宮崎合宿を行っているラグビー日本代表は27日、オンライン取材に応じた。合宿に参加している早稲田大学で同期だったPR小林賢太(東京サントリーサンゴリアス)とWTB長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)がチームの現状について話をした。
PR小林賢太

小林賢太
――PNC(パシフィックネーションズカップ)に向けて
チームとしてはやはり、昨年優勝できなかったので、今年はしっかり優勝を目指す。ワールドカップの抽選もあるので ランキングも自分たちにとって大事。順位もしっかり未来に対して見据えていくことはチームとしては大事なものとして捉えている。練習では夏のウェールズ戦同様に、キックも使いながらランニングラグビーだけじゃなく、バランス良く自分たちのラグビーを構築しているところです。
――練習の強度が高かったが
やはり、この暑い気候の中で、集中力が切らしてミスが続いてしまうと、試合においては自分たちのテンポを相手に渡してしまうことにもつながりかねないので、練習中の緊張感がある。ミスが続いたり 集中力が欠かれてしまうと、練習が止められて、ここでやらないと切り上げた場面もあった。そこはチームとしては課題だが、徐々に高強度の練習に対応はできているかなと思います。

――今日の練習テーマは?
今日は試合前だったので、練習の前半はキックオフや自分たちのアタックにフォーカスした。終盤ではディフェンスフォーカスのブロックで、ゴール前ディフェンス、モールディフェンスも交えながら高強度の練習をしました。
――PR紙森がケガで離脱しました。初キャップを得るチャンスがあるのでは?
もちろん日本代表のジャージーを着て試合に出るのが自分の目標なので、彼がケガしたということより、自分にチャンスが来たときに100%準備ができているように日頃から練習に取り組んでいます。

――7月、初キャップを得ることができず、悔しかった?
ウェールズ代表との2戦でキャップを取りたい気持ちがあったが、マオリ・オールブラックス戦を経て、自分の国際レベルの試合を戦う上での課題が露呈した部分もあった。そこはエディー(・ジョーンズ)さんやオーウェン・フランクスさんとミーティングを重ねて、自分の課題点やインプルーブしていくところを明確にできた。5週間のオフでも自分でも取り組めたので、個人でも良い状態で合宿に臨めています。

(オフにやったのは)特にスクラムのところですね。スクラムはテストマッチでは流れが左右してしまうというところで、自分の中で強くしないといけない。オフでは8人で組むことはできなかったが、プレシーズン前でしたが、サンゴリアスのグラウンドに選手が結構いたので、青木コーチや他の人に手助けしてもらいながらスクラムに取り組む時間に充てることができました。
――スクラムでは、具体的にはどういうところをテーマにして取り組んでいる?
具体的に言うと難しいところはあるが、大きく分けると、一貫性のあるセットアップのところと、コラプス(こわれない)しないところ、安定したスクラムを組み続けるところがフロントローとして求められている。その先に相手にプレッシャーをかけるところがあるので、まず基盤となる一貫性のあるセットアップと、一貫性あるスクラムシェイプで相手にプレッシャーをかけるところをテーマとしてやっている。
――ギャリー・ゴールドコーチが来て、ディフェンスではどんなところをやっているのか?
昨季は参加していないので変化は述べられないが、ギャリーが来てから、ディエンスのシステムが明確になり、一人ひとりの役割、チームとしてどういうディフェンスをするか明確になった。一人ひとりがディエンスで相手にプレッシャーを与える役割が与えられています。

