「日本の女子ラグビーの歴史で、ブラックファーンズと戦えること自体が初めて。戦えることに誇りを持って、自分たちがどんなプレーを出来るのかにフォーカスして臨みたい」
南早紀主将の声には張りがあった。
10月8日に開幕するワールドカップに向けて、サクラフィフティーンこと15人制女子日本代表は、9月15日にニュージーランドへ旅立った。だがサクラフィフティーンにとっては、ワールドカップの前に大きな戦いが待っている。それが、9月24日に行われるブラックファーンズこと女子NZ代表との一戦だ。
サクラフィフティーンにとって、NZとの対戦は史上初だ。しかも会場は男子ワールドカップの決勝が2度行われた王国の聖地イーデンパークで、ブレディスローカップとのダブルヘッダーだ。
「聞いたとき、正直鳥肌が立ちました。フィールドからいったいどんな景色が見えるんだろう? と想像したけど想像つかない」と言ったのはLO玉井希絵だ。
「テレビで見ていた舞台。そこで自分がどんな感情になるのか想像もつかないけれど、そんな大舞台で試合をできる機会なのだし、どんな感情になっても受け止めたい」とはSO/CTB山本実だ。
サクラ戦士たちは興奮を隠さない。NZといえばオールブラックス。ここ1年ほどはやや不振とはいえ、世界に名を轟かせてきたラグビー王国の女子チームだから、強いのは当然とも思えるが…その実績は、男子のオールブラックス以上かもしれない。