14日、関東大学ラグビー対抗戦A、筑波大学は地元・茨城のケーズデンキスタジアムで明治大学を迎えて開幕戦に挑んだ。
夏合宿では前半0‐22と圧倒されながらも後半巻き返して勝利を収めている。昨年大学選手権出場を逃し、高橋佑大朗主将を軸に新チームの準備をしてきた中でその力が試される一戦となった。
序盤から敵陣での時間帯を作り優勢に試合を運ぶも、明治に先制トライを許してしまう。それでも、前半26分、LO中森真翔の突破からSH高橋佑大朗主将がトライを決め同点とすると、34分にはCTB今村颯汰のトライで逆転し14‐7とリードして前半を折り返した。

前半26分、中森真翔がブレイク

高橋佑大朗がトライ


前半34分再び中森真翔がブレイク


CTB今村颯汰がトライ

楢本幹志朗のゴールも決まって14‐7
後半は明治に2本のトライを決められ逆転されるも、FB内田慎之甫(1年)の鋭いランからゲインを切ると、ラックスピードで速い球出しからなだれ込むような連続フェイズを重ね、LO中森真翔が逆転のトライを決める。しかし、40分、キックオフボールの処理ミスから相手に攻め込まれ逆転トライを許し、万事休すかと思われた。

内田慎之甫がブレイク
直後のキックオフ、明治が自陣でのボール保持を嫌い、敵陣へ蹴り込みディフェンスでしのいで勝利を選択。ボールをうけた筑波はそこからギアを一つあげ、フェイズを重ね、敵陣に侵入。さらにフェイズを重ね、WTB濱島遼までつなぎ再度逆転のトライを決めて勝利。28‐24で明治を2013年シーズン以来打ち破り、開幕戦を白星で飾った。嶋崎達也監督、高橋佑大朗キャプテンの試合後コメントを紹介。

POMは中森真翔
筑波大学 嶋崎達也監督

勝利した筑波大・嶋崎達也監督
昨季、大学選手権逃した後、一貫してチーム、高橋がやってきたことを出し切ってくれた。実力は明治に届くと信じてやってきた。それが本当に実現した。選手がよくやってくれた。
――勝因は
セットプレーが戦えたことだと思います。ここは負けないと思っていた。対等以上だったと思う。そこが基盤だったと思う。分析というよりは地の力をどうつけるか。幹だったり、土台を作らないと対抗戦は戦えないので、そこが夏やってきた中で、戦えるということが自分たちでも自信を持っていた。
――POMに輝いたFL中森選手の評価は?
あそこまで抜け切るというところが、夏は止められたシーンがあったが、今日はランニングコースが良かった。スピード感が違って、抜けてくれた。ミスマッチを抜いたと思うのですが、力になってくれている。同時に、ラインアウトですよね。JTSでも評価されていましたが、ジャンパーとして圧力かけてくれて大きな力になった。(JTSやU23日本代表は)本人の自信になったと思います。

中森真翔
――内田選手のFBの評価は?
本来、増山が出たりしていたが、春も15番をやっていた。ハイボールも非凡だし、キックのモーションも小さく非常に得意だし、万能というか穴がないプレイヤーです。彼が15番にいた方がチームとしてバランスが取れるので、信頼を置いている。WTBもやっていたので、増山が戻ってきても(WTB、FBの)両方やると思います。

内田慎之甫
筑波大学 SH高橋佑大朗キャプテン

高橋佑大朗
特に、夏、明治大と試合にして前半0-22と大敗した後、夏合宿終えた後、0-22をひっくり返すんだと練習してきた。前半から接点から圧倒するプレッシャーを全員が本当に体現したことが、今日の勝利につながったかなと思います。
――勝因は?
自分たちはラインアウトに自信があったことと、試合をやっていく中で、明治大さんがラインアウトを嫌がっていると感じていた。その中で、9、10番でエリアの取り方で勝てたところが大きい。ラインアウトになったらプレッシャーかけるし、キック蹴ってこなかったらディフェンスで戦うことが80分できた。
――明治大に勝ったことは、チームにどうプラスになる?
自分たち自信では日本一に向けて、一戦一戦やっていく中で、(昨年の)対抗戦上位校に勝てたことは自信になったが、僕たちが目指すのは日本一です。一昨年も初戦で勝って失速してしまったので、次の慶應大戦に向けてやっていきたい。
――対戦しての明治大の印象は?
試合前にテーマを決めていて、自分たちにフォーカスすることだった。点差が開いていったとしても自分たちのラグビーをすると臨んでいた。後半、トライを取られて、残り4分の中でも全員あきらめることなくゲーム運びができた。
明治さんが筑波さんのゴール前まで来ても押し返して、プレッシャーかけることができた。相手が焦っていると感じていたし、ゴール前までこられても跳ね返そうと一貫して戦えていた。
――夏合宿、前半0-22から勝てた要因は
夏、点差がついたがディフェンスでやれていた。ゴール前のモールでやられて、フェーズからのトライは少なかった。やることをやりきれば勝てると自信があった。0-22と掲げたことで、全員が一致団結して、競争力持って、それをひっくり返そうと臨めたのが良かった。今回、勝ったのは嬉しいですが、当然というか、やってきたことを出せたので勝てて良かった。
――キャプテンから中森と1年のFB内田への評価は?
FL中森は筑波の強みであるラインアウトでプレッシャーをかけてくれるので信頼しているし、エッジの部分でランのスキルもあるのでボールを託せる。内田は、体は小さいがディフェンスに貢献してくれているし、スピードがあるのでラン、チェイスで1年生でありながらひくことなく果敢にプレーしてくれる。勢いづけてくれる選手です。2人とも信頼しています。
――どういう気持ちで試合に臨んだ?
今回は冷静に試合に臨もうとして、判断が冴えていたかな。点でみていたのが広く見られたことが試合に貢献できたかな。どういうディフェンスしてくるか頭にインプットしていた。状況把握がスムーズにできて、今回のプレーにつながった。
――FWのピックゴーが多かったが
ゴール前に入ったときに、停滞してしまうと明治さんを崩すのが難しいので、どこかでゲインが生まれたときにピックの判断は、流れ込むようにアタックしていこうと話していて、それが出たと思います。