6月のマオリ・オールブラックス戦
――12月に2027年W杯の組分け抽選会があり、世界ランキングの話はエディーさんからもあったのか?
毎回のミーティングではないが、今週、カナダウィークが始まるときに、今年のPNCは何が違うのかという問いがあった。先にカナダ対アメリカがあり、エディーさんに昨年との違いを聞かれて、選手から開催地が違う、昨年は日本で多くの試合があった、世界ランキングがW杯のグループ分けに関わってくるなどと話した。他にも(エディーさんから)カナダとかはワールドカップの出場を決められていないので、自国の出場に向けてこの大会に懸けてきているなど、それぞれの国により事情が違うと話されたような感じです。
――早稲田大同期のWTB長田選手といっしょにプレーしたい?
ウェールズのキャンペーンでは彼がいなかったが、今回、同じチームでできるということで、同じフィールドに立ってプレーできたら嬉しいし、僕はまた一緒にグラウンドでプレーしたいという気持ちを強く持っています。
――若いスコッドで、プレッシャーがかかる大会を経験する意味は?
まだまだこのスコッドとして、他国と経験値が劣る部分があるが、そういうプレッシャーに耐えながらも、若いスコッドで立ち向かうことで、自分たちの成長につながる部分がある。その経験値がW杯に向けて良いステップになるかなと思います。
WTB長田智希

長田智希
――今の若いメンバーでPNCに臨む価値は?
若手が多くてノンキャップが多くいるが、そこまで、このメンバーということは考えていなくて、今いる選ばれたメンバーでPNC優勝を目指して一戦一戦戦っていきたい。
――試合週だったものの、練習の強度が高かったようだが?
今週だと今日が一番、強度、コンタクトレベルが高くて、良い準備ができているなという感触があります。
――6月から7月は、ケガされて参加していなかったが
コンディションは最高のパフォーマンスできるように、戻ってこられるように準備していた。体調は万全です。
――ウェールズ代表戦を見て
ウェールズに勝ったことは僕もすごく嬉しく思っていた。
――何をテーマに取り組んでいるか?
代表のラグビーとクラブチームのラグビーでは、求められることは少し違うので、代表のラグビーを思い出して、理解してパフォーマンスを発揮できるように意識して取り組んでいます。(具体的には)ずっとエディーさんが言っているワークレイトの高さ、あとはハイボールの競り合いのところを意識して練習に取り組んでいます。
――WTB木田選手は同期、WTB石田選手は1つ下。どこで勝っていきたい?
2人とも良いランナーで、アタックの面で脅威になるプレイヤーだと思うが、ランのところは2人に劣る部分があると思うが、ハイボールの部分、ディフェンスと求められたところを高いレベルでやり切る部分では自信を持って勝負できると思います。

――ハイボールの部分でエディーさんに具体的に言われたことはある?
(エディーさんから)具体的なコーチングはなかったが、ハイボールのところはWTBが大事になってくるということはずっと言われています。自分の中で意識して練習しています。
――現在のコンディションは?
調子はまあまあというか、いいと思います。自分の中で良い準備をしてこの合宿に臨めて、代表に求められているプレーができていると思うので、良い準備はできていると思います。
――復帰までの時間、具体的に何をしていた?
そこはあまり特になくて、ただ代表に参加していない期間もエディーさんと1on1(ミーティング)をする中で、ハイボール、キックのところはおっしゃっていたので、チーム練習がない中でもSH選手捕まえて(ハイボールキャッチを)継続的にやるようにしていました。

――キックの使い方で、日本代表とパナソニックの違いはある?
ワイルドナイツはエリア取りとしてキックを使うところが多い。代表としてエリア取りのところもあるが、どっちかというとまずは自分たちがランして、仕掛けることを大事にして、そこからのキックというイメージです。キックのタイミングは、代表はまず攻めというのが意識の前提にあるのでそこは違うかな、と感じます。
――WTB長田選手の役目に違いは?
キックを蹴る部分に関して、大きな違いはなくて、WTBは(キックを蹴った後の)チェイスが大事になるので、そこは、どちらでも役割はいっしょかなと思います。
――2027年W杯への思いは
2023年大会はあまり良いパフォーマンスができなかったので、次のワールドカップへの気持ちが大きくなった。一つ、自分の中の大きな目標として次のW杯に出たいので、そこは常に意識して取り組んでいる。でも、まだ先のことなので、目の前の試合に勝つこと、その試合で自分のパフォーマンスを出すことに取り組んでいます。