12月1日、国立競技場で行われた関東大学対抗戦Aグループ、早稲田大学と明治大学による伝統の一戦「早明戦」は、27‐24で早稲田が接戦に勝利し、17季ぶりの対抗戦全勝優勝を果たした。勝利した早稲田から、キャプテン佐藤健次とともに第一列を率いた、PR亀山昇太郎(4年)、SH細矢聖樹(4年)、FB矢崎由高(2年)、WTB田中健想(1年)、SO服部亮太(1年)、5選手の試合後コメントを紹介。
「スクラムは試合中に修正出来たのはすごくプラス」PR亀山昇太郎
今まで自分が入学してから一度も優勝できてなくて、今年、全勝優勝することができてそこはすごく嬉しいです。
(スクラムは)前半あまりうまくいってなくて、後半に変えるところ変えようと佐藤(キャプテン)と喋って、それがうまくハマってしっかり押すことができました。試合中に修正できたというのがすごいプラスな部分かなと思います。
「ペナルティで自分たちを苦しめていた。半分もやりたいラグビーでなかった」SH細矢聖樹
率直に嬉しい気持ちは大きいです。ただ、前半)僕自身のミスが続いて、思うようにいかなかったのは明治さんのブレイクダウンのプレッシャーが強くて、いつもどおりのプレーができなかったというのはありました。
ディフェンスの部分は結構いい粘りも合ったんですけど、ペナルティで自分たちを苦しめてという意味では半分も(自分たちのラグビーが)でなかったのかなと思っています。アタックの部分ではサインプレーとかハマったりした場面はあったんですけど、フェイズアタックのところで崩したというのはあんまりなかったと思います。
――連戦が続きましたが体の調子は?
一戦一戦しっかりリカバリーして、いい状態で毎試合入れるようにというのを意識してます。
――ほぼ80分フルに近い出場時間ですが、体の部分では対応できている?
途中足がつったりして、まだまだの部分がありますけど、そこはもっと改善出来る部分かなと思っています。前日の水分量とかコントロール出来る部分なので、そこはしっかりやっていきたい。
――後半から、SO伊藤龍之介選手が出てきましたがどう対応していこうとしてましたか
彼は前を見れる選手だと思うんで、プラス、フィジカルも強くて勢いをつけてくるような結構嫌なプレーヤーだったんですけど、自分達のやるべきことを徹底したので、しっかり守りきれたかなtと思います。
――4万人の前でプレーした感覚は
今までにはなかった感覚なんで、これが早明戦かという感じでした。ほとんどが明治のファインの皆さんで、明治の声援ばかり聞こえて、結構飲まれそう担った部分もあったんで、そこは反省かなと思います。
――コミュニケーションの声は聞こえた?
結構聞きづらかったです。そこも結構いつもと違う部分だなと感じました。
「目標はあくまで『荒ぶる』、選手権優勝」FB矢崎由高
ーー今日は見事なトライもありました。どう振り返っていますか?
ここ何試合かすごい自分のパフォーマンスに納得いってない試合が続いた中で、今日も試合は少しでもその自分に点数を上げられる出来ができたなというふうに思います。
ーー なぜそのプレーが今日できましたか?
先週の早慶戦から2週間しっかりいい準備をして、自分には何が必要なのかっていうのをもう一度見つめ直して、もう一度いいマインドを持って、今日も試合に改めて臨めたからかなと思います。
ーーただ、試合はなかなか苦しい展開になりました。
先ほどキャプテンも言ってたんですけど、まあこういう展開になるっていうことはあらかじめわかっていたことなので、チームメイトとしっかりコミュニケーションを密に取って、自分たちのやってきたことの芯をぶらさずにやろうっていうのを80分間やり続けました。
ーーそして何と言っても17年ぶりの全勝です。対抗戦の全勝、このあたりどう振り返ります?
今年も対抗戦優勝というのは目標に掲げていて、僕も去年2敗して3位で終わってしまった結果がとても悔しかったので、その部分で優勝できたのはとても嬉しいことですけど、まあ、目標はあくまで荒ぶる、大学選手権優勝なので、ここの対抗戦優勝は僕たちの荒ぶるの一貫に過ぎないことだと思う。これからも一喜一憂せずに初心に帰ってこれから練習をやっていきたいと思います。
ーー最後に多くのファンが応援してくれました。一言お願いします。
早明戦という、伝統のある一戦にまず会場に集まっていただいた4万人のお客さんとまあNHKで見てくれてるたくさんのファンに勝利を届けることができてとても嬉しいです。ここで僕たちの戦いは終わりではないので、これからも荒ぶるに向けて一緒に戦ってくれると嬉しいと思います。
「タッチラインは『16人目の味方』。最後は死に物狂いでタッチに出そうという思いだけだった」WTB田中健想
――最後のトライをさせなかったディフェンスについて
あの点差、あの時間帯で、あのエリアということで絶対点数を与えてはいけないというところで、本当に死に物狂いでタッチに出そうという思いだけでした。
――自分のプレーで試合を終えることができたことについて
結果としては自分のプレーで終わったということが試合の流れ的にはそうなったんですけど、その前に先輩方の力があったりしたからで、自分だけの力ではな絶対ないですし、本当に周りの選手たちが頑張ってくれたからだと思っています。
――最後まで集中を切らさずにできたのは?
