ラグビー日本代表が世界の列強と連戦するリポビタンDツアー2025の遠征第2戦・アイルランド戦が8日、ダブリン・アビバスタジアムで行われ10-41で敗れた。
2025/11/09
文●大友信彦
試合は開始6分、アイルランドがSOクローリーのPGで3点を先行。その後日本はアイルランド人でアタックを継続するが、アイルランドの防御は崩れない。日本は13分、いったんハーフウェーに戻されたところからLOエピネリのターンオーバーからWTB長田の突破、HO佐藤のサポートで相手22mラインを突破するが、サポートが足りずターンオーバーされてしまう。

インパクトを残したLOエピネリ・ウルイヴァイティ

長田智希
チャンスを逃した日本は直後の17分、自陣に攻め込まれたところでCTBチャーリー・ローレンスがリフトタックルでイエローカード。数的不利となった日本は20分に相手SOクロウリーに初トライを献上。その後は数的不利を何とか凌いだが、15人に戻った矢先の29分、自陣に攻め込まれたピンチで相手FLティモニーがトライ。その前の場面で相手LO⑤バーンがボールをファンブルしたように見えたところで動きが一瞬止まってしまった。RWC2023のイングランド戦、相手PRマーラーのヘディングで動きを止めてしまった場面を思い出す痛恨のセルフジャッジだった。

竹内柊平の突破
それでも日本は0-17とリードされたキックオフから敵陣ステイに成功。22m線を超えたところでLOエピネリが無理なオフロードを試みてチャンスを失うが、その後も相手のダイレクトキックのミスもあり、敵陣でアタックを継続。36分、ゴール前ラインアウトからモールを押すとCTBローレンス、WTB石田も入って猛プッシュ。最後は佐藤健次がトライラインに抑え初トライ。SO李がコンバージョンを決め7-17とすると、前半のラストプレーでSO李がPGを成功して10-17。しかもこの場面でアイルランドのWTBストックデールが石田へのヘッドコンタクトでイエローカード。日本は7点差に追い上げ、さらに後半最初の約9分間は数的優位を得て戦えることになった。

李承信のラン
だが後半、日本は流れを掴むことができなかった。数的優位を得ていながらキックでボールを手放し、ラインアウトでペナルティーを犯し、ゴール前に攻め込まれて相手①ポーターにトライを許し10-22。次のキックオフから敵陣22m線を超えて攻め込むが、相手ゴール前ラインアウトでボールをロストしてしまう。
そこからスコアは膠着。54分、アイルランドのキックを捕ったSO李がキックをチャージされ、相手WTBストックデールがトライラインで抑えたが、その前のアイルランドのキックチェイスにオフサイドがありトライは取り消し。ピンチを切り抜けた日本は64分、自陣22m線で相手ハイパントを捕ったFB矢崎が相手タックル2人を外してカウンターアタック。相手22m線付近まで約60mものビッグゲインを獲得するが、そこからフェイズを重ねたところで、パスを捕ろうと走り込んだリーチが痛恨のノックオン。そこから切り返したアイルランドはハーフウェーまで戻したところでSHカーシーが好キックで日本ゴール前まで陣地を進め、ラインアウトからのモールをBKも加わって猛プッシュして⑯ガス・マッカーシーがトライ。
27-10とリードを広げたアイルランドは71分にも途中出場で入ったばかりの⑰パディー・マッカーシーがトライを加え、75分には日本WTB⑪長田のビッグゲインをターンオーバーし、WTB⑭オブライエンが独走トライを決め、SO22サム・プレダーガストが右隅の難しいコンバージョンを連続で成功。アイルランドがラスト15分の3連続トライで41-10と点差を広げて勝った。

日本は2試合続けて攻撃を1トライに封じられての敗戦。オーストラリア戦で進歩をみせたディフェンスも2戦続けて崩されてしまった。日本はこのあとウェールズへ移動。15日にカーディフで、7月に1勝1敗と星を分けたウェールズ代表と再戦する。
SCOREBOARD
日本代表

アイルランド代表

アイルランド・アンディファレルHC

ジョナサン・セクストン

