22日、リポビタンDツアー2025、最終戦ジョージア代表戦に25-23で勝利したラグビー日本代表。試合後の会見でエディー・ジョーンズHCは「今回はFW戦みたいな形になったが、ゲインラインに対応していたし、スクラムもタイトにコンパクトにジャパンらしいスクラムを組めていたし、モールディフェンスでも止めていて、それが心理的に相手に作用した」と試合を振り返った。
エディー・ジョーンズHC
前回のウェールズ代表戦と似たような終盤でした。最後3分にしっかり対応して勝ったことは嬉しく思いますし、チームの成長も感じましたし、ワーナーの最後のキャプテンシーもずば抜けたものがあったと思います。
――どんなプロセスを用意したから、逆転できたのでしょうか?
シナリオをいろいろと練習したりするが、プロセスがどうということはあるようでないが、最終的にはやはりプレッシャーの中で、どれだけ遂行できるかが違いだと思います。今日はキックオフ、ラインアウト、そしてペナルティーをもらった後ゴールを決めることが遂行できた。李はプレッシャーの中で、すばらしいキックを決めてくれた。自分のチームで蹴る機会がないのに、ああいうところで決めてくれたのは素晴らしいと思います。

李承信
――FW戦についての振り返りは
今回はFW戦みたいな形になったが、ゲインラインに対応していたし、スクラムもタイトにコンパクトにジャパンらしいスクラムを組めていたし、モールディフェンスでも止めていて、それが心理的に相手に作用したと思います。
――チャンスを仕留めきれなかった点に関しては
ラグビーは2つの要素で成り立っていると思う。15:15でやることは、それは実現されていないところがある。あとは1点差以上で勝てれば勝った。それ以上でもそれ以下でもないです
――ジョージア代表からHCの依頼があれば実現する?
前回のワールドカップ以降にそういう話があったが、奥さんに猛反対された。もしそのまま反対に振り切っていったら、離婚ということになるので、この歳で離婚したくないので断りました。

チャーリー・ローレンス(左)、タイラー・ポール(右)
――BKのアタックの評価は?
あまりBKのチャンスはなかったと思うが、ゲインラインに仕掛けるキープレイヤーのCTBチャーリー(・ローレンズ)が早い段階で退場してしまった。CTB池田は良い仕事をしてくれたが、相手がラインスピード上げてこなかったので流れてしまい、もう少し外で立てれば良かったかなと思います。
LOワーナー・ディアンズキャプテン
厳しい勝利でした。ジョージア代表は本当に懸命に戦い、試合終盤には明らかに勢いがありました。しかし我々は最後まで粘り強く戦い、終盤に幸運にも恵まれ、勝利を掴むことができました。
――ジョージア代表の印象は?
フィジカルな戦いでした。非常に厳しい試合でした。ジョージア代表と対戦するたびに、常に非常に厳しい試合となります。彼らは常に非常にフィジカルなプレーをします。
――最後のシーンを振り返って、どんなプロセスがあって逆転できたか?
相手のトライの後、オンフィールドは ボールを取り入って自分たちのアタックをしようと話をしていました。その後、流れでよくボールを取って、最後ペナルティーを取れました。
SO李承信
――ゲームメイクについて
アタックのところでは、なかなか(試合前に)考えたプランというか、試合を通して思ったアタックはできなかった。相手のフィジカルを受けていましたし、相手の22mの中に入っても、独立したキャリーが目立ち、ジャッカルされてしまい1トライしかできなかった。アタックのところは正直いうと、改善すべきところが多かったと思います。でも(SH齋藤)直人さん筆頭に(WTB植田)和磨も初めて先発して、良い働きしてくれた。(10番として)テンポをコントロールしてキックゲームに持ち込むことはうまくできたかなと思います。
――調子の良かったプレースキックについて
自分のプレースキックは、先週、(決められないPGもあって)悔しい気持ちで終わってしまった。選手、自分の技術というよりかメンタルのところがすごい、大きく影響しているなと、振り返って思った。(先週は)決めないといけない、と力んでしまったところがあった。(今回の試合は)ブーイングやアウェイの雰囲気もあったが、ルーティンに集中して、ルーティンのままで蹴った。前半から当たりがよくて、思うようにボールが飛んでいた。
最後のPGは、これを入れたら勝てるという考えは一切なく、どういう弾道で蹴るかだけかを考えていて、決められて良かった。
――最後のPG決めた感想は
チームにとっても、日本ラグビーとっても大事な試合だった。7週間、チームとしてハードなトレーニングしてきた。ヨーロッパ遠征で、なかなか勝てなかったり、自分たちから勝利を手放したりしたが、それでもチームとして毎週、毎週、前進しようとした。負けたら心も体が痛かったが、勝とうと毎週、準備してきた。本当に、今年の最後の試合に勝てて良かったと思います。
――ペナルティーの判断に関して
1つ目のペナルティーでタッチを狙ったのは、相手の3番がシンビンで出ていたので、ワーナーとコミュニケーション取って、最初はトライを取りに行った。2回目もタッチ蹴ってもトライできなかったので
どれだけ敵陣22mに入ってスコア取って返るか(大事)。ゲームを振り返るとその判断がポジティブにいけた。若いチームの中でもテストマッチの戦い方を学んで、タフなゲーム勝ち切れたことができた。チームとしてそういう判断ができたことが良かった。
――コーネルセンのアンクルタップについて
ジャックのエフォートでチームを救ってくれた場面もあったが、ジャックだけじゃなく全員がトライライン守るという意識で守っていた。前半から自陣ゴール前で過ごす時間が多かったが、その中でもFWがハードワークしてくれた。前半のディランのトライもそうですが、自分たちの責任、覚悟をグラウンドで体現できて、それが勝利につながったと思います。
――キックのマネジメントが落ち着いて遂行していたが
正直なところ、プランとしてはもっとボールを動かしてオーバーラップを作ってどんどん攻めていきたかったが、(SH齋藤)直人さんとエディー(・ジョーンズHC)さんと話して、あまりボール持ちすぎないようにマネジメントしようと話していた。相手の15番が良いランナーで、プレゼントキックではなくコンテストキックでプレッシャーをかけていこうと話もしていた。あとはコーナーの裏にスペースに転がしていこうとコミュニケーションが取れていた。試合中でもどのキックオプションを使うか、直人さんと意思疎通できていたし、相手を自陣でプレーさせておけば怖いところはなかった。試合を通して良いコントロールできていたかな。
――最後のシーンで、ラインアウトからボールをもらった時はどんな感情だった
自分は、ラインアウトになった瞬間、ショートサイドでボールキープするより展開した方が、相手のペナルティー起こると思っていた。BK展開のサインを出して、相手のFWを走らせた状態で、テンポの良いアタックをしようとした。結果的に相手がペナルティーしてくれて、自分の思い描いていたとおりで、自分のコールにチーメイトが一人一人遂行してくれた。2分前の時間帯でトライ取られた状態でも、ネクストジョブでやるべきところにフォーカスできていて勝って終えることができたことはチームにとっても成長だと思います。

