1年ぶりの対外試合で得た手応え―男子セブンズ日本代表・岩渕健輔HC、松井千士キャプテン | ラグビージャパン365

1年ぶりの対外試合で得た手応え―男子セブンズ日本代表・岩渕健輔HC、松井千士キャプテン

2021/04/06

文●編集部


4月3日~4日、ドバイで行われたEmirates Invitational 7s (@Dubai) Week1、男子セブンズ日本代表は4位で終えた。岩渕健輔ヘッドコーチ、松井千士キャプテンが大会を終え、1年ぶりの対外試合で得た手応え、そして課題、チームの現在地などをオンライン会見で話した。


【インビテーションセブンズ 試合結果】

vs カナダ 21-45●
vs アルゼンチン 14-31●
vs ウガンダ 19-12○
vs スペイン 15-12○
vs アルゼンチン 5-24●
vs ケニア 14-31●


「世界のトップチームの選手と戦って、もう一度道筋が見えた」岩渕健輔ヘッドコーチ

今の難しい社会状況の中で、1年以上ぶりに海外遠征に来て、オリンピックに向けて準備できている。いろんな人のサポートがあってのことで感謝しております。ドバイの大会の主催者、スタッフが素晴らしいセットアップで迎え入れてくれて、いい状況でやらせてもらって感謝しております。 

大会そのものは、前向きな点と改善しないといけない点が出ました。ただ前向きな形で、ドバイで進めていることについて非常に嬉しく思っております。2週目がまだあるので、次にむかっていい準備していきたい。

――メンバー構成について。小澤、藤田、ブラッキンの3人は国内に残っている。他にもオリンピックスコッド以外も招集していました。現状は? 


日本に残ってトレーニングしているメンバーは、ドバイでゲームに出るコンディションではない。単にコンディション上、十分ではないということで、日本でトレーニングさせている。

オリンピックメンバー以外にもたくさんいい選手がいる。今後の強化として東京五輪後 アジアシリーズ、ワールドシリーズもあり、その後にワールドカップセブンズもやってくる。オリンピックに向けての強化はもちろん、それ以降の強化もしていかないといけない。
オリンピックスコッドはもちろん、それ以外のメンバーにも強化の中に入ってやってほしい。

――いろんな仕事を抱えている中、ドバイにいますが……


日本にもたくさんスタッフがいるし、新リーグに関しては主管権の委譲が無事に済みましたので、その次の段階に入っている。日本にいるスタッフと連携しながらやっている。こういう社会状況、仕事は場所もあまり関係なくオンラインでできる。ドバイは5時間遅いので朝早く起きれば、いくらでも仕事できる状況なので、そこは上手く時差を使ってやっていきたい。

――ドバイの大会運営について


入国してから、そのままいわゆるバブルの状況でホテルの中でやっている。松井からも話があったが、最初3日、選手もスタッフも自分の部屋から出られず、練習の瞬間だけ許されたが、ホテルの部屋の外に出られず、お弁当も部屋に届けられた。入国3日後、PCR検査を受けて、全員陰性で隔離した場所で、初めて食事をレストランで食べられるようになった。現状、そのような中、大会もロッカーも別、食事も1チームのみの場所でやらせてもらって、大会側が十分な準備をしてくれて、選手も安心してプレーできている。

前向きな手応えがあった

――日本でテストマッチするために、参考になるようなことはあったか?


今回、3月の終わりにサッカー代表チームが国際試合をされている。ホテル、空港、練習会場、試合会場など、サッカー協会さんからどうやったかうかがっている。一番大きいことは国内の状況が許すかどうかだと思います。あとは(海外の)チームが来日する上では何らかの特別措置が必要だと思います。7月のテストマッチもそれ以降もそうですが、7人制代表チームとしては、ドバイだけでなく国際経験をしたいと思うので、そういった観点を踏まえて、今回の経験を活かしていきたい。


――WS(ワールドシリーズ)のコアチームの強豪アルゼンチン、ケニアに敗戦したが?


ケニア、アルゼンチン戦はチームとしてはたくさん反省があります。一方で、前向きな点はボールの確保を初戦のカナダ戦以外ではできているという点です。初戦のカナダ戦は選手、スタッフが緊張して固くなって前半ポゼッションできなかったことが大きな反省でした。それ以外の試合はボールが取れないということはなかった。

フィジカルな点というご指摘ですが、フィジカルよりサポートが少し遅れる、キャリーの仕方が悪くなるとか、それらは自分たちのミスとして捉えております。そこについて、これからもう1回大会があるので、十分改善できるし、選手たちもそう思っていると思います。

――他のチームのレベルはWSと同じだったでしょうか?


