだったりシステムでもっと一貫性のあるプレーというのを言われていたんですけど、そこが自分の中ではまだ達成はできてないなと思っています。 その一貫性っていうプレーの質を上げるというのは目標に近づくためのキーポイントになると思います。
――いつでも同じ(クウォリティの)プレーができるようにということですか
波の少ない選手になれたら。その中でハードルを上げていくところです。
――学生時もちょっとトップリーグのチームから誘われてはいた?
声をかけていただいたんですけど、なんていうんですかね? 正式なオファーじゃなかった。 まあ誰かがいなかった時の控え、っていう感覚だったのかなと思います。
――今回レベルの高い中に入ってきて、ここは自分の通用したところ、ここはまだ足りないなと思ったことは?
自分の強みとしてはステップワークだったり、フットワークのところと、あとはキックが自分の最大の武器なので、そこはこの中でも通用するなと思いました。自分の課題のところで言うと、コミュニケーション。リーダーシップだったりというところをもっと発揮しないといけないなと。あとはコンタクトのところですね。自分はやっぱ体小さいので、その中でもっと低く激しくいくっていうのはもっと必要になるかなと思いましたね。
――そのあたりはエディーさんに言われた?
いや、特に言われたわけではないんですけど、(練習を)やる中で思いました、FWコーチに、体小さい中でも激しく速くっていうのは、常々、教えていただきました。
――エディーには何を言われたんですか?
エディーさんには1on1で話した時には、自分の強みを活かすプレー、そのための準備をするように、ということを言われました。
――宮崎に残れる自信は?
まだ発表はないですけど、行きたいです。 代表ジャージーを着て試合するっていうのは、キャリアの中での目標なので、何があっても一喜一憂するわけでもなく、その目標を達成するまではステップを上がり続けていこうと思いながら、目指して常々やっていくだけです。