OTOWACUP・第32回関東女子ラグビーフットボール大会レポート | ラグビージャパン365

OTOWACUP・第32回関東女子ラグビーフットボール大会レポート

2021/12/13

文●大友信彦


12月12日、オトワカップ・第32回関東女子ラグビーフットボール大会が開幕。今大会には7チームがエントリーした。

プールAは、ブレイブルーヴ、RKUグレース、横河武蔵野アルテミスターズ、日体大の4チーム。
プールBは、東京山九フェニックス、合同チームとして①PTS立正、②横浜TKM、国際武道大、弘前サクラオーバルズ の3チーム。
なお、ブレイブルーヴは単独チームとして出場となっているが、北海道バーバリアンズディアナの選手も参加している。昨季優勝した「モーニングベアーズ」は、合同チームを構成するPTSの本拠地「朝霞」とアルカスの本拠地「熊谷」にちなんだキュートなネーミングだったが、今季は違う名称で参加。女子大会の合同チームは毎年のように名前が変わり、チームのカルチャー、歴史がわかりにくい。

プールAは4チーム、プールBは3チームで総当たり戦を実施し、各2位と1位が決勝トーナメントとして反対の組とたすきがけで対戦。今大会はそこでの勝者2チームが「優勝」扱いとなり、2チームが全国大会(日程詳細は未発表)に出場する予定だ。

大会第1日の12月12日はプールAのブレイブルーヴ対RKUグレース、横河武蔵野アルテミスターズ対日体大の2試合が府中朝日で、プールBの東京山九フェニックス対PTS立正が麗澤大学Gで行われた。

RJ365は府中朝日の2試合を現地取材した。


RKUグレース 67-5 ブレイブルーヴ

井草彩野(ブレイブルーヴ)

井草彩野(ブレイブルーヴ)

第1試合はRKUグレース対ブレイブルーヴ。
グレースには日本代表欧州遠征帰りのPR北野和子、SO大塚朱紗が、ブレイブルーヴでは欧州遠征メンバーのSO安尾琴乃がリザーブに、遠征前の最終スコッドに入っていたPR井草彩野がメンバー入りした。

試合はグレースのペースで始まった。

川村雅未のトライ

川村雅未のトライ

開始3分、CTB内海春菜子のトライで先制すると、9分には欧州遠征帰りのSO大塚朱紗がトライ。

ブレイブルーヴも負けてはいない。次のキックオフから敵陣ステイに成功すると、12分、相手ゴール前のラックからPR井草彩野がパワフルにねじ込んでトライ。5-12と追いあげる。

だが試合はここからじわじわとグレースに傾きはじめる。

安藤菜緖(ブレイブルーヴ)

安藤菜緖(ブレイブルーヴ)

 

大塚朱紗(グレース)

大塚朱紗(グレース)

16分、自陣からラインブレイクしたLOンドカ・ジェニファからパスを受けたWTB木田まこが相手タックルをふりほどいてフィニッシュ。

麻田瑞月(グレース)

麻田瑞月(グレース)

 

ピート染谷瑛海(ブレイブルーヴ)

ピート染谷瑛海(ブレイブルーヴ)

19分、ブレイブルーヴはキックオフで攻め込んだ敵陣でターンオーバーに成功、FBピート染谷瑛海の個人技からWTB近藤帆夏がゴール前に迫るがラックを出せずノットリリースザボールで逸機。

木田まこ(グレース)

木田まこ(グレース)

攻め返したグレースは23分に相手ゴール前のスクラムを押してボールを奪いNo8川村雅未が、34分にはWTB木田のビッグゲインからCTB麻田瑞月がトライ。そして39分と41分には木田が連続トライ。前半を43-5とリードする。

安尾琴乃(ブレイブルーヴ)

安尾琴乃(ブレイブルーヴ)

後半、ブレイブルーヴは日本代表の安尾琴乃がSHに入り、攻撃テンポアップを図るが、セットプレーでグレースが圧力をかけ、ルーヴは攻撃を継続できない。後半もグレースが内海、川村、内海、麻田とトライを重ね、67-5で快勝した。

木田まこ

木田まこ

MIP(Most Impressive Player)には、3トライを挙げるなど大活躍の木田まこ(流経大1年)が選ばれた。

木田は昨年11月、熊谷で行われたサクラ15強化試合に向けた合宿に高3で呼ばれていたが、今年3月に右膝前十字靱帯を断裂。長期離脱を余儀なくされたが、11月に復帰。チーム練習に合流してわずか1週間でこの試合に臨んだという。

「リハビリの間、前から弱かったおしりの筋力強化に励みました。ケガする前よりも足は速くなりました」

50mのタイムは6秒8というが、スピードだけではなく走りに力があり、相手タックルにつかまりかけても振り払うボディバランスは魅力だ。サクラ15ではFWで招集されたときもある。


「来年10月のW杯は意識しています。遠征には行けなかったけど、次の合宿に呼んでもらえるようにこの関東大会でアピールしたい」


グレース集合!
試合後の円陣では「目標は日本一」という言葉が飛び交っていた。
2019年度の全国選手権(会長杯)では横河武蔵野アルテミスターズと引き分けたが、当日はなぜか抽選が実施され、優勝はアルテミスターズ身に。翌日、抽選は取り消され両者優勝となったが、ピッチで優勝を喜ぶことは叶わなかった。目指すは2年ぶりの歓喜だ。

横河武蔵野アルテミスターズ 45-43 日体大

津久井萌(アルテミスターズ)

津久井萌(アルテミスターズ)

