太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023・新戦力情報1 | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023・新戦力情報1

2023/05/08

文●大友信彦


2023年の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ開幕が迫った。
今季の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズは、全大会に出場するコアチームを例年の11から15に4増。日本協会の強化チームとして編成されるチャレンジチームを加えた16チームの参加で4大会が行われる。

本格的なセブンズシーズンに向け、各チームは2月から練習試合や強化試合を実施、シーズンに備えている。また、コアチーム昇格4枠を争うリージョナルセブンズは3月25-26日にエコパで行われ、ナナイロプリズム福岡、ブレイブルーヴ、横河武蔵野アルテミスターズ、日本経済大の4チームが昇格を決めた。

今季の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズは5月20-21日の熊谷大会で開幕。
6月3-4日に秩父宮大会、
6月17-18日に鈴鹿大会、
そして7月1-2日に近畿地区初開催となる花園大会、以上4大会が行われる。

RJ365では、各チームがHPやSNSで発信している公開情報に独自取材の成果も含め、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズを戦う主要チームの新戦力情報をお届けする。

東京山九フェニックス(年間総合優勝)

松村美咲

松村美咲



昨季は太陽生命ウィメンズセブンズシリーズで年間総合優勝、15人制でも全国選手権優勝を飾り、2冠を達成したフェニックスには今季も魅力的な新戦力が加わった。関東学院六浦3年でワールドシリーズデビューを飾った松村美咲が早大進学を機に、やはり高3からSDSメンバーとしてサクラセブンズを経験してきた西亜利沙が立大進学を機に加入。世代トップランナーのタレント2人がフェニックスに加わった。

西亜利沙

西亜利沙



そして同じく関東学院六浦から山本侑衣菜(帝京大)、石見智翠館から田淵六花(りっか=専大)、桐蔭学園から田中沙弥香(横浜市大)、そして神奈川出身でNZで5年間プレーしてきた高吉理子。

山本侑衣菜

山本侑衣菜


さらにフィジー7s代表で東京五輪銅メダルを獲得したアロウェシ・ナコジ(31)、オーストラリア7s代表育成メンバーでレッズ・ウーマン所属のナタリー・ライト(20)、ケイトリン・シェイブ(21)という海外勢3人が新加入。多国籍の選手が化学反応を起こしながらチームの可能性を広げていくフェニックスらしさは今季も健在だ。なお昨季限りで野田夢乃、長利奈々、辰巳千亜希が退団した。


続いて、ながとブルーエンジェルス、横浜TKM、三重パールズ、日体大女子、アルカス熊谷の新戦力を紹介する。

ながとブルーエンジェルス(昨季総合2位)

サクラセブンズでも大活躍の大谷芽生

サクラセブンズでも大活躍の大谷芽生



昨季は総合2位のながとブルーエンジェルスも意欲的な補強を進めた。国内移籍では、昨季までアルカス熊谷に所属していた東京五輪サクラセブンズ代表の大谷芽生(めい、22)が立正大卒業を機に移籍。

室越香南

室越香南



森瀬詩乃

森瀬詩乃

昨季まで追手門学院VENUSでプレーしていた室越香南も大学卒業を機にながとの住人になった。長崎・島原から九産大で活躍し、昨季はチャレンジチームでも出場した森瀬詩乃もながと入りした。

ククタイ

ククタイ



海外勢は昨季、横浜TKMでプレーし、熊谷大会で7TをあげMVPを獲得したグレイス・ククタイが加入。さらに南アフリカ代表のナディーン・ルース、ケニアからグレース・オクル、ブラジルからビアンカ・シルバ、カナダからテミトペ・オグンジミの各選手が加わった。
そしてヘッドコーチにはオールブラックス・セブンズで299キャップを持ち、昨年までタイのHCを努めていたロテ・ライカブラ氏が就任。フェニックス同様、多国籍の選手が化学反応を起こしながらチームの可能性を広げていくチームカルチャーが磨かれていきそうだ。なお昨季まで在籍した藪内あゆみはナナイロプリズム福岡へ移籍した。



横浜TKM(昨季総合3位)

アカニシ・ソコイワサ

アカニシ・ソコイワサ


昨季の熊谷大会で悲願の初優勝を飾ったTKM。優勝はその1大会にとどまったが、今季は大型補強を敢行した。昨季、ライバルのながとブルーエンジェルスでプレー、太陽生命シリーズ3大会で16トライをあげたフィジー代表WTBアカニシ・ソコイワサを獲得。

リース・アンダーソン

リース・アンダーソン


さらにNZから2022年ワールドスクールセブンズMVPに輝いた20歳のリース・アンダーソンを司令塔に迎え、フィジー代表セブンズで東京五輪、15人制で昨年のW杯NZ大会に出場したロエラ・ラディニヤブニ(33)、NZから2018年ユース五輪金メダルのカリン・タキティム・クックを獲得。

