第79回国民スポーツ大会「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025」ラグビーの女子7人制が4-5日に滋賀県野洲市で行われ、山口県が決勝で福岡県を破り初優勝を飾った。
RJ365では、大友信彦さんが現地で取材。2回に分けてレポートをお届けします。
サクラ戦士と高校生、太陽生命Sで出番の少なかった才能たちが躍動!
かつて国体(国民体育大会)と呼ばれていた国スポは、都道府県対抗で、39の公式競技のほか特別競技、公開競技、デモンストレーションスポーツも行われる総合スポーツ大会。ラグビー協会が仕切る大会ではないため情報露出は多くないが、通常の大会とは異なるチーム編成が見られるなどユニークな大会。
特に女子は、男子のような成年・少年の区別がない分、トップ選手と高校生が一緒にチームを組むことや、故郷のチームや高校時代を過ごした地域にふるさと選手として、あるいは選手層の薄い地域にテコ入れする強化選手(兼コーチ)として地元ベースではない選手が加わるなど、他の大会とは違う独特の面白さがある。また、三重パールズのように国体開催に向けて自治体・地域協会と連携して誕生したチームの場合は都道府県の総合成績に貢献するというモチベーションもとりわけ高い。
大会には全国のブロック予選を勝ち抜いた12チーム(開催県の滋賀県、およびブロック全体の選抜チームとなる北海道は予選なし)が出場。初日の4日に4組に分かれてプール戦、および上位8チームによる決勝トーナメント初戦を行い、5日に準決勝以上およびコンソレーション戦が行われた。
初日のプール戦の成績はこうなった。
プールI:①福岡2勝 ②滋賀1勝1敗 ③徳島2敗
プールII:①京都2勝 ②栃木1勝1敗 ③青森2敗
プールIII:①三重2勝 ②佐賀1勝1敗 ③宮城2敗
プールIV:①山口2勝 ②新潟1勝1敗 ③北海道2敗
強さを見せたのは、太陽生命シリーズのトップチームがそのまま参戦した形の3チームだった。プールⅢの三重はパールズ、プールⅣの山口はながとブルーエンジェルスの単独チームで、プールⅠの福岡はナナイロプリズム福岡の選手に自衛隊体育学校PTSや横河武蔵野アルテミ・スターズから福岡レディースOG選手を迎えて参戦。3チームともプール戦2試合を無失点で突破した。一方、激戦となったのはプールⅡ。京都と栃木の一戦は15-14の1点差。京都と青森も22-17の僅差の決着だった。京都は麻田瑞月、安井ノエル、長瀬拓美、小池玉紗ら全国U18優勝メンバーから現役高校生の長谷部尋奈、谷口楓まで歴代の京都成章メンバーで固めた布陣。栃木も内海春菜子、田中笑伊、小西想羅という2017年選抜優勝メンバーと現役高校生が並ぶユニークな編成だった。
また、各組とも決勝トーナメント進出をかけた2位争いは激戦になった。プール1の滋賀vs徳島、プールⅢの佐賀vs宮城はともに10-7という僅差だったし、プールⅡの青森は1位通過の京都に対して17-22の接戦を演じた。競技人口の少ない地方県でも、例えば宮城には伊藤睦(自衛隊体育学校PTS)、大久保芽衣(立正大・アルカス熊谷)が加わるなど、トップチームで活躍するふるさと選手が加わりレベルアップに貢献していた。
続いて行われた準々決勝でも、山口は栃木を36-0、三重は滋賀を、福岡は佐賀を、ともに43-0という大差の完封勝ちで準決勝へ。激戦のプールⅡから勝ち上がった京都はプールⅣ2位の新潟を20-7で下して4強に進んだ。
そして迎えたDAY2は、いよいよ4強が激突した。
準決勝 福岡 vs 京都
準決勝第1試合の福岡vs京都は前半、福岡が小笹知美のトライと永田花菜のコンバージョンで7点を先制。その後、京都はロングキックで敵陣に入り、相手にシンビンが出たチャンスにアタック。福岡も1人少ない陣容ながらトライラインを粘り強く守るが、最後は京都の粘りが上回り高校1年生の谷口楓がトライを返し7-5で折り返す。
しかし後半は7人に戻った福岡が猛攻。吉野舞祐の2トライなど3トライを加え、福岡が26-5で勝ち2連覇に王手をかけた。

京都は高1の谷口楓がトライ

福岡・小笹知美のトライ

福岡・田中芽衣の突破

福岡・吉野舞祐のダメ押しトライ

星野瑠奈と髙﨑真那のトライセービングタックル

健闘を称えあう