日本とフィジーの女子テストマッチは2016年12月、香港で行われたワールドカップ2017最終予選以来5年半ぶりだ。このときは日本が55-0で勝利。ただし、当時はフィジーの初めての女子15人制のテストマッチだったといわれたほど。正確な真偽は確認できていないが、女子ラグビーは7人制を中心に国内では行われていても、15人制代表チームの活動がほぼなかったのは間違いなかった。
しかしそこからフィジーは長足の進歩を遂げている。今年のスーパーWでは初参戦ながら並み居るオーストラリアの強豪チームを退け優勝したほど。ナショナルチームとしてのテストマッチ歴は少ないながら、下馬評では「世界の上位国に匹敵する力を持つのでは」と言われていた。日本にとっては強敵だった。裏返せば、10月のワールドカップに向けたウォームアップシリーズの初戦には絶好の相手だ。
試合はフィジーのキックオフで始まった。
序盤、両チームともなかなかスコアできない静かな時間帯も、互いに持ち味を出していた。スクラムは体重で押そうとするフィジーとまとまって押す日本、ほぼ互角。フィジーは果敢にオフロードパスを試み、日本は強いタックルでそこに対抗。裏返せば、優位な局面でもやや強引なプレーに走ってチャンスを逃すフィジーと、必死のタックルでピンチをしのいでもなかなか自陣を脱出できない日本の攻防が続いた。