夏の菅平レポート・連覇を狙う帝京が早稲田との接戦を制す | ラグビージャパン365

夏の菅平レポート・連覇を狙う帝京が早稲田との接戦を制す

2022/08/23

文●大友信彦


8月21日、菅平で行われた大学ラグビーの練習試合で、相馬朋和新監督のもと大学選手権連覇に挑む帝京大が早大と対戦。試合は接戦となったが、帝京大が終了直前のトライで35-28で勝った。

帝京大が高本幹也(背中10)、早大が伊藤大祐(正面)、大学有数のSO対決

帝京大が高本幹也(背中10)、早大が伊藤大祐(正面)、大学有数のSO対決


試合は前半、早大がキックオフ直後、LO池本のキックチャージからのノーホイッスルトライで先制。さらにSH宮尾、HO佐藤がトライを重ね、入りの15分で21-0とリード。


対する帝京大は17分にHO當眞のトライで追撃開始。29分にはラインアウトモールからFL青木、35分にはCTB松山主将がトライし、それぞれSO高本幹也がゴールを成功。21-21の同点に追いついて折り返す。


同点で仕切り直した後半も、両チームは夏合宿の練習試合ながらメンバーを変えずに必勝態勢でゲームを続行。

後半も先に点を取ったのは早大だった。11分、スクラムからNO8相良主将が前進し、CTB松下が相手タックルを外しながらトライ。対する帝京大は18分にスクラムで早大ボールを奪うとフェイズを重ね、NO8延原がトライ。28-28と再び同点に追いつく。

ハイボールキャッチにキックチェイスにフル回転した帝京大CTB二村は試合後、チームのMVPを受賞

ハイボールキャッチにキックチェイスにフル回転した帝京大CTB二村は試合後、チームのMVPを受賞

帝京大CTB松山主将のゴールへの突進

帝京大CTB松山主将のゴールへの突進

早大No8相良主将が腕をねじこみトライを阻止

早大No8相良主将が腕をねじこみトライを阻止

58分、帝京大No8延原トライ

58分、帝京大No8延原トライ

ラインアウトを競り合う帝京大・延原と早大・相良

ラインアウトを競り合う帝京大・延原と早大・相良

後半登場のWTBミティエリ、強烈なインパクト

後半登場のWTBミティエリ、強烈なインパクト

終了直前、帝京大SO高本が早大ディフェンスを見てチップキック

終了直前、帝京大SO高本が早大ディフェンスを見てチップキック


その後は互いに相手ゴールに迫りながらトライを奪えず、同点のままタイムアップかと思われた後半37分、帝京大は自陣で相手パスをインターセプトしたCTB二村がすぐにキック。これが50/22となりマイボールラインアウトを獲得。

-競り合ったこぼれ球を帝京大SH李が押さえ劇的勝ち越しトライ

-競り合ったこぼれ球を帝京大SH李が押さえ劇的勝ち越しトライ


帝京大はここから攻撃を継続し、38分にSO高本幹がゴール前でショートパントを蹴って自ら競り、こぼれ球に走り込んだSH李がトライ。高本幹がコンバージョンを決めて35-28。劇的な勝利で夏の大一番を制した。

帝京大 SO高本幹也


――見事な逆転勝ちでした。


「最初に自分のキックをチャージされてしまって。久しぶりの強い相手ということで、緊張していたけど、あれで良い感じに気持ちがほぐれたかな。そこから3トライを取られて、スイッチは最初から入っていたんですが、もう一度入れ直して、自分たちの形を出していこうと」


――本当はもっと圧倒したかった?


