キャセイパシフィック香港セブンズは第2日。ワールドシリーズ昇格決定大会に出場している男子日本代表は、香港時間10時06分(日本時間11時06分)から1次リーグG組最終戦のクック諸島戦を行い、26-7で勝った。
試合は小雨の中のキックオフ。
日本は前半2分、ジェイミー・ヘンリーからロマノ・レメキと繋いだボールを受け、藤田慶和がポスト右にトライ。坂井克行主将がコンバージョンを決め、7点を先行する。
続く4分には、WTB北川智規が相手を1対1で、スワーブからの猛加速で抜き去り右隅へ。
7分にはFW桑水流裕策が左隅でパスを受け、インゴールに滑り込んだが、ラストパスがスローフォワードと判定されてトライならず。前半は12-0で折り返した。
前日とは異なり、小雨が降るウェットなコンディションも関係あるのか、この日の日本はハンドリングミスやスリップしてバランスを崩す場面が散見。後半3分には、自陣ゴール前に攻め込まれながら相手のノックオンでピンチを逃れながら、マイボールスクラムのボールがプロップの脚に当たって相手側にこぼれ、相手WTBフレッチャーにトライを許し、今大会初失点を喫する。
7-12となったイヤな流れを断ち切ったのは、東京セブンズ以来セブンズジャパンの大黒柱、MVP級の活躍を続けるレメキだった。FWロテ・トゥキリが持ち込んでキックしたボールをチェイスし、ゴールライン上で弾んだボールを跳び上がって捕り、ダイビングトライ。
5分には後半投入のFWロトアヘアポヒヴァ大和が、左タッチ際で相手タックラー3人を引きずりながらコーナーにグラウンディング。坂井主将が難しいコンバージョンを見事に決め、26-7と勝負を決めた。
日本代表の瀬川智広HCは
「ちょっと体が重たい感じだった。ボールキープはしているけれど、横に動かしてはいるけれど、前に出られていない。雨の場合は、テリトリーを考えようと話した」と総括しながら
「ここまでは予定通りだけど、次(準々決勝)からは相手も全然違ってくる。もっとフィジカルな試合になる」と警戒感を強調した。
これで日本はG組で3戦全勝の1位。
E組はジンバブエが14-5でロシアを破り1位。
F組は香港が19-0でイタリアを破り1位。
各組1位同士を、1次リーグ全体の成績で比較し、得失点差、得失トライ差ともに1位の日本が1位、2位が香港、3位がジンバブエ。
各組2位の比較では1位がE組のロシア、2位がG組のウルグアイ、3位がF組のイタリア。
決勝トーナメントには各組3位のうち2チームがワイルドカード扱いで進出でき、E組3位ながら得失点差でプラス(+22)のチリ、F組3位ながら得失点差が-8と最少だったチュニジアが進出を決めた。
決勝トーナメントは29日午後から。
日本は16時42分からの第1試合で全体8位のチュニジアと対戦。
以下、ロシア対ウルグアイ(17時04分 )、ジンバブエ対イタリア(17時26分)、香港対チリ(17時48分)の順で対戦。
準決勝はあす30日。日本が初戦を突破すると、準決勝では12時56分から、ロシア対ウルグアイの勝者と対戦する。
大友信彦 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。プロフィールページへ |