エディージャパンは、30日に行われるパシフィック・ネーションズカップ、カナダ代表戦のメンバーを発表した。キャプテンにはLOワーナー・ディアンズとHO原田衛(カナダ戦は欠場)が任命された。エディー・ジョーンズHCはその起用要因として「リーチから強く勧められた」と話した。大役を任されたワーナー・ディアンズは、「良いチャレンジになると思うし、世界のベストなLOになる一つの大きなポイントかなと思う」と話した。原田衛は「意識していることはオフザフィールドで、しっかりチームの文化を作っていくところ」と意気込みを語った。
アサヒスーパードライ パシフィック・ネーションズカップ2025 カナダ代表戦試合登録メンバー *カッコ内の数字はキャップ数
1 木村星南(東芝ブレイブルーパス東京、1)
2 江良颯(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、1)
3 竹内柊平(東京サントリーサンゴリアス、15)
4 ワイサケ・ララトゥブア(コベルコ神戸スティーラーズ、2)
5 ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京、23)◎主将
6 ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ、11)
7 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス、14)
8 ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京、14)
9 藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、12)
10 李承信(コベルコ神戸スティーラーズ、20)
11 マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ、8)
12 チャーリー・ローレンス(三菱重工相模原ダイナボアーズ、0)
13 ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、30)
14 石田吉平(横浜キヤノンイーグルス、2)
15 サム・グリーン(静岡ブルーレヴズ、1)

控え
16 佐藤健次(埼玉パナソニックワイルドナイツ、0)
17 小林賢太(東京サントリーサンゴリアス、0)
18 為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、11)
19 ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ、6)
20 マキシ ファウルア(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、16)
21 福田健太(東京サントリーサンゴリアス、1)
22 廣瀬雄也(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、0)
23 長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ、17)
エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC
(カナダ代表戦に向けて)非常に良い準備ができたと思います。3日間のFW、BKのキャンプから始まって、合流して1週間半、チームが良い成長を遂げた。PNC(パシフィックネーションズカップ)の初戦、大事な試合となります。我々はPNCの優勝を狙っているので、カナダ代表戦が最も大事な試合になります。カナダ代表は15番のネルソン10番に入って、左足のキックを多用してくると思うので、ハイボールの処理から自分たちのアタックにつなげていきたい。

原田衛と共同キャプテンを務めるLOワーナー・ディアンズ
今回、ワーナー(・ディアンズ)にとって、ジャパンでキャプテンをやる良い機会になると思いますし、この1週間半、チームをよく牽引してくれました。原田(衛)はフィットしていないので今回は試合に出られませんが、オフフィールドで献身力を見せてくれた。日本代表のキャプテンを務めることは名誉なことので、2人にとって良い機会になると思いますし、カナダ代表戦を非常に楽しみにしています。
――ワーナーを主将にした理由
ジョーンズHC まずはリーチ(マイケル)から強く勧められたことが一つあります。彼の意見を真剣に受け止めたところもあるし、リーチは強いリーダーだし、2015年前から日本代表を引っ張ってきた存在で、それがかなりのきっかけになった。ワーナー自身はまだ若いが、さらにパフォーマンスや選手としての力量を高めるためには責任がきっかけになると思ったので、キャプテンという役割を与えました。彼には世界でベストのLOになってほしいし、周りの選手たちも彼とプレーするのをエンジョイしているし、リスペクトもしています。

原田衛
原田もそうですが、(2人は)違うキャラを持っている。ワーナーはオンフィールドで非常にリーダーシップを発揮する選手で、現状の中で話すと原田はオフフィールドで文化作り、行動規範を示してくれていて、非常に良いコンビだと思います。
――日本代表のキャプテンになっての受け止めは?
ワーナー 良いチャレンジになると思いますし、エディーさんが言った通り、世界のベストのLOになる一つの大きいポイントかなと思います。
――いつキャプテンになると話を聞いて、チームの中で心がけてきたことは
原田 (エディーさんから)ウェールズのツアーが終わってから話をしていただいた。意識していることはオフザフィールドで、しっかりチームの文化を作っていくところを僕は意識してやっています。