「圧倒とは考えていませんでしたが、接点にはプライドを持っているので、負けないという気持ちでした。普段の練習から、この合宿に来てからも、接点にこだわってやってきたし、カラダ的にはしんどいと思うけど、FW中心に逃げないでいこうと」

――早大の印象は。


「セットプレーが強くてBKには良いランナーが揃っていて、対抗戦に向けても気が抜けない相手だなと改めて思いました」


――夏の練習試合ですが勝ちにはこだわった。


「勝ちにこだわる気持ちはずっと持っていました。ただ、こだわりすぎると攻め急いだりしがちなので、気持ちを抑えて、冷静に組み立てていこうと。2年生から試合に出してもらって自然と経験を積んできたので、試合の流れを読めるので、冷静にできれば」

――監督が替わって、どんな変化がありましたか。
「そうですね……悪くはなっていません、良くなっていると思います。練習から、良い意味でハードになっている。もともとハードでしたけど、より一層。年を重ねていくごとにハードになっています。特に体力、フィジカルの部分です」

――元同級生の李承信の活躍はどんな刺激になっていますか。


「日本代表に入って試合に出ているし、僕も目指しているところなので、うらやましいなという思いもあるし、僕も承信に負けないでやっていこうという気持ちが生まれるし、良い刺激になっています」


――今日の試合は夏の1試合という位置づけか、やはり特別な相手と意識していたのか。


「両方ですね。夏の1試合ということもあるし、ワセダという負けられない相手という意識もありました」


帝京大・相馬朋和監督


――最後まで競り合いの試合でした。


「お互い、力通りの試合だったと思います。ラグビーですから、コンタクトは常に強くありたいと取り組んできましたが、ワセダさんはそこはいつも強くて、育ててもらってきたところ。今日も良いレッスンをしていただきました」


――選手からは、今まで以上にハードになっていると聞きました。


「そこがこのチームの文化ですし、強みですし、ずーっと厳しくやってきた。監督1年目にあたり、そこを強く守ろうと、我々の強みをいつも通りに持てるようにと思って取り組めば、そうなるのかな」



――スクラムはいかがでしたか。


「なかなか簡単にはいかないなと。先週(天理大戦)は良かったと言っていただいていますが、毎回そうはいかない」


――今日の試合のテーマは。


「コンタクトで勝つこと。どんな時間帯で、どんな勝負ができるか。それがラグビーですから。今日は最後までお互いに、ワセダさんも素晴らしかったし、ウチも素晴らしかった。秋に向けて、良い試合ができました」


――勝ちにこだわる姿勢が見えました。


「どうせ試合をするなら勝ちたい。勝ち方はどうでも、勝って反省できることが、一番次に繋がるエネルギーになりますから。どんなプロセスであれ、勝ったことを評価したい」

――SO高本について


「素晴らしい。本当に素晴らしい。試合に臨む準備も素晴らしいし、トレーニングに向かう姿勢、リカバリーの姿勢も素晴らしい。去年から素晴らしかったのですが、取り組みの質が上がっている。今年も4年生がいい見本になってくれて、大学スポーツは素晴らしいなと感じています」

京大 CTB松山主将


――最後まで勝負の分からない激戦でした。


「楽しかったです。入りは上手くいかなかったけど、そこは気持ちの部分かなと…練習試合ですが公式戦以上に気持ちが入って、準備の段階から気合いが入っていました」


――試合のテーマは


「コンタクトでしっかり圧倒しよう。100点満点とはいかなかったけど、十分合格点をとれる内容だったかなと思います。あとはディフェンスでしっかりプレッシャーをかけて自分たちのラグビーをしよう。スクラムで優位に立ってゲームを作るけれど、スクラム以外の強みも作っていこうと。ワセダさんもしっかりファイトしてきて、強かった。自分たちも成長しないと」

――昨年は細木前主将のキャラもあってFWの存在感が強かった。

「今年はFWもBKも、それぞれの強みを活かしてスコアを重ねられるチームになりたい。高校でキャプテンをさせてもらいましたが、自分の役割はチームをひとつにすること、目標を掲げて、自分たちの行動が正しい方向へ向かっているかどうかの基準を作ることです」


――SO高本くんについて


「高校(大阪桐蔭)からずっと一緒にやっていますが、より一層逞しくなって頼れる存在です。誰よりもチームのためを考えて行動してくれる。チームの戦術についても、自分のプレーについても、下級生に対するアプローチでも、常にチームがよりよくなるように考えて行動してくれています」

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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