太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2021・東京ラウンド直前SP、参加12チーム最新情報 | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2021・東京ラウンド直前SP、参加12チーム最新情報

2021/04/30

文●編集部


4月28日、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ開幕に向けた公式プレスカンファレンスがオンラインで開催された。ここで紹介された各チームからのコメントも含め、最新情報と過去情報をミックスして大会の見どころをお届けする。

東京大会プールA|ながとブルーエンジェルス

パラキゆき

パラキゆき

一昨年(2019年)初の総合優勝を達成したときは主将のヘイゼル・トゥビックをはじめNZ代表&代表候補クラスの選手をずらりと並べていたブルーエンジェルスだが、今年はヘイゼルがブラックファーンズ(15人制女子NZ代表)に参加していて合流できず。外国人選手で合流しているのはトゥフガ・レベッカ、ファタシンプキンズ・カタリナ(ともにNZ)の2人だけ。それでもチームのラグビースタイルは「まったく変わっていません」と藤崎春菜主将。

大内田優月

大内田優月

東京大会には新加入の木下由美、大内田優月がメンバー入り。1月のサクラフィフティーン強化合宿で右アキレス腱を断裂したパラキゆきも登録メンバーに入った。


RKUラグビー龍ケ崎グレース

永岡萌主将

永岡萌主将

一昨季(2019年度)は15人制で初の全国選手権優勝(横河武蔵野アルテミスターズと引き分け両者優勝)を果たした。太陽生命シリーズの総合順位も2015年の8位から7位-10位-10位と低迷していたが2019年は東京大会でチーム初の4強入りを果たすなど年間総合6位に上昇していた。昨季の太陽生命シリーズ中止決定後は15人制の活動に専念していたという。

安井ノエル

安井ノエル

東京大会の登録メンバーには1年生が京都成章出身の安井ノエル、奥田真帆、麻田瑞月、そして国学院栃木出身の佐々木理子と4人。成長するための伸びしろは大きそうだ。


北海道バーバリアンズディアナ

岡村由惟

岡村由惟

東京都の緊急事態宣言と北海道の「特別対策」、都府県間との移動の自粛要請等の観点から東京大会の出場を辞退。「苦渋の決断ですが、上の方がたくさんのことを検討して決めたことなので、選手は真摯に受け止めています。他のチームよりも1大会分経験値は少なくなってしまいますが、初戦までの準備期間を2週間長く取れることをプラスに考えたい」と岡村由惟主将。メンバーは22人ともともと少ない上に、外国人選手4人がまだ合流できていない。「7対7の実戦練習も難しいのですが、バーバリアンズの男子チームに練習相手になってもらい、男子と7対7の練習を積んできました」(同)

3月には沖縄の読谷セブンズに参加した。
なお、ディアナのシーズンポイントは、このあとの大会で獲得したポイントを参加大会数で割った数値(1大会平均獲得ポイント)を東京大会のポイントとして、第4戦鈴鹿大会終了後に加算される。



四国大学

北岡奈央

北岡奈央

創部2年目、1~2年生のみの編成で2019年のリージョナルセブンズで2大会優勝、入れ替え戦では横河武蔵野アルテミスターズ、ユニコーンズを破り昇格を決めた四国大は、初めて4学年が揃い、部員も29人に増加。昨年は太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ中止決定後は15人制にシフトして活動してきたが、2月頃からセブンズの活動をスタートしたという。東京大会の登録メンバーは4年生から1年生まで各学年3人ずつという編成。

西真央

西真央

キャプテンは石見智翠館3年時は太陽生命シリーズコアチームとして入れ替え戦に臨み、ながとブルーエンジェルスを破ってコア残留を果たしたときのカリスマ主将井上藍。2年生では身長177センチの大器・中村沙弥、ユース日本代表でも活躍した尾崎夏鈴も東京大会のメンバー入りを果たした。


東京大会プールB|アルカス熊谷

松井渓南

松井渓南

昨年は太陽生命シリーズ中止が決まった4月以降、15人制に活動をシフト。自衛隊体育学校と組んだ合同チーム「モーニングベアーズ」(自衛隊体育学校の本拠地朝霞の「朝」と、アルカスの本拠地熊谷の「熊」を英語化した。)で関東大会優勝を果たした。今季は主力選手の他チームへの移籍が続いたが、これまで出場機会に恵まれなかった若手のブレイクが楽しみ。東京大会でメンバー入りした松井渓南は2017年ユースオリンピックアジア予選優勝メンバー。谷山美典の弟は、昨季筑波大の1年生CTB兼No8としてブレイクした谷山隼大だ。リオ五輪代表でサクラセブンズ復帰を目指す桑井亜乃、サクラフィフティーンで来年のW杯を目指す谷口令子、のベテラン勢のプレーも楽しみだ。

東京山九フェニックス

鹿尾みなみ

鹿尾みなみ

今春、新メンバー16人を迎え、メンバー37人と大所帯になった。「紅白戦をしっかりやれるようになって、チーム内の競争もめちゃめちゃ高まりました」と塩崎優衣共同主将。

アルカスから電撃移籍した黒川碧、門脇桃子、田坂藍の3人が揃って東京大会のメンバー入り。アルカスとは同組となり、初日のプール最終戦で対戦する。古巣と対戦する選手たちのパフォーマンスは注目を集めそう。グレースから大学卒業・就職を機にフェニックスに移籍した鹿尾みなみも、2日目には古巣との対戦があるか?

