7日、ラグビー日本代表は「パシフィック・ネーションズカップ2025」プール戦、アメリカ代表とサクラメントにあるハートヘルスパークで対戦し、47‐21で勝利。プール戦2勝で1位通過し準決勝進出を決めた。
アメリカのキックオフでスタート。ジャパンがノックオンでアメリカにボールが渡る。フェイズを重ねるもジャパンがDFラインをあげて、タックルでアメリカを押し戻し、アメリカがノックオン。
2分、ジャパンボールのファーストスクラム。スクラムペナルティを獲得し、PKで敵陣22mに攻め込む。ラインアウトはロングスローでFL下川甲嗣がキャッチ。フラットなパスでアタックするも、アメリカにインターセプトされ、トライならず。
敵陣22m付近のラインアウトからジャパンが再びアタック。アメリカがノックオンで2度目のスクラム。先程と同じようにSH福田健太のフラットなパスが再び奪われアメリカボールに。

ファーストスクラムからジャパンが有効
6分、ジャパンはワーナー・ディアンズが相手ボールラインアウトをスチール。一度キックで相手にボールを渡すも自陣5m付近でワイサケ・ララトゥプアがジャッカル。再びジャパンがチャンス。ここでもフラットなパスがつながらず、アメリカボール。
アメリカがキックでエリアを戻すも、WTB長田智希がカウンターでブレイク。石田吉平がキックでトライラインへ蹴り込むもアメリカがカバー。ジャパンがノックオン。
11分、ワーナー・ディアンズのキックチャージから、ボールをキープ。巡目にフェイズを重ねて、最後はFLベン・ガンターがディフェンダーを2人交わして先制のトライ。角度のある位置から李承信がコンバージョンを決めて7-0。
アメリカのキックオフ、福田のボックスキックで自陣を脱出。アメリカ陣内10mでディフェンス。アメリカがハイボールでWTB14がキャッチ。ジャパン陣内に入り込む。ジャパンがハイタックルのペナルティ。自陣22mまで攻め込まれる。
直後のラインアウト、再び、ワーナー・ディアンズがパスカット。ジャパンがボールを取り返す。アメリカもハイボールで揺さぶりをかけるも、ジャパンのバック陣がしっかりとディフェンス。アメリカのペナルティで再びジャパンがチャンス。
18分、敵陣22mラインアウトからアタックを仕掛けるジャパン。リズムよくフェイスを重ね。SO李承信が裏ペースにボールを蹴り込み、石田吉平を走り込ませるもアメリカがカバー。それでもアメリカのノックオンからゲームが再開。
ジャパンがスクラムでプレッシャーをかけペナルティ。20分、再びジャパンはスクラムを選択。スクラムで押し込み、NO8ファ方ヴァ・アマトのトライ。14-0。
直後のキックオフ、自陣からボールを回して自陣を脱出。さらにフェイズを重ねていき、李が裏スペースへキックするもデットトライラインを越えてしまう。
それでも相手ボールスクラムでペナルティを獲得すると直後のラインアウトから、LOワーナー・ディアンズが次々とディフェンダーをなぎ倒しトライ。21-0。

26分、直後のキックオフ、ジャパンは自陣ゴール前でFL7にボールを奪われピンチ。29分、HO2がトライ。21-5。
直後にジャパンは、FBサム・グリーンの突破から石田吉平が内に切れ込み、福田、そして下川甲嗣とつながりトライ。28-7。
アメリカのキックオフからリスタート。ジャパンがノックオンで自陣10m付近で相手ボールのスクラム。35分、自陣でペナルティ。アメリカがゴール前に攻め込む。ジャパンがブレイクダウンでのペナルティ。37分、HO2が2本目のトライ。28-14。
後半ディフェンスを修正、アメリカを封じ込める
後半はジャパンのキックオフ。アメリカがノックオンでジャパンのアタック。アメリカのペナルティでさらに敵陣奥に攻め込む。アメリカのペナルティからゴール前ラインアウト。ジャパンがノックオン。アメリカが凌きアメリカボールのスクラムに。
アメリカがエリアを戻すも、ラインアウトから、PR竹内柊平がピックゴーでブレイク。さらにララトゥプアが前進し、ポイントを作ると李承信が逆サイドにロングパス。NO8ファカタヴァ・アマトがトライ。33-14とリードを奪い、後半先にジャパンがスコア。

その後互いに激しい攻防が続くもスコアは動かず、55分、アメリカがデンジャラスゾーンでのラインアウトのチャンスを迎えるもノックオン。ジャパンボールスクラムへ。NO8ファウルア・マキシがボールを持ち込みポイントを作り、SH藤原忍がボックスキックでハーフウェイ付近までエリアを戻し、アメリカのアタック。ジャパンのディフェンスプレッシャーにノックオン。自陣でのスクラム。
59分、ジャパンは自陣10mのマイボールスクラムから、WTB石田、FBグリーン、WTB長田で一気に敵陣入るも石田がペナルティ。ボールが続かず。
それでも60分、ハーフウェイ付近で藤原がボックスキック。ルーズボールをララトゥプアが再獲得。為房慶次朗、長田と繋いで22m内側へ前進。藤原がオープンサイドへ展開。廣瀬がボールをキープしてさらに前進。巡目にアタックラインが流れて藤原がワーナーへパス。
ワーナーが最初の一歩で相手を交わし、この試合2本目のトライを決め、38‐14とした。
64分、相手ボールのラインアウトを奪ったジャパンは、藤原忍のビッグゲインから一気に敵陣ゴール前に攻め込む。アメリカは7番がヘッドコンタクトでイエローカード。66分、ジャパンはFL奥井章仁がピッチへ。初キャップを獲得する。
69分、奥井、木田の初キャップメンバーがボールに絡み、全員がボールを繋いで最後はWTB石田吉平がトライ。47-14で試合を決めた。アメリカは78分に17番が意地のトライを奪われるが47‐21で快勝を収めた。1位で準決勝進出を果たした。準決勝は9月15日、デンバー(アメリカ)で行われ、プールA2位のトンガ代表に挑む。

