25日、国立競技場では「リポビタンDチャレンジカップ2025」日本代表対オーストラリア代表の一戦が行われ、15‐19で日本代表が惜敗。秋の5連戦の初戦を勝利で飾ることができなかった。次週は英・ウェンブリースタジアムで世界最強の南アフリカ代表に挑む。
2025/10/25
文●編集部
日本代表 エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC
残念ながら、特に最初の30分間において、我々が最高の状態を発揮できなかったこと、そして試合の基本的なプレーさえもなかなか上手くできなかったことにがっかりしました。その要因はいくつか考えられます。緊張もあったでしょうし、オーストラリア代表が特定のエリアに集中してボールへのプレッシャーをかけてきたことも影響しました。

リーチ・マイケル、竹内柊平、ワラビーズSHゴードン
にその点は非常に効果的でした。しかし、私が非常に満足しているのは、今や我々が戦い続けるチームになったことです。我々は諦めず、最後まで粘り強く戦い続けました。

ジャック・コーネルセンのチャージ
試合の終盤には勝利を掴み取るチャンスもありましたが、残念ながら力及ばず、でした。しかしながら、若いチームとしては多くの前向きな要素を得られたと考えています。結果は大変残念ですが、プレーの内容や戦いぶりという点においては、我々にとってさらなる成長の糧となりました。

ワーナー・ディアンズ
本日の観客の皆様も、本当に素晴らしかったです。心から感謝しております。厳しい天候状況の中、4万人の観客が集まってくださいました。素晴らしい雰囲気でした。日本のファンの声援も次第に大きくなってきており、大変喜ばしいです。独自の応援スタイルが確立されつつあります。選手たちもそれを大変感謝しております。

エディー・ジョーンズHC
さて、次は南アフリカ戦に集中しなければなりません。明日は休養日となり、(日本で)南アフリカ戦に向けた準備を2日間します。その後、20時間のフライトを経て北ロンドンに到着し、世界最強のチームと対戦する準備を整えます。

準備を整え、今日の試合の後半に見せたようなプレーを南アフリカ戦では80分間通して発揮したいと考えています。それが我々の挑戦です。
――今日の試合で一番評価すべき点は
世界のトップチームに対しても戦えるようになりました。私たちはゲームのあらゆるエリアで渡り合っていました。そして、すべてのボール、すべてのプレー、すべての瞬間に全力で勝負できるようになると、勝利のチャンスが生まれます。それがこのチームの大きな成長です。12ヶ月前にはそれができませんでした。できなかったのです。しかし今はできます。
私たちは勇敢な若い選手のグループです。彼らは今、ともに成長しています。

リーチ・マイケル
――後半、アタックが良くなった要因は?
前半はボールを動かすことを試みました。我々はボールを動かし、素早く展開したいチームです。しかし、特に(セットプレーからの)最初の2回のラックで、素早いラックが得られず、不利な状況からでもボールを動かそうとしていました。

ディラン・ライリー
そのため攻撃が機能せず、結果として攻撃が力不足に見えました。後半はより競り合いの効くキック戦術に変更し、状況に応じて競り合いを仕掛け、そこから崩れた局面で素早くボールを動かすことができました。これにより再び日本らしい攻撃が見られました。

チャーリー・ローレンス
チームについて私が評価したいのは、戦術プランを進化させられた点です。日本らしいスタイルを磨き上げ、さらにそれをアレンジした別の形へと移行できたのです。これは将来的に大きな強みとなるでしょう。

下川甲嗣
――PNCではゴール前のディフェンスでトライを取られることが多かったのが、今日の試合では粘ることができたが
ギャリー・ゴールドが(コーチングスタッフに)加わりましたが、彼はまるでマッドサイエンティストのようです。(休みの)毎週、木曜日はずっとアップルショップで過ごしています(苦笑)。
Googleのデバイスを買ったりエアポッドを購入したりして、テクノロジーと多大な努力で(日本代表の)ディフェンス力を高めるべく、あらゆる手段を講じているのです(笑)。真剣に申し上げれば、ギャリーは素晴らしい仕事をしてくれています。選手たちは彼を信頼し、今やディフェンスに熱意を持っています。(これは)チームの非常に良い進化です。
――後半に良いプレーができたということですが、ハーフタイムで何か指示したのか、それともリーダー陣が話したのか
ハーフタイム(の話)は、選手たちの感覚とコーチ陣の視点が組み合わさったものです。そして、その両者が一致していることが望まれます。そうすることで、試合に対する認識が一致していることが確認できるからです。