もうとりあえず80分間しっかりやりきるというところで、あのエリアだったのでとりあえずペナルティをしない。WTBとして(トライを)させないというところと、自分の前位ボールが来たらとにかく絶対止める、(タッチに)出すということはもう常に思っていました。
タッチラインは「16人目の味方」だという考え方を持っていて、そこはうまく(タッチラインを)使ったディフェンスができたと思っています。
――相手は海老澤琥珀選手でした。今まで高校時代含めマッチアップは?
いや初めてですね。(イメージトレーニングなどは)特にしていなかったです。そんなにコンタクトする場面はなかったんですけど、とにかく速い選手なので、スペースを与えないように、抜かれないように。たとえゲインされても、ビッグゲインされないようなディフェンスは意識していました。
――後半3点差となった場面、キャプテンは「楽しめた」と言ってましたがご自身は?
相手にトライを獲られた時に「面白くなってきたな」と思いました。「いいゲームだな」と。本当はトライを取られてそんなこと言っちゃダメですけど。
――白井瑛人(桐蔭学園の同期・明治)選手とはトライ王を争っていましたけど
本当に瑛人もいつも活躍していて、いっぱい刺激になっているんで、まだまだこれから戦う機会があると思うんで、お互いその高みを目指して頑張っていきたいなと思っています。
――ファーストトライについて
あれはもう、僕はただまっすぐ走っただけですね。
――対抗戦一年目でトライ王がとれたことについて
本当にありがたく思います。怪我なくここまで全試合しっかり出場できたのは、ボールを貰う機会であったり、トライが取れる機会が十分にあったので、その中での自分のパフォーママンスの結果が今日の結果につながっているのかなというふうに思います。
――まだこれから選手権がありますが、対抗戦としては1年目のシーズンがおわりましたが、ここまでどんなことを積み上げられた?
高校から大学で大きく変わる環境の中で、しっかりシーズン通して適応できているなというのは感じています。まだまだこれからさらに変わっていく中で、自分がそのレベルに王つけるような練習であったり、自分の中のマインドセットというのは試合に向けてしっかりやっていきたい。
――佐藤健次キャプテンの涙は?
見ました。常に体張ってくれてしんどいときもずっとプレーで見せてくれました。その背中というのは、それだけ思いがこみ上げる、そういう試合だったなと思いますし、同じ高校の先輩としても、かっこいいですね。
――次は負けたら終わりのノックアウト方式となります。
とりあえずできるパフォーマンスをやるということなんですけど、やっぱりその舞台を経験できるというのは本当に中々ないと思うんで、その喜びを噛み締めて一戦一戦楽しんで行きたいなと思います。
――試合前に言葉を書くとのことですが、今日の試合前にはどんな言葉を?
「波」ですね。いい波が来たら、それに乗って自分のパフォーマンスを試合の成り行きに任せていく、自分が適応していく。悪いときはそれなりに我慢するという思いですね。
「ゲームの組み立てがうまくいかなかった」SO服部亮太
――今日の試合を振り返って
ゲームを組み立てることで僕自身、上手くいかなかったので、納得いかない部分があった。
――良いハイパントキックもあったが
ハイパントを落とす位置だったり、蹴るタイミングはあまり良くなかったと思うので、修正して大学選手権までに良い準備をしていきたい。
――初の早明戦でした
早慶戦と違った雰囲気があって、もっと緊張感があって、自分が出せる力があまり出せなかったなと思います。観客の多さだったり、一つのプレーで歓声が沸いたりと違った。
――初の国立競技場でした
秩父宮ラグビー場や他の競技場とは違って、観客席とグラウンドが遠かったり、芝生の部分が長かったりとやりにくかったです。
――キックは距離感の部分で蹴りにくかった
はい。
――SO萩井(1年)と対面で対戦しました
裏のキックとはハイパントを狙っていたので、気を抜いたらやられると思って集中してやっていた。
――それでも勝ち切れた
周りのみんなが良いゲインだったり、良いディフェンスをしてくれたので非常に助かった。
――大学選手権に向けて
「荒ぶる」に向けてしっかり準備していこうと思います。