WSに出ている国については、トップチームの選手が出場してきています。選手たちも知っている選手と対戦しているので、それは間違いない。

この前、1年以上国際試合がなかった中で、これまでの強化がどうだったのかハッキリしました。チーム全員が満足していませんが、過去WSを戦ってきたときよりも、前向きな手応えがあったんじゃないかと思います。改善点が多々あって、結果が4位で満足していませんが、1年間、世界が見えない中でやってきて、今回、対戦してみて五輪に向けて、もう一度道筋が見えた大会になったと思います。

――海外のチームやスタッフからは不安や期待感を聞かれた?


今回出場した中では、オリンピックを決めている国と決めてない国があります。決めてない国と言えば、フランス、スペインの両国はリオに出場しているが まだ東京の出場権を獲得していない。ウガンダもそうです。これらのチームは最終予選に出場することになっていて、フランスは一番多い人数、20人前後を連れてきていて、かなり本格的に力を入れてきています。

そういう意味では、オリンピックに対する期待感は相当なものがありますし、各国、オリンピックに向けて準備を相当している。

フランスのコーチからは、オリンピックを決めたら、ここでキャンプをやるのでいっしょにやらないかと話もしていますし、すごく前向きにオリンピックに対して捉えているし、なんとしても(フランス)チームとしては(オリンピックに)行きたいという強い気持ちを感じます。

メンタル面の準備を慎重に、良い状況にすることがベストパフォーマンスにつながる

――どうしたらメダルという道筋が見えてくるのか?


もう1回ドバイで大会がありますので、一度、日本に戻って強化をすることになります。5~7月と2ヶ月半~3ヶ月くらい時間があるが、チームとしてはさらに国際経験を積みたい。国内に呼んでやるのか、海外へ行くかの両オプションがあると思うので、そこを考えながらできないことも視野にいれて計画しています。

一番大きなポイントは日本に戻った後、帰国した後のトレーニング環境、選手の環境がどういうものになるかだと思います。

オリンピックが近づくにつれて、チームとしてやらなければいけないことがある一方で、どこまでどういう環境で選手が取り組めるのか大事にしています。(ドバイに)行く前から、松井キャプテンが話をしていましたが、いろんな状況が起こりますし、非常に、今残っている選手はメンタル面が強いので心配していません。

一方で、オリンピックに向けて、特にメンタル面の準備を慎重にいい状況にすることが、選手がベストのパフォーマンスすることにつながるので、強化の上では、メンタル面も大きなことと考えています。

誰が一番五輪に出たいか、日本をリードするという強い気持ちをもっているか―

――ドバイから帰国後2週間はどう過ごすのか?


チームで過ごしていくことにしています。選手たちは長いこと過ごすことになるので、そういう意味ではドバイでもグラウンドとホテル以外行きませんし、ホテルからの外出も一切できません。リラックスはできないですが、選手たちの唯一の楽しみは、Uber EATSで選手たちが食べたいものが食べられるようにチームが一生懸命しているくらいで、選手たちはそういった環境でも前向きに取り組んでくれている。日本でも同じような環境でやることになりますので、チームとしてまとまる環境の中で、なるべく選手たちがメンタル面で前を向ける環境を整えたい。選手たちは国際大会ができることを前向きに捉えてくれていますし、
チームのスタッフも感謝しながら進めています。戻ってきてもいろんなことが起きると思うが、オリンピックに向けて活動できることが幸せに思ってやっていきたい。

場所は発表までお待ちいただけたらと思いますが、屋外の練習もするつもりです。スポーツ庁、JOCとの話の中でプロトコルが決まっているので、それを守りながらしっかりやっていきたい。日本戻ってから、いい環境が整えられると思っています。選手もオリンピックに向けて前向きに取り組んでくれると思っています。

――テスト運営が4月下旬に予定されていて、代表としては何らか活動するというお話でしたが


まだ調整中ですが、代表選手もそこに入ることも想定して準備しています。非常に貴重な機会なので有効に活用したいと思っています。(帰国後2週間にかかってくる?)2週間に間に合わせるというより、期間の中でどこまでの活動が許されるというところで、その可能性があるので、代表選手の活動もギリギリまで検討したいと思います。


――ポジション争いに関して、選手の雰囲気はどう感じている? 


チーム、選手にはアピールできる局面はかなり少なくなっていると直接、私の方から話している。今回の大会では、ある程度、来ているメンバーには時間を公平に与えている。6試合、メンバー構成は、誰がベストメンバーということではなく、いろんなポジション、コンビネーションを想定しながら、全員を使っていくと進めた。2大会目、それ以降はオリンピックに向けたチーム作りやメンバーを固めていく時期になるので、日本にいるメンバーもいるので、それぞれがアピールする時間は限りなく少なくなってきている。


――12人を絞る条件は?


