女子ラグビーの頂点は、準決勝に進出した4チーム、フェニックス、九州・ながと合同、TKM、PEARLSの4チームプレビュー | ラグビージャパン365

女子ラグビーの頂点は、準決勝に進出した4チーム、フェニックス、九州・ながと合同、TKM、PEARLSの4チームプレビュー

2025/01/17

文●編集部


1月18、19日(日)の両日、第11回全国女子ラグビー選手権大会準決勝が行われる。両日ともにリーグワンとの併催となり、15人制女子ラグビーをより多くの方が見ることができる。女子ラグビーを追いかけてきたラグビージャパン365では、両日現地取材を敢行。熱い戦いをより詳しくお伝えします。

準決勝に進出したのは以下の4チーム

東京山九フェニックス(関東大会1位) vs 九州・ながと合同(関西大会2位)
YOKOHAMA TKM(関東大会2位) vs PEARLS(関西大会1位)

4チームのここまでの戦績と注目ポイントをプレビューします。

東京山九フェニックス(関東大会1位)

東京山九フェニックス・佐藤優奈キャプテン

東京山九フェニックス・佐藤優奈キャプテン



《関東大会成績》 5勝
○18-7 横浜TKM
○31-3 横河武蔵野アルテミ・スターズ
○57-5 Pieces
○17-14 RKUグレース
○38-7 アルカス熊谷
○29-7 日体大

一昨季は日体大を27-24、昨季はパールズを40-24で破り連覇を達成したフェニックスは3連覇を目指し、関東大会を全勝優勝で突破。
サクラxvからは主将のLO佐藤優奈はじめCTB古田真菜、FB松村美咲、SH妹尾安南、PR小牧日菜多が、サクラセブンズのパリ五輪スコッドからはFL水谷咲良、SO西亜利沙、WTB原(奥野)わか花、大竹風美子、FB松田凜日が合流した豪華な布陣。関東大会でチーム最多の5トライをあげたのはHO地蔵堂萌生。WTBの原(奥野)わか花、大竹風美子、山本侑衣菜は揃って3トライをあげた。

松村美咲

松村美咲

出場ポジションが常に注目される松田凜日は関東大会ではCTB13で1試合に先発、1試合に途中出場し、FBで3試合に先発フル出場。全国選手権準決勝ではFBで先発が決まった。

松田凛日

松田凛日


サクラxvメンバーでもあるLO佐藤優奈主将は明大LO佐藤大地選手の姉で、HO小鍛治歩はブレイブルーパス東京PR小鍛治悠太選手の妹。FB松田凜日は男子15人制日本代表でワールドカップ4大会代表となったレジェンド松田努さんの娘だ。WTB原(奥野)わか花はパリ五輪終了後の昨年8月、リーグワンD3狭山ラガッツの奥野翔太選手と結婚、今季は奥野姓でプレーしている。

フェニックスは2002年に日体大のOGを中心に設立され、2013年に東京フェニックスに改名。2019年からは(株)山九がネーミングライツを獲得して東京山九フェニックスの名で活動。同時に山九は佐藤優奈主将、パリ五輪代表の原わか花ら選手も雇用して活動をサポート。チームは東京都渋谷区で学校訪問や一般対象のラグビー教室も開催。昨年はオーストラリアに遠征してスーパーW参加各チームと対戦するなど国際的な活動でも国内女子ラグビーをリードしている。
この大会では過去に日体大が2度にわたって2連覇を達成しているが、3連覇はまだない。フェニックスが未踏の記録に挑む!

九州・ながと合同(関西大会2位)

《関西大会成績》 3勝1敗
○100-0 合同A
○17-12 日経大アマテラス
●11-66 パールズ
○95-0 バーバリアンズ

ナナイロプリズム福岡/久留米大(福岡県久留米市)、九州産業大(福岡市)、ながとブルーエンジェルス(山口県長門市)の合同チーム。
今季は九州から「九州・ながと」と「日本経済大アマテラス」の2チームが関西大会に参加。関東に比べて少なかった試合数が増えた。

弘津悠

弘津悠


関西大会では、日本の女子ラグビーを10年以上にわたって牽引してきた中村知春は主にFLでプレー。パリ五輪サクラセブンズ組からは弘津悠(はるか)がCTBに入り主将を務める。WXVのサクラxv勢からはWTB香川メレ優愛ハヴィリ、元サクラセブンズ勢からはLO小笹知美が加わっているほか、No8には高校3年でサクラxv入りしたあと長く苦しんだ負傷から復活した小西想羅、やはりケガから復活したSH室越香南が加わっている。

