27日、ジャパンラグビーリーグワン・三菱重工相模原ダイナボアーズは神奈川県と連携協定を結んでいることから石川晃GM、鶴谷昌隆副将とともに今シーズンチームに加入した南アフリカ代表WTBカートリー・アレンぜが黒岩知事を表敬訪問、あわせて入団会見を行った。23日まで南アフリカ代表のオータム・ネーションズシリーズに参加。スコットランド戦を終え来日を果たした。
石井晃GMは冒頭「リーグワン開幕に向けて一ヶ月を切った中で私含めたチームの選手の緊張感が走っている状況の中、テストマッチからわずか3日くらい前に終えて、来日してくれました。彼のプレーは、みなさんもご存知だと思いますが爆発的な加速、ハイボールの強さ、そして何よりも強いタックル、ダイナボアーズのカラーに合った80分間ずっとハードワークを全力で行う、そういう姿を見せてくれると期待しています」と話した。
カートリー・アレンぜ
石井GM、私をダイナボアーズに呼んでくれて本当に感謝しています。ありがとうございます。皆さんとハードワークして同じ旅をすることを楽しみにしています。全力でプレーできるように頑張ります。
――日本はいつからくると決めていたのか
自分も長い間、日本でプレーしたいと思っていました。自分のキャリアの中でどこかのタイミングで絶対日本に来ると思っていて、ブルズも自分の希望に対して許してもらえたので本当に感謝しています。日本の文化、ライフスタイルを学ぶこと、経験することをすごく楽しみにしています。全力でプレーしたいですね。
――他にも日本のクラブの選択肢はあったのですか?
ダイナボアーズが最初に自分に対して興味をもっているチームだと言われたので、そこでもうダイナボアーズ以外は考えませんでした。自分が経験しているラグビーでチームに貢献できたらと思っています。自分ができることをやりながらラグビーを楽しみたいと思っています。
――契約について
まずはワンシーズン、その後ブルズと2年契約があります。可能だったらもっと長くいたいと思っています。日本にいる間は全力でプレーしてまたチャンスがあれば日本でプレーし続けたいと思っています。
――日本の魅力について
日本語にすごく興味を持っていて、すごく学びたいと思っています。他は食べ物、ボクスには日本でプレーしている選手が多いんですけど、みんなが「日本の食べ物最高」って言ってます。それはすごく楽しみにしています。動画コンテンツで「相撲のドキュメンタリー」を見ました。それを見て相撲にも興味を持っていて、いつか見てみたいと思っています!
――自分の強みとは
自分もラグビーを長い間やってきて、様々な経験を積んできました。その経験をチームに伝えることができたら貢献できる一つのポイントだと思っています。体は決して大きくないかもしれないですけど、スピード、スキルはあると思うので、そういうプレーでも貢献したいね。
――同じ神奈川県のチームである横浜キヤノンイーグルスでプレーする、ジェシー・クリエル選手やファフ・デクラーク選手とは日本でプレーにあたり何か話をしましたか
二人だけからではなく、日本でプレーする選手みんなが「日本は絶対楽しめると思うよ」といってくれています。日本にいる間、どこかで会おうって話をしています。まずはチームに馴染んでからになると思いますが、次の記者会見で彼らとどんな話をしたのか報告しますね。
――日本の若い選手の中でもアレンぜ選手にあこがれている選手は多いと思いますが、日本人と変わらない体格でインターナショナルレベルで素晴らしいパフォーマンスを出せる秘訣は?
秘訣というものはないと思いますけど、自分より大きな選手とマッチアップするときは、勝ちたい、ベストになりたいという気持ちがまずあって、それがすごくモチベーションになります。大事なことはどんな選手でも強み、弱みがあると思いますが、それを理解すること。自分はどういうプレーが得意なのか、ポテンシャルを持っているかということを理解することです。それを理解したうえでプレーしながら楽しむことが自分のベストパフォーマンスが出せる大事なポイントかな。
――日本のファンはチェスリン・コルビ選手(東京サントリーサンゴリアス所属)とのマッチアップを期待しています。彼との対決について。
彼は世界のベストの選手の一人だよね。彼のプレーを見てプロのラグビー選手になりたいと思う子も多いし、自分も彼だけでなく多くのチームメイトと対戦できることをすごく楽しみにしているよ。彼の強みは何も怖がらないで自信を持ってプレーしているところは本当に素晴らしいと思うので、そんな彼と対戦相手としてプレーできたら嬉しいね。
――まだプレーオフに行ったことがない若いチームに来ることについて
石井GMと話をしたときにダイナボアーズはジャージが緑だから(南アフリカ代表のジャージと同じ色)でしょと言われて(笑)それも確かにありますねと答えたのですが。まずはラグビーをできるところに行きたいという思いはありました。いくつになっても、どんな環境でも学べることはたくさんあると思っています。ダイナボアーズにはポテンシャルのある若い選手がすごく揃っていて、ダイナボアーズは高いところまで行けるチームだと信じています。その道を自分も歩みたいという気持ちがあってダイナボアーズを決めました。
――スプリングボクスではワールドカップ二連覇という偉業を成し遂げましたがそこから学んだことは
自分も(二連覇のような)経験をするとは決して思っていませんでした。本当にスペシャルな選手が集まっていたスプリングボクスでした。経験抱負なベテランから若い選手で手を挙げてチャンスを掴んだ選手もいました。そこで一番学んだことは一瞬一瞬、プレーしている時には、楽しみながらやること、何かミスをしても2、3秒以上引きずらないこと。それがすごく重要でそういった経験をチームに伝えることができたらと思っています。
――これまでのラグビーキャリアでターニングポイントはありますか
自分がプロのラグビー選手になる前に諦めたい、辞めたいという時がありました。そういう時を乗り越えて頑張ってきたからこそ、今があると思っていますし、ハードワークしないといけないと決めて本当にやってきて良かったと感じています。
自分がこんなにハードワークしているのに、チャンスが来ないという時がありました。そこで諦めそうになりましたけど、そういうときこそハードワークし続けて諦めないとチャンスが来るということを経験してやり続けました。
――ラグビー選手として大事にしていること
自分にチャンスがなかなか来ない時、いろいろなコーチから「自分はラグビーをするには小さすぎる」といわれました。そんな本当に希望が必要な時に、当時南アフリカで活躍していたジオ・アプロン選手が小さくても活躍していたところ見て、自分も彼のようにできると思って希望をもらいました。今度は自分もそういう存在になりたいと思っています。