フェニックスの東北娘2人がスーパーW挑戦―柏木那月・佐藤優奈がフォースウィメンズに加入 | ラグビージャパン365

フェニックスの東北娘2人がスーパーW挑戦―柏木那月・佐藤優奈がフォースウィメンズに加入

2023/03/21

文●大友信彦


東北で育ったラグビー娘2人が世界に飛び出す。
東京山九フェニックスのPR柏木那月とLO佐藤優奈が今月、オーストラリアで行われるスーパーラグビーの女子版「スーパーW」のウエスタン・フォースへ参戦するのだ。

佐藤はLOとして昨年のワールドカップに出場するなどサクラフィフティーンで10キャップを持つ。柏木は今季の全国女子選手権決勝で2トライをあげ初優勝に大きく貢献した。

日本女子選手の海外挑戦は、近年増加している。コロナ禍の2020年に加藤幸子が英国エクセターへ、鈴木彩香が英国ワスプスへ、平野恵里子がスペインのセビージャへ。2021年には小林花奈子が加藤とともにエクセターへ、山本実が英国ウースターへ。そして2022年には古田真菜とラベマイまことがオーストラリアのブランビーズへチャレンジした。また、昨年までアザレアセブンに在籍していた草野可凜が今季、レベルズ入団を果たしている。

日本ラグビー女子の世界挑戦は珍しくなくなっている。だが今回は、日本側から売り込んだのではなく、海外チームからオファーを受けての渡航という点が画期的といえるかもしれない。

最初にオファー来たのは柏木那月。「スクラムは、好きですね」

柏木那月

柏木那月



今回の2人のチャレンジ。先にオファーを受けたのは柏木だった。
2月5日(日)、全国選手権の決勝のあとで、フォースの関係者からフェニックスの四宮監督を通じてオファーが届いたという。フォースのHCとはZOOMで面談。関東大会、全国選手権の映像で柏木のプレーを見て、コンタクト回数の多さ、ゲインラインを切っていることを高く評価したと言われたそうだ。



「今シーズンは15人制の大会をケガなくプレーできたことがよかったと思います。昨季は足首をケガしていて、パフォーマンスを見てもらう機会がなくて悔しい思いをしましたから。ワールドカップも、もちろん応援してましたけど、悔しい思いもありました。自分もこの場に立てていたら……と思いながら見ていました」




柏木は2019年から2020年にかけて、サクラ15候補の強化合宿に何度か参加していた。小学生のときにシーウェイブスジュニアでラグビーを始め、釜石商工では男子と一緒に練習。花園15人制には高2ではCTBで出場しトライもあげた。高3ではNo8で出場。武器はコンタクトの激しさ、パワフルな突破力と、プレー回数の多さ。日体大に進むと、大学1年で早くも全国女子選手権優勝メンバーに名を連ねた。

日体大では1年生からメンバー

日体大では1年生からメンバー



学年のトップランナーのひとりだった。セブンズでは高校時代から地元・釜石の先輩の平野恵里子が在籍していた横浜TKMのゲストメンバーとして太陽生命ウィメンズシリーズに参戦。しかし、大学生になり、ウエートトレーニングを重ねるうち「体重が増えていって、15人制の身体になっていきましたね」。

ポジションは高校時代がCTBからNo8、大学に入るとNo8、FLから最後はHO、そして社会人となりフェニックスに入団するとPR1へ転向。そして社会人2年目の今季はPR3に再転向した。



「去年は身体の大きさが足りなかったと思います。今年はトレーニングもかなり細かい部位までメニューを組んでもらって、しっかり鍛えて身体を作りました。あとは食事ですね。母が岩手のおいしいものを送ってくれるので(笑)」


釜石出身の柏木だが、母の実家は同県内の遠野。「民話の里」「カッパの里」として知られる遠野だが、実はジンギスカンでも知られる。「おじいちゃんがお米を、お母さんがジンギスカンの肉をどっさり送ってくれるので、それをしっかり食べてます。1人暮らしですが、1キロぺろりと食べてます。遠野スペシャルです(笑)」



新しいポジション、PR3は「あっていると思う」と言う。「両肩を遣えるのが私には合っていると思います。昔のラグビーでは『3番はデカい人』というのがあったみたいですが、フェニックスは1番にデカいメグさん(髙木恵)が入って、3番は私が低く速く入って押していくスタイルです」


そして、こんなことまで言うのだ。

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