サクラフィフティーンでも活躍した、香川メレ優愛ハヴィリ

サクラフィフティーンでも活躍した、香川メレ優愛ハヴィリ


主将のCTB弘津悠は2021年東京&2024年パリ五輪のセブンズ代表。父は同志社大-神戸製鋼で活躍した元日本代表HOで、現在リーグワンのコベルコ神戸スティーラーズでGMを務める弘津英司さん。
FL井上藍は、2017年太陽生命シリーズ入替戦で、ニュージーランド代表らを大量入団させて立ち上げたながとブルーエンジェルスを高校生だけで破った石見智翠館のレジェンド主将。サクラセブンズのレジェンド中村とともに強烈なリーダーシップが楽しみだ。

Pearls(関西大会1位)

《関西大会成績》
○119-0 バーバリアンズ
○66-11 九州・ながと合同
○159-0 合同A
○55-13 日経大アマテラス

WXV2のサクラxvから日本代表歴代最多キャップ47を持つNo8齊藤聖奈をはじめPR永田虹歩、北野和子、FL細川恭子、FB/SO西村蒼空と中軸選手がずらり。

村田彩乃

村田彩乃


サクラセブンズ組も2016年リオ/2021年東京五輪代表のSH山中美緒、昨秋のアジアシリーズ韓国大会出場の古屋みず希が加わった。WTB村田彩乃は2021年のカレッジセブンズで追手門学院大が優勝したときのMVPで、同大会では2021年と2023年に得点王に輝いている。

西村蒼空

西村蒼空

そんな豪華布陣に今季加わったのが7人制/15人制の両方で世界最優秀選手に輝いたNZ代表WTBポーシャ・ウッドマン・ウィクリフだ。ウッドマンは関西大会4試合で8トライを量産。さらに関西大会ではリザーブから登場したのが、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズで史上3人目の通算100トライを達成したケニア代表WTBジャネット・オケロ。主にLOで途中出場した飯塚玲奈はカナダ出身で、母国ではアメリカンフットボールをプレーしていたパワーハウス。国際色豊かな豪華布陣で4季ぶりの頂点を目指す。

チームは2016年に創立。三重県四日市市を拠点に、住友電装など三重県内の官民が一体となって活動をサポートしている。

横浜TKM(関東大会2位)

《関東大会成績》
●7-18 東京山九フェニックス
○36-12 日体大
○33-12 横河武蔵野アルテミ・スターズ
○43-19 アルカス熊谷
○62-5 Pieces
●21-28 RKUグレース

磯貝美加紗

磯貝美加紗


関東大会では初戦で東京山九フェニックスに、最終戦ではRKUグレースに敗れたが、4勝2敗で並んだアルテミ・スターズをBP差で上回り、2位となって全国選手権初出場を果たした。
2024年はイングランドのウースターでプレーしていたサクラxvのSO/FB山本実をはじめ、ながとブルーエンジェルスからWTB磯貝美加紗、アザレアセブンからLO谷山美典、FL内山由羅、神戸ファストジャイロからLO用貝涼乃が移籍加入するなど積極的な補強が目立つ。
HO小島晴菜は関東大会6試合で7トライをあげトライ王。今季加入したサモア代表のSOキャシー・シアタガは6試合で45得点(21C1P)をあげ関東大会得点王に輝いた。ソフトボールの女子ニュージーランド代表経験も持つ。

グレイス・エレン・ブルッカー

グレイス・エレン・ブルッカー


ニュージーランド代表のCTBグレイス・エレン・ブレッカー、フィジー代表のNo8ロエラ・ラディニヤヴニ、WTBアテカ・レイヤモ、アカニシ・ソコイワサ、ヴァシティ・ソリコヴィティと並ぶ外国代表経験者をどう起用するかにも注目だ。

スクラムの要として活躍、関東大会のアルカス戦でスターオブザマッチを受賞したPR藤殊華の父は明大-神戸製鋼で活躍した元日本代表HO高之さん。LO谷山美典は筑波大-埼玉ワイルドナイツの谷山隼大、日体大女子&サクラセブンズの谷山三菜子、佐賀工2年の谷山雅の姉。SO/FB山本実の弟・山本龍亮は桐蔭学園―明大を経てリーグワンD3狭山ラガッツでプレーしている。

藤殊華

藤殊華

チームは2011年に医療法人戸田中央医科グループを母体に慶大ラグビー部元監督の故・上田昭夫さんを初代GM兼監督に迎えて発足。現在は元関東学院大ラグビー部監督の春口廣さんが監督、元日本代表の北川俊澄さんが監督代行、久富雄一さんがFWコーチを、日体大女子元ヘッドコーチの長谷部直子さんがヘッドコーチを務める。

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