女子15人制日本代表は、今年9月に予定されていたワールドカップに向けて強化を進めていたが、先にワールドカップは来年9月まで延期が決定。ターゲットが1年先延ばしされたことによって、強化計画は修正を迫られた。ワールドカップの1年延期が決まったのは3月に行われた前回和歌山合宿の最中。今回は、延期が決まって以後最初の合宿だった。
9日の練習後の、浅見敬子女子15人制ナショナルチームディレクター、レスリー・マッケンジーHC、南早紀キャプテンのコメントを紹介する。
「延びたことはチャレンジャーである私達にとってプラス」浅見敬子ナショナルチームディレクター
――ワールドカップの1年延期について
「前回の合宿中にそのニュースが入って、そのときからミーティングでみんなで受け止め方を話し合ってきましたが、ポジティブにとらえている選手が多いと思いました。そこも含めて、ミーティングをたくさん持てたのが良かったと思う。
延びたことは、チャレンジャーである私たちにとってはプラスです。私たちの目標はベスト8に入ることですが、現在の世界ランクは12位。ここからチーム力をあげていくためには、1年の時間をいただけたことは前向きにとらえています。準備する時間が増えたわけですから」
――欧州で活躍している3選手について。
「みんな、よくやってくれています。特に加藤幸子さんはあの若さであれだけ毎試合出場して活躍している。国内にいる選手たちにもいい影響を与えていると思う。鈴木彩香さんはベテランですが、ベテランだからこそ学べる、見えるところを学んで帰ってきてくれると思う。平野恵里子さんはこれまで日本にとって未開拓の地だったスペインに行ってくれている。それぞれ、ZOOMで連絡を取りあったりして、みんないい刺激を受けています」
「15人制は一旦ブレイク。セブンズをプレーする選手はコンペティションを経験してほしいし、レストする選手はしっかり休んでほしい」レスリー・マッケンジーHC
――ワールドカップの1年延期によりチーム強化計画の変更は。
「去年の3月からいろいろと変更を繰り返しているので、変更には慣れているので、柔軟に変えることができています。私たちにとって役に立ったのは、昨年の五輪の1年延期のプロセスを見てきて、選手がどんなメンタルに置かれるかをモニタリングできたことです。セブンズの選手たちは誰も自暴自棄になっていなかった様子を見ていたことは、私たちにとって心強い材料でした」
――1年延期されたこと自体はどう受け止めているか。
「もちろん残念です。前回の合宿でも、ワールドカップに向けてモメンタムを作っていく方向で活動を進めていて、楽しみにしていたので残念です。ただ、私たちは若いチームなので、1年延期されればそれだけ成長できる時間をもらえたということでポジティブに受け止めています」