石田吉平のブレイク
ワーナーやリーダーシップグループから、彼らの感じたことについての有益なフィードバックがありました。それに加えて、コーチ陣の見解を統合し、後半に何をすべきかをまとめました。
これは標準的なプロセスであり、特別な手法ではありません。しかし、それで私たちは後半の戦い方を変えることができたのです。
――HO江良選手はジョーンズHCと同じくらいの体格ですが、試合を重ねることにテストレベルになっています。江良選手の評価を。
私は彼より背が高いと思います(笑)。彼は原田選手に次ぐ(HOの)セカンドチョイスとして最初はチームに加わったと思います。原田は非常に質の高い選手ですが、残念ながら現在ケガをしています。
江良選手は守備面で成長していて、ラインを強く抜け出し、激しいチョップタックルし、そして攻撃時にはボールを奪うと、タックルするが難しい選手になります。
また彼には少し個性的で、とてもユーモアのある若い選手です。それはチームの良い点の一つです。我々には多くの若手選手がおりその一人がキャプテンのワーナーです。彼らは互いの交流を楽しんで、こうして結束力が育まれているのです。おそらく今までの日本代表のチームでは年齢差が大きすぎたため、この結束を得るのは少し難しかったでしょう。ご存知のように日本では年齢が人々の行動様式に重要な要素となります。
このチームは2015年よりも優れたチームだと思います。選手はさらに成長する可能性を秘めていると思います。ですから、私たちには素晴らしいチャンスが訪れています。勝利を信じて現地へ向かいます。
そしてもう一つ、私たちが考えていることがあります。南アフリカも他のチーム同様、相手のペースを乱し、プレッシャーをかければミスを犯す可能性があるのです。それが私たちの狙いです。ウェンブリーはそうした戦術を実行するのに最適なスタジアムです。ウェンブリーで(日本が)再び南アフリカに勝利する姿を想像してみてください。それはまさに象徴的な瞬間となるでしょう。コールドプレイのコンサート並みの伝説となるはずです。これは最も象徴的な偉業の一つになると思いますので、これから先が非常に楽しみです。
日本代表 ワーナー・ディアンズキャプテン

ワーナー・ディアンズ
――ピッチで感じていたものとして、前半、なかなかアタックシチュエーション作れませんでした。その理由と、後半からいい形でボールを持てたのは。
前半、あれだけプレッシャーかけられて、あれだけ自陣でプレーして、2トライしか取られていないというのはすごく自信になって、自分たちもイエローカード2枚も出ましたが、すごい良いゴールラインディフェンスとか、クリーンイグジットができて、それが後半に向けて自信になって、自分たちが自信を持っているアタックのスピード、自分たちのフィットネスに力を後半いい形でできたかなと思います。

――PNCではゴール前のディフェンスでトライをあっさり許したが、今日の試合では粘りを見せることができました。
水曜日の練習に体をしっかり当てて、フルコンタクトぐらいの5分ぐらいのレッドゾーンのディフェンスをやった。試合中は、今日はすごく、みんな練習通りにできて、前に出てタックルして、相手を止めるのができたのは、すごい練習のおかげだなと思います。
――キーワードは
自分たちは、その低さを活かしてプレーするので、それかな。低さと、速く強くヒットして、相手の1人のボールキャリアに対して2人で入って、タックルするようにやっています。
――前半、特にブレイクダウンでボールを取られるシーンがありましたが
自分たちがタックルできなかったということです。(オーストラリアが)プレッシャーかけて、自分たちがそれに関してクリーンアウトがうまくいかなくて、前半タックルできなかったということです。後半からちょっと修正して、良いアタックのモメンタムができたかなと思います。
SCOREBOARD
日本代表