様々なポイントから見ますが、結果的に、大会で選手たちも話をしてくれたが、勝ちたいと思っている方が勝つと選手から話がありました。キャプテンの松井もそうですが、誰が一番五輪に出たいか、日本をリードするという強い気持ちをもっているか。ラグビーのスキルもいろんな部分もちろんあるが、やはりその部分を最後に出せるかどうか、チームとして12人揃った時に力が一番、発揮できる。選手たちにはこの貴重な機会の中で出してほしいと思っています。


スペインからの勝利、2日目の1試合目は課題だったが勝ち切れた

ウィーク1が終わって1年ぶりの国際大会で、選手としては久々の試合で楽しめていて、やっとセブンズが戻ってきてエンジョイできている。結果は4位で負け越しています。次の大会は優勝を掲げているので、現在のチームの中で優勝してオリンピックに向けてやっていきたい。


――「バブル生活」は初めて体験している? 


初めての生活で、僕たちの中では意外にいけるなというのが大きい。沖縄で国内合宿があって、想定外のことが起きると、想定外を楽しもうと話していた。想定外のことあったが、僕たちは環境楽しみながらいい準備ができた。ご飯の部分で、もともとはその時間にスタートするという話だったが、時間が遅れる部分もあった。それ自体も僕らのいろんな国で経験していることで、僕らにとってはそれも想定内だった。


――水泳の池江選手が五輪に内定した。東京五輪が1年延期されたがプラスの面は?


池江選手のニュースを見て、アスリートとして励みになりました。オリンピックに内定されて嬉しいニュースだと思いました。

1年伸びることによってショックな部分もあったが、1年後あると準備していましたし、個人の能力よりチームの総合力が伸びた。選手の中でコミュニケーションとって、相手の分析を今やり続けている。スタッフに頼ることもあるが、コミュニケーション能力、選手のまとまりの部分で、1年間、僕自身キャプテンやっていて、いろんな助けてくれる選手が増えてきて、そういった部分が1年間で伸びたと思います。

僕自身はいろいろ1年間あって、チームが変わって環境が変わって、プロラグビー選手としての活動が始まって、フィジカル面でウェイト、体重も増えて、スピードも落ちることなく、海外の選手に当たり負けすることが少なくなった。フィジカルの面で成長できた。


――アルゼンチン、ケニアといった強豪との試合を振り返って?


フィジカルで負けたというより、コミュニケーション不足でディフェンスのコネクションが切れてしまって、そういったところを1on1で抜かれてしまった。僕らが1on1でディフェンスするチームではないので、チームとしてもう1回ディフェンスをコネクションして、サポートが遅れてしまったところでのコミュニケーションを直していければ(いい)。フィジカルで負けているわけではない。ケニア戦は自分たちのミスは多かったが、アルゼンチン戦の1戦目の前半は勝っていた中で、後半、差を付けられたのは、チームとしてのコミュニケーション不足が出た部分だと思うので、そこを変えていけば戦える相手だし、次は勝てると思います。

――大会2日目の初戦、スペイン戦に勝つことができました。


特に2日目の1試合目は1年前から課題としてあったが、1日目の最後の試合でウガンダに勝てて勢いにのれた。スペインはギリギリで、ホーンが鳴ってから逆転されていたチームなので、最後、そういう場面になったが落ち着いて対応ができたので勝ち切れたのかなと。1年間、試合ができなかったところが大きかったので、トップリーグが始まる中、試合に対する意欲があった。全員から「世界大会を楽しもう」という発言が多く出ていました。


――1年間、対外試合がない中で、今大会を経験して世界との差はどう感じた?


1年間、試合ができたのは、内々や国内の外国人選手や大学生とやることしかできなかったので世界との差がどのくらいあるか不安はあったが、1発目のカナダ戦はチームとしては緊張して、僕たちの実力を出せなかった。その後、修正できて、いつもスペインはギリギリで負けていた試合が多かったが、最後に勝ち切れたのは自信につながりました。

世界との差がもとから差があるわけでもないし、広がったわけでもなく、僕たちの中では手応えを感じた大会だった。結果は4位だったので、満足はしていないです。次の大会で優勝したい。

――代表争いの緊張感が高まってきたりしている?


選手の中では、やっぱりポジションが被っている選手とのやりあいが出てきています。僕自身も2015年五輪もバックアップメンバーで行ったので、選考はシビアに考えています。そういうところを考えると自分のプレーができなくなるので考えていないが、選手の中では同じポジションの選手についてはライバル心がでてきています。


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