ラグビー女子日本代表(世界ランキング 11位)は17日、静岡エコパスタジアムで「太陽生命チャレンジシリーズ2024」アメリカ代表(同9位)とのテストマッチを行い、8-11で惜敗。2試合戦って1敗1分でシリーズを終了した。
大怪我で2年間戦列を離脱していた細川恭子(パールズ)と2試合とも9番をつけて先発出場してチームを前進させた津久井萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ)に話を訊いた。
NO8 細川恭子
ワールドカップの予選でハムストリングスの肉離れをしてしまって、復帰直前で膝の前十字靭帯を切ってしまい長期休みになってしまいました。
――競った場面での出場でした自分でこうしようと思っていたか
もうやってきたことは明確だったので、自分のやってきたことだけをすべて出せるようにというかたちで臨みました。
――持ち味としてはチームにモメンタムを与えるような爆発的なプレーだと思いますが振り返ってどうだったか
ディフェンスではちょっと自分でも納得いっていないところはあるんですけど、アタックでは自分の持ち味であるキャリーというところは、もっとできるとは思いますが、大きなアメリカを相手に対して自信になったかなと思います。
――この1週間はどんなことを重点にやってきたか?
大きな相手への対策として、自分たちがどうやって前に出るかということにフォーカスしてやってきました。
――不安はなかったですか
久々の試合ということで不安はなかったんですけど、ここの会場に入ってから少し緊張はありました。
――今日の応援は?
私のチームメイト全員が応援してくれてました、もうチームにも、これまでチームのサポートばっかりだったんですけど、お世話になった人に恩返しができるなという試合だったんで、みんなの前でできて本当に良かったです。
――パールズのみんなが「おかえり」というパネルを掲げてました。メンバー入りが決まってから何かメッセージとかは
チームのみんなから「おかえり、待っていたよ」みたいなメッセージをくれて本当にモチベーションになりました。
――ピッチに入った瞬間はどんな気持ちでしたか
私のことを復帰まで助けてくれた人の顔が浮かんで、その人達に恩返しできるようなプレーをしようと思っていました。
――第1戦を見てディフェンスが通用していましたが今までやってきたことにどんな自信をもって第2戦に望めたか
ワールドカップでアメリカとの試合が最後の試合になったんですけど、その時よりも私達が成長しているということを、フィジカルでもゲームの内容でも理解したうえで望めました。
――リハビリ中について
精神面は本当に強くなったと思います。怪我をして本当にラグビーどうしようかなっていう時期もあったんですけど、周りの方のお陰で復帰できたので今は自分のためだけにラグビーしているんじゃなくて、お世話になった人のために恩返しするために。ラグビーで恩返ししたいなって思ってプレーしています。
――やめようかなと思ったのはどのタイミングですか?
ハムストリングスの肉離れから、前十字靭帯断裂したときに本当に気持ちが折れそうになりました。もうチームメイトやチームのトレーナーさんとかSC(ストレングス・コンディショニング)の方とか本当に周りの人に恵まれて、ラグビーしようっていう気持ちになりました。
――こんなに長く試合に入られなかったのは初めてですか
そうですね。一度脳震盪で1年ほど離脱して、その復帰戦も代表でオーストラリア戦だったんですけど、それまでの合宿期間で結構自信つけて、ゲームライクな練習とか、結構厳しい練習とかも多かったんで、それが自信になったので不安というのはなかったですね。
――今の時点での個人的な目標は
ワールドカップに出ることはもちろんなんですけど、次こそは結果を出すというところにフォーカスしてどうやって世界の大きな相手に勝っていくかというところも意識して練習していきたいなと思っています。
――前回のワールドカップより今のサクラフィフティーンが強くなっているのはどこですか?
組織力です。
SH津久井萌
フェイズを重ねることはできていたんですけど、自分たちのペナルティだったり、トライを取り切れなかったところが敗因かなと思います。
――取り切れなかったのは?