昨季以前から在籍しているアテカ・レイヤモ、アシテナ・サヴとあわせ、外国人選手層は太陽生命コアチームでトップレベルとなった。

人羅美帆

人羅美帆


堀川侑愛

堀川侑愛


国内選手は日体大から昨季15人制主将の人羅美帆と7人制主将の堀川侑愛、四国大から小島晴菜、宮田若菜、流経大から新井実来、立正大から藤殊華、岐阜・各務原(岐阜清流レディース)から細川ケイリニ美咲アコテウが加入。

藤殊華

藤殊華



藤は15人制に専念する予定だが、日体大からは15人制の主将で関東大会優勝を達成した人羅・7人制の主将で大学女子セブンズ優勝を飾った堀川が加入。4月30日の関東女子セブンズでは堀川はすでにFWの中心選手の存在感をみせていた。

なお、創設時からTKMを支えてきた鈴木育美をはじめ、光月三智、片山菫、阪本結花が昨季限りで引退・退団した。


三重パールズ(昨季総合4位)

ブラックファーンズのスーパースター・サラ・ヒリニが日本でプレー!

ブラックファーンズのスーパースター・サラ・ヒリニが日本でプレー!


開幕前にビッグニュースが女子ラグビー界に吹き荒れた。三重パールズに加入が発表されたのは、女子ラグビーでは世界最高の選手のひとり、7人制と15人制の両方で世界の頂点を制したNZ代表サラ・ヒリニ(30)だ。男子でいえばリッチー・マコウに相当する女子ラグビーのカリスマ的存在だ。NZからは2016年リオ五輪銀メダルメンバーのシャキーラ・ベイカー(31)も加入した。

西村蒼空

西村蒼空


国内では、立正大からサクラ15の西村蒼空、日体大からFW木下そよ香が加わり、四日市農芸(パールズjr)から高橋芽生がシニアチームに昇格。さらに楽しみなのは、日本にルーツを持ちカナダ・トロントで生まれ、カナダでカレッジフットボールの男子チームでもプレーしていた飯塚玲奈(24)。どんなプレーを見せるか楽しみだ。

なお昨季限りで玉井希絵、山本実がそれぞれ海外挑戦のため退団、片嶋佑香、伊藤優希、舩橋那緖、中島楓華が引退。月田伸一HCが退任し、パールズOGで2018年に年間トライ王&得点王に輝いた経験を持つジャンナ・ヴォーンがHCに就任した。

日体大(昨季総合5位)

島本星凜

島本星凜



昨季は大学生主体のチームでは最高順位となる総合5位。2018年に7人制&15人制の両方で全国制覇を達成したチームにとって満足できる成績ではないだろうが、シニアチームが次々と各国代表のトップ選手を招聘している中では好成績といっていいだろう。実際。7月の大学女子セブンズでは2018年大会以来4年ぶりで優勝を飾っている。

江尻栞那

江尻栞那



今季の新加入選手は、U18セブンズ優勝の石見智翠館から西村咲都希、関東学院六浦から麻生来海(くるみ)、島本星凜(きらら)、岐阜第一から太陽生命シリーズチャレンジチーム経験者の水野小暖(こはる)、さらに昨年のU18セブンズ東北選抜のポイントゲッターとなった江尻栞那(福島・平工)、神奈川・桐蔭学園から高橋夢来(ゆらら)、福岡レディースでU18セブンズ出場の與田七彩(ななせ=九産大九州)の7人。

水野小暖

水野小暖



西村は女子15人制TIDユースチーム候補合宿に高2からPR1で招集された逸材。その西村と島本は花園女子15人制に西軍、東軍で出場している。



アルカス熊谷(昨季総合6位)

大久保芽衣

大久保芽衣



アルカスの社会人選手からは鈴木彩香、山下果林が現役を引退、立正大の卒業生では大谷芽生がながとへ、西村蒼空がパールズへ、藤殊華がTKMへとアルカスを離れたが、楽しみな高卒選手が大量に加わった。
宮城・利府から加わった大久保芽衣は身長176センチ、日本女子ラグビー界待望の大型選手で、昨季の花園女子15人制でポテンシャルを見せつけた。


京都成章から加入の村田美咲は高2から全国の舞台で活躍し、昨季のチャレンジチームも経験。開志国際から加入した廣瀬翠(あきら)は昨秋のU18セブンズで5T、国体ではシニア選手に混じって高校生最多・大会全体でも4位となる6Tをあげたトライゲッターだ。

廣瀬翠

廣瀬翠



筑紫台から加入の池田理花子は昨年の花園女子15人制にPR1で出場。深谷高出身の山田晴楽(はるら)はアルカスユースのエースとして日本協会の15人制TIDも経験。麗澤から加入の伊藤仁那は高2でU18を経験し、高3のオッペンカップでは準優勝。明和県央から加入の吉水愛莉(あいり)は群馬プライムスで活動。東海大翔洋の鈴木麻瑠(まる)はPRで昨夏のコベルコ杯に出場している。
(以下、第2弾へ続く)

山田晴楽

山田晴楽



大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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