初キャップを果たした奥井章仁

スピアーズのメンバーたち
ラグビー日本代表 エディー・ジョーンズHC

ワーナー・ディアンズキャプテン(左)とエディー・ジョーンズHC(右)
特に後半のところよく対応ができたところが良かったと思います。前半はスピードをもって簡単に得点できたシーンはありました。試合の状況に応じてよく適応していたところは見ていてすごく感心しました。
後半20分から30分のところでゲームをコントロールしてアメリカを完全に封じ込んでいたところがよかった。れはいい兆しだと思いますし、ワーナーもキャプテンとして非常に落ち着いた形で明確に方向性を示しながらチームをリードしてくれていた。
(李)承信やディラン(・ライリー)の助けもありながらですけど、よくリードしていたと思います。唯一気に食わないところが最後のトライのところです。ああいうデットラインの捉え方をされたくない。次のトンガは体重も重いですし、ああいうゴール前での相手の攻撃をしっかりと跳ね返さないといけないと思っているので、デンバーでそこはしっかりと取り組みたいと思います。

エディー・ジョーンズHC
――初キャップの2人(奥井章仁・木田晴斗)について
非常に良いテストマッチの入りだったと思います。アキ(奥井)に関してはブレイクダウンでもしっかりと存在感出してましたし、木田についてmこWTBとして非常に危険なランナーとして機能していたと思います。
彼らからはもっともっといいパフォーマンスをこれからも見たいと思いますし、18人目の新しいキャップホルダーが出たと思います。今後もそういった新しいキャップホルダーが出てくるかなというっ可能性は感じています。

初キャップの木田と奥井
――先ほど言われていた課題は、事前に予測していたか、試合の中で見つけたものか
試合の中で課題として顕著に現れたと思っています。ゴールラインのDFは試合の中で重要視される部分ですし、ゴール前で相手は容赦なくピックアンドゴーをしてきます。そして、レフェリーはDFの方を取締りはじめるので、規律を持ってオンサイドのところから対応しなければならず、ボールの下にしっかり入る必要があります。
――超速ラグビー、今日の仕掛け方について。エディーさんがコントロールしているのか、あるいは選手自身が理解してきているのか
両方の要素があります。選手たちが現場で自ら判断できることが求められている姿であり、それを見て誇らしく思いました。選手たちが試合の中で自分たちで感じながらいろいろ判断していく、究極を言うともうヘッドコーチの存在何かいらないと思われるくらいに選手たちが判断してくれたいいと思っていますし、短い期間の中でもそこまで成熟したというのが嬉しい。
――ゴール前以外のディフェンスと空中戦での評価
さきほどワーナーも言いましたが、ディフェンスではホールドが遅かったり、行き過ぎて3人目をかけたりする場面があったが、それを見事に修正してくれたと思います。
(空中戦については)そこまで重要な部分ではこの試合の中ではなかったですけども若干後手になるところはありましたが、このまま引き続き取り組み続けます。
ラグビー日本代表 ワーナー・ディアンズ共同キャプテン

ワーナー・ディアンズキャプテン
――試合を通じてチームの良かったところ、改善したいところ
前半のラスト10分、相手が良い順目アタックをしてきて、自分たちがディフェンスで回ってホールドするのが遅くなり対応できなかった。FWとして遅く感じて、それが自分の中で大きなポイントだった。ディフェンスの部分で次のトンガ代表とやるときに、相手は順目に強いキャリーしてくるので、それに自分たちのスピードで回って、コンタクトで勝てるようにしないといけないと思います。
――メンタルコンディションは?
先週、ちょっと緊張感があって、コイントスで勝ったときで落ち着いたと言ったが、今回は試合前は 落ち着いていて、トス負けてきたときは緊張してきた感じがあった。でもウォームアップで、みんなの顔を見て、良いウォームアップできていたので、試合入る前に良い自信を持った状態で入りました。
――今日はいいランでのトライがありました。それは自分のランを活かすためにチームとコミュニケーションを取りながら取れた?
スペースを探していたSH藤原さんがいて、自分が走り込んでトライできた。(ワーナーとNO8がエッジに立っていたが)特にプランではなかった。疲れてエッジで休もうかな、キックパスでももらうかなとコールしていたがなかなかこなかった。良い休みをもらいました(苦笑)。
――両端に立ってということは練習でもやっていた形?
特にプランではなかったです。自分が疲れてちょっとキックパスでももらおうかなと思って。コールはしてたんですけど、なかなか来なくて。いい休み、もらいました。(状況判断で立っていた?)はい、そうです。