もうちょっとテンポをだしたかったんですけど、自分たちも結構疲れていて(テンポを)出しきれなかったですね。
BKでのエリアをとるところは練習でもずっとやっていたのでそこはすごい良かったかなと思うんですけど、敵陣に入ったときにBKをうまく使えたらなと思います。
――アメリカと2戦やって、ゲーム内容も良かったです
ディフェンスでは本当に手応えというか負けないという感じがしていて、今日はポジションも良かったのですごく成長しているなと思いました。
――なおさら勝ちたかったですね。
そうですね。アタックで取り切るところとか、ペナルティーで自分たちきつくしてというか。結果論にはなってしまいますが、前半最後のあそこはちょっと狙えばよかったねという話は試合後話していました。
――最近ずっと9番を付けて試合に出続けているのは何か自分の成長があったのか、レスリーさんから言われてきたことができるようになっているのか?
9番はあんまり意識していないんですけど、落ち着いてやることをすごく意識しています。そこがプレーが安定しているというか、プレーそのものがすごくいいわけでもないんですけど、ちょっとだけ安定するようになったことに繋がっているのかなと思います。
――フォワードの使い方とかが良かったように見えました
フォワード合宿に呼んでもらってスピードトレーニングとか別のところでいろいろやったり出てたんでそこはすごく繋がっているなと思います。(阿部)恵さんも途中から来ていたんですけど。そこでフォワードがどれだけ頑張っているかというのを、スクラムやラインアウトなど、いっぱい学んだので責任感というか。
――フォワード合宿に参加して新たにお互いわかったこととかありましたか
スクラムとか、ラインアウトとかもうなんか本当にラインアウトは特にサインをすごく覚えることが多くて。あんまり関わっていなかったんですけど、今は結構わかるようになって大体どこら辺で飛ぶとかもわかるんで、そこに早めに動いたりとかできるようになりましたね。
――元々フォワードの練習に入るというのは?
元々やってはいたんですが、そこまでユニットに時間をかけることができなかったんで、フォワードだけでユニットに時間をかけられるのが本当に貴重だったんです。そこでみんなの成長を感じますね。
――第1戦で課題になっていたエリアマネジメントの部分はすごく改善できていましたが6日間どんな準備にフォーカスしてうまくいったのか
ポゼッションのところとあとはトランジションのところで自分たちがそこは強みなんで、リアクションスピードとか、スペースを見つける速さとか順していました。メンバー外の人たちがアメリカのプレーとかをすごくやってくれて、お互いすごくやり合うというか、いい練習ができたなって思います。
――勝利することはできませんでしたが、この2戦で何かチームとしてブレイクスルーしたというか成長した感じがしますが、津久井さんから見てどうですか?
前日のキャプテンズランのときとか、今まではちょっとソフトな感じでメンバー外の人がディフェンスでもやっていたんですけど、結構バチバチというか、最後の最後までお互いが高め合うというか、本当に全員でいい準備ができたという感じがすごいしたんです。
――チーム全体が少しステージ上がった?
はい。そこはすごい上がった気がします。
――次のワールドカップが3度目になりますけど、どんな気持ちですか
一番はやっぱり結果を残したいんで、やっぱりクウォーターファイナルに進むことが一番の目標なので、そこに立つことを常に意識してみんなで練習しています。
――オリンピックでサクラセブンズのプレーは見ましたか?
同世代の子が結構でていて。5人くらい小学生の関東ユースのときからずっと一緒にやっていたので。平野優芽や内海春菜子も同じ歳で、友達がいっぱい出ていてめちゃめちゃうれしかったですね。
――3度目のワールドカップは
(齊藤)聖奈さんと(長田)いろはちゃんも、(山本)実ちゃんもそうですね。ベテランなんですけど、あんまり喋るのとかちょっと得意じゃなくて、特にみんなの前で喋るとか本当にないんですけど、プレーで見せられたらいいなというふうに思っています。