ワーナー ウェールズ戦が終わって(エディーさんから話を)聞いた。僕はどちらかというとオンフィールドで、自分のプレーでチームを引っ張っていく。あまり大きくやろうとするのではなく、自分のプレーで、パフォーマンスで引っ張っていこうという感じです。
――キャプテンに指名されたときにどう感じた?
ワーナー キャプテンをやるのはどんなスポーツでも初めてです。言われたとき、すごく嬉しかった。自分の成長、キャリアにとって大きなステップ、チャレンジになるのですごく楽しみにしていました。(戦後一番若いキャプテンですが)あまり考えていなかったですが、嬉しいですね!
――リーチからアドバイスがあった?
原田 アドバイスとしては「頑張れ!」という感じでした(※エディー、笑いながら「良いアドバイス!」)。あと、リーチさんは見本というか、僕たちのロールモデルで、チームの模範となる言動をしていかないといけないと一緒にやっていて感じていますし、そこは参考にしています。
ワーナー 同じですね。「頑張れ」、と言われた。リーチさん、東芝でもジャパンでも一緒に試合に出て、リーチさんはすごいパフォーマンスでチームを引っ張っていくスタイルだったので、自分もあまり普段しゃべらない、しゃべりたくない人なので、できるだけ自分のプレーでチームを引っ張っていく、チームをリードするという感じでやっていきたい。
――登録はLO2人のみ。もしケガしたらどうするのでしょうか?
ジョーンズHC まず、(PNCの)ファイナルのことはまったく考えていない。プランもない。今、カナダ代表戦のことしか考えていない。LOに関しては(ベン・)ガンターもいる。自らFWの第2列をやりたいと立候補してきた。スクラムも好んで、多様性もある選手です。L0でプレーする機会もあれば彼にとってもステップアップになる。LOのカバーは十分にあると思っている。ファカタヴァ(アマト)は2023年ワールドカップでLOとしてプレーした。(プールフェーズで)28名のスコッド決めるとき、妥協というか十分に埋められない部分も出てくるが、状況次第で、臨機応援にやっていくことも必要です。
――キャプテンを2人に任すにあたり、リーチからどんなアドバイスがあったのか?
ジョーンズHC リーチはキャリアの終盤を迎えていて、次のW杯まで持つのかどうかは、まだクエスチョンマークが入るところだが、彼も次のW杯に出たいと思っているし我々もそう思っているが、そこは確証できないと思っています。彼もそれを自覚していて、それを鑑みて、今後の日本代表をどう成長させていくのか将来像をいろいろ話したとき、次の誰がリーダーシップを担うのかという話になった。そのとき、原田とワーナーがポテンシャル高いとなった。
この1年半、私も彼らと過ごしてみて、リーダーシップが垣間見える場面があった。リーダーにとって適正かどうか、垣間見えるだけでも判断材料になると思いますし、生粋のリーダーになるには実戦しないと育たないというところもある。今回、その機会が巡ってきたし、彼らは与えられた機会を活かしてくれると思います。若いチームで構成された若いチームでキャプテンをやることは、エキサイティングだし、新たに日本代表を再構築する、次世代のチームを作っていくことは非常に楽しみな場面です。

――ワーナーだけでなく、原田をキャプテンにした理由は?
ジョーンズHC 2人からリーダーシップの素質があることが垣間見えた。2人とも存在感を発揮しているし、リスペクトに値する選手です。違う特性があるので共同キャプテンにした。
近年のラグビーを見てみると、スタッフの人数は15~20人と増えていて、やるべきことが多岐にわたっていて(チームが)大所帯になっていると思います。キャプテンも同じで、キャプテンをやっているだけでなく、大きなスコッドをまとめる、スポンサー、メディア対応、スタッフ、コーチたちと連携を取ったりするなど負担が大きくなってきている。
2人が若手のキャプテンとして共同で、チーム作りとチームを引っ張っていってほしい。2015年を振り返ると、オンフィールドでキャプテンをやっていたのはリーチで、オフフィールドは廣瀬(俊朗)だったと思います。チームが多文化になればなるほど、オフフィールドで文化差が広がらないように文化差を埋めることも必要になってくるので、今回の(2人の)指名になりました。
――秋のツアーもキャプテンは2人に任せるのか?
今はカナダ代表戦の話だけです。PNC後に、その話について話しましょう。
――初キャップとなる選手が4人います。期待することは?
エディー ワーナーは最も過去、日本代表のキャプテンとして若い選手なので、非常に若いスコッドです。1キャップ以下10名いるわけなので、逆に若いチームはエキサイティングで楽しみなところがあります。若い選手たちが一丸となって、切磋琢磨して、いろんなことを経験して勝利を分かち合う、エンジョイすることは素晴らしいことです。

廣瀬雄也
CTB廣瀬(雄也)はウェールズシリーズのスコッドに入ってきたが、すぐに適応して、知的で、バリエーション豊富で、キャリー、パス、そしてロングキックも持っている。CTBチャーリー(・ローレンズ)がメンバーに入ったことは個人的に嬉しく思う。彼は昨季JAPAN XVの別府合宿から必死に努力して、ハードワークを積み上げてきた、トレーニングを頑張ってきた選手なので、彼は今回の機会に値する努力をしてきた。
小林(賢太)は優秀なPRですが、ハードワークしないと自ら学んで、今回の機会を得た。HO佐藤(健次)も同じように、才能あふれる選手だが、ジャパンに入ってきてからめまぐるしい変化を見せた。特に取り組み姿勢が変わって、原田も努力家ですが、原田よりまず先にグラウンドに出て、スローイング練習するなど取り組み姿勢の成長が見られています。
――カナダ代表戦ではどんなラグビーをして勝ちたい?
ジョーンズHC まずはカナダ代表をしっかりリスペクトしないといけないと思っています。アメリカ代表に良い勝ちを得て、それは予想外だったと思うが、新しいコーチが入って、ハイレベルのコーチングの経験が高く、カナダらしいスタイルを確率していると思います。
我々はジャパンらしいプレーをしたい。フィジカルに速いスタートをしたい。そして中盤くらいにテンポを変えて、試合の状況を見て展開を変えていく。そして強いフィニッシュをしたい。相手に対して挑みたい、仕掛けにしきます。
ワーナー 特にフィジカリティーを意識して、自分たちのテンポで、最初の20分、速いスタートをしたい。その後、どう戦うか、リーダーたちと話したい。とりあえずフィジカルにいきたい。