第2試合は横河武蔵野アルテミスターズ対日体大。アルテミスターズは2019年度の、日体大は2018年度の日本一チームだ。

アルテミスターズは南早紀主将とラベマイまことの両PR、SH津久井萌、WTB名倉ひなのが日本代表の欧州遠征帰り。日体大はPR小牧日菜多が遠征帰り。さらに東京五輪セブンズ代表の松田凜日がCTBでメンバーに入った。

松田凜日(日体大)

松田凜日(日体大)

 

高木萌結(アルテミスターズ)

高木萌結(アルテミスターズ)

先手を取ったのはアルテミスターズだった。キックオフから攻め込むと、日体大のアタックを止めてPKを奪い、2分、FL小西想羅が先制トライ。これで主導権を握ったアルテミスターズは、7分にWTB名倉ひなの、12分にCTB高木萌結、20分にSH津久井萌、24分にFL小西想羅がトライ。6連続トライに加え高木萌結と青木蘭のコンバージョンも冴え、33-0と大きくリードする。

アルテミスターズ・髙野眞希と日体大・小島碧優がラインアウトを競り合う

アルテミスターズ・髙野眞希と日体大・小島碧優がラインアウトを競り合う

 

小牧日菜多(日体大)

小牧日菜多(日体大)

先手を取られた日体大も、30分を過ぎたところでようやく覚醒。36分、相手ゴール前のPKから強気に攻めてFB古屋みず希主将がトライを返す。CTB人羅美帆のコンバージョンも決まり、前半は33-7。

古屋みず希(日体大)

古屋みず希(日体大)

こうなると若さが強い。後半、試合が再開すると早々の0分、FB古屋主将のキックオフリターンから攻め続け、No8地蔵堂がノーホイッスルトライ。15分にはCTB松田凜日の突破&キックで攻め込み、WTB吉田美結がトライ。17-33と追い上げる。

村上愛梨(アルテミスターズ)

村上愛梨(アルテミスターズ)

試合はここから互いのアタックがディフェンスを上回るトライの取り合いに。19分にアルテミスターズは小西想羅がタックルで倒されても一度離したボールを拾って前進する「ダブルアクション」を二度繰り返すトリプルアクションでトライ。日体大も相手パスをSO秋山歩花がカットし、SH高橋沙羅がトライ。

小西想羅(アルテミスターズ)

小西想羅(アルテミスターズ)

アルテミはラインアウトモールからPR南早紀主将がタイミング良く持ち出してトライ。後半35分で45-22とし、セーフティーリードかと思われたが、試合はここから白熱。日体大は途中出場のSO大内田夏月が前に出てはWTB中平あみのスピードを生かし、アルテミスターズ陣を攻略。

大内田夏月(日体大)

大内田夏月(日体大)

39分に中平、41分にLO木下そよ香、44分には再び中平がトライ。大内田が左中間からの難しいキックも含め3コンバージョンをすべて決め、43-45の2点差まで追い上げる。負傷者の退場などにロスタイムがかなりあったため、2点差からもキックオフがあり、日体大は逆転を目指してアタックしたが、自陣を脱出する前にペナルティ。アルテミスターズSO青木がタッチに蹴り出し、大白熱戦はアルテミスターズの2点差勝利で幕を閉じた。MIPには3トライをあげた小西想羅が選ばれた。

青木蘭(アルテミスターズ)

青木蘭(アルテミスターズ)

 

中平あみ(日体大)

中平あみ(日体大)

 

小西想羅(アルテミスターズ)

小西想羅(アルテミスターズ)

MIP小西想羅

「(遠征メンバーから落ちたのは)ケガでも何でもなく実力で落とされました。レスリーからは『ディフェンスでもっとワークしてほしい、もっとチームをひっぱってほしい』と言われました。日本代表で遠征に行けなかったのは悔しかったけど、この2カ月、チームに残って、チーム全体を見ること、コミュニケーションに取り組めたのはすごく勉強になった。アルテミスターズにはお手本になる選手がたくさんいますから。今まではアタックのことばかり考えてやってきたけれど、今はタックルに力を入れています。ジャッカルよりもまずタックル、と自分に言い聞かせています。今回は代表を外れたけれど、南早紀ちゃんからはメンバー発表の時から励ましてもらったし、遠征中の選手からもたくさんメッセージをもらって、すごく力になった。10月のW杯のメンバーに入れるように頑張ります」

勝利を喜ぶアルテミスターズ

勝利を喜ぶアルテミスターズ

アルテミスターズ南早紀

「課題ばかりの試合でした。こんなに点差を詰められるような試合じゃなかったのに、自分たちで首を絞めてしまいました。
ただ、日体大が後半走れることは分かっていたので、前半の最初にしっかり自分たちの強みを出していこうということは話していたし、そこはうまくできた。取るべきところで取れたことは収穫だと思います」
※当初「南早紀主将」と表記していましたが、今季のアルテミスターズの主将は櫻井綾乃、副将が津久井萌、このし合いでは津久井がゲーム主将を務めました。おわびして訂正いたします。

麗澤大学ラグビー場で行われたプールBの1試合は東京山九フェニックスが41-5でPTS立正に快勝した。


東京山九フェニックスは前半7分にSH野田夢乃のトライで先制。前半はWTBしかおみなみ、CTB岡本涼葉、WTB増田結、FL辰巳千亜希がトライを加え、前半だけで29-0とリード。後半も5分に鹿尾がトライ。PTS立正も後半8分、主将のLO谷山美典がトライを返すが、得点はこれ止まり。東京山九フェニックスは22分にHO塩崎優衣がトライを加え、41-5の大差で快勝した。

第2節は12月26日(日)、府中朝日でブレイブルーヴ-日体大、PTS立正-TKM・武道大・弘前の2試合が、流経大第2Gでグレース-アルテミスターズが行われる(流経大第2Gは無観客開催)。

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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