一方で高卒新人も中島涼香(関東学院六浦-法大1年)、岡元涼葉(京都成章-東京学芸大1年)が早くもメンバー入り。年齢、経歴、バックグラウンドの多彩さがどんなパフォーマンスにつながるか、楽しみだ。


自衛隊体育学校PTS

秋田若菜

秋田若菜

コアチームに初昇格した2019年は年間総合8位。入れ替え戦を回避した。2018年に入隊したユース日本代表経験者の梶木真凜(福岡工大附城東)の代からスーパー高校生枠が導入され、各駐屯地・部隊での訓練を経ず4月から体育学校に入校できるようになったことで、高校のトップ選手がブランクなく合流できるようになった。

注目は栃木・佐野高から入隊1年目の秋田若菜。2019年大会では高校2年ながら全4大会でチャレンジチームの主将を務めた。「スピードもスタミナもあって、細く見えるけどパワーもある」と石井寿依。同じくルーキーの石井咲蘭(さら)は「身長171センチとサイズがあり、手足の長さ、フィジカルの強さがあってブレイクダウンで勢いを出せる存在」(同)。テコンドーの全国選手権62キロ級で2年連続決勝進出を果たした経歴も持つ。秋田とともに東京大会注目のルーキーだ。


追手門学院VENUS

須田倫代

須田倫代

土井望愛主将は「去年は試合をできずに卒業していった先輩たちの思いも背負って戦いたい」。今春卒業した先輩は5人、中でも高木愛美、新崎麻未、木下由美の3人は追手門学院高校時代からVENUSのメンバーとして太陽生命シリーズに追手門旋風を巻き起こしていた黄金世代。チームとして15人制の活動をしていないだけに、ラストシーズンに1試合もできないまま送り出すことになったのは後輩にとっても無念だった。

東京大会では3人の1年生がメンバー入り。須田倫代は京都成章で昨秋の全国U18女子セブンズ優勝メンバー。松井香保里は、東京大会はメンバー外となった徳永結羽とともに鳴門渦潮で3年連続全国U18女子セブンズ出場。堅田風南は神戸弘陵学園では女子硬式野球部に所属していた異色の転向組。どんなパフォーマンスを見せるか楽しみだ。


東京大会プールC|三重パールズ

齋藤聖奈

齋藤聖奈

2021年のチームスローガンは「Iron Sharpens iron(鉄が鉄を磨く)」
「チームメイトがお互いを成長させるという意味です」と齋藤聖奈主将。

今年2月、15人制の全国選手権にぶっつけ本番ながら優勝を飾った勢いに乗って7人制でも初の総合優勝を目指す。「特に、最終戦が地元鈴鹿の大会なので、そこではぜひ優勝したい」と共同主将のSO山本実。

昨年は次々と大会が中止になり、地理的に他チームと離れた位置にいるパールズは練習試合もほとんど組めなかったが「地元の四日市工や朝明の男子高校生と合同練習をさせてもらいました」注目してほしい選手は「三谷咲月。パールズジュニアからトップに上がっていま大学3年生。スピードがあって。キックがいい。注目してください」(山本)

YOKOHAMA TKM

松永美穂

松永美穂

中心選手だった平野恵里子、藤本麻依子、横山里菜子、ヴェロニカ・スキャヴォン、モーガン・モローらがごっそり抜けた今季は「チーム創立10周年、これまでの医療法人チームから一般社団法人に移行して迎えるシーズン、2年前とはメンバーが替わって挑戦者として戦い続けたい」と松永美穂主将。スローガンは「REBORN=再生」。一般社団法人化にともない外国人選手は一社・横浜TKMの所属となる。

片山菫

片山菫

SDS合宿に招集されたアテカ・レイヤモ、フィジー代表でリオ五輪出場のジョワナ・サエトはともにラグビーリーグ出身でランニングスキルが光る。新生TKMとして臨むシーズン、松永主将のイチオシは、日体大から加入2年目のSO片山菫。「大学時代はケガで太陽生命シリーズには出られなかったけど、キック、パス、スピードのあるラン、すべてを高いレベルで器用にこなします!」


日体大女子ラグビー部

吉野舞祐

吉野舞祐

昨季は太陽生命シリーズ中止が決まった時点で活動を15人制にシフト。関東大会では3位に終わったが、古屋みず希主将をはじめFL細川恭子、PR小牧日菜多、牛嶋菜々子らがサクラフィフティーン候補入り。東京大会の登録メンバーには本職PRの小牧、牛嶋が入っているのが目を引く。
「PRだけどセブンズもやろうという意欲がすごい」と古賀千尋HCも舌を巻くほどだ。
古屋主将のイチオシ選手は2年生WTBの吉野舞祐。15人制の関東大会でも大活躍し「走力があって、フィジカルが強くて激しいタックルも魅力なので、ぜひ注目してほしいです」


チャレンジチーム

中村知春

中村知春

今季の大会で一躍最注目チームになったのが「日本協会強化チーム」であるチャレンジチーム。単独チームで出場できない選手やユースアカデミーで選抜された選手による編成ながら2014年札幌大会では3位、2015年保土ケ谷大会では準優勝、同年東京大会では4位など、上位に食い込むことも多かった。しかし、シニアチームに外国人選手を大量に補強するチームが増えるに従い、成績は頭打ちとなっていたが、今季は東京五輪を控えたサクラセブンズが強化のための実戦経験の場として参戦。東京大会は中村知春、大黒田裕芽、横尾千里のリオ組を含め12人全員がサクラセブンズ候補選手という布陣で臨むことになった。

勝って当然と見られるプレッシャーを受けて戦うのは、五輪本番で受けるであろうプレッシャーの予行演習としては絶好のシミュレーションになる。当然、相手チームから見れば格好のターゲットになる。初日の初戦の相手は2年前の東京大会で優勝を飾った三重パールズ。さらにTKM、日体大との対戦が続く。すべての試合のすべての時間が注目を集めそうだ。

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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