初めてその言葉を聞いたときは、大きく出たな、と思った。
だけど、4月25日の夜、秩父宮ラグビー場でのパフォーマンスを見終えて、その野望は現実に近づいてきていると思った。
浦安D-Rocksを破った試合でプレイヤーオブザマッチを受賞した後のミックスゾーンで、ワーナー・ディアンズは、改めてその言葉を口にした。
「世界一のロックになりたい」

口調に誇張や照れは感じなかった。それは23歳にとって、リアルなターゲットなのだ。
4月25日の浦安戦。ワーナーの活躍は出色だった。

開始6分の先制トライに始まり、ラインアウトでは相手ボールを再三スチール。アタックではボールキャリーにクリーンアウトに、ディフェンスではブレイクダウンにチャージに、高いワークレートで働き続けた。だが試合後のミックスゾーンで本人に「今日のパフォーマンスはすごかったね」と聞くと、返ってきたのは謙虚すぎるコメントだった。
「まあ、悪くはなかったですね」