2月15日、16日、神奈川県スポーツセンターでは第25回関東高校ラグビー新人大会が行われた。16日は決勝と3位・4位決定戦の2試合が行われ、決勝では花園優勝を果たした桐蔭学園が県大会予選決勝で引き分けた東海大相模と対戦し、26‐19で勝利し2大会ぶり13度目の優勝を飾った。
決勝戦のメンバーは以下のとおり
東海大相模
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1 阿部太飛(2)
2 中村悠稜(2)
3 吉田虎太郎(2)
4 笹部隆毅(2)
5 黒須樟(2)
6 亀井丈一郎(2)
7 田村駿介(1)
8 細田大和(1)
9 須永健心(2)
10 市村旅人(2)
11 黒木瑛大(1)
12 青野龍樹(1)
13 久下蒼介(2)
14 福岡遼(2)
15 大矢凱(2)
16 小川原樹(2)
17 平澤優大(1)
18 伊丸真生(2)
19 河野礼旺(1)
20 大島涼介(2)
21 志田葉(2)
22 浅香奏大(2)
23 福井陵太郎(1)
24 中田直(1)
25 丸山旦(1)
桐蔭学園
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1 田邊隼翔(2)
2 堂薗尚悟(2)
3 喜瑛人(2)
4 吉田頼生(2)
5 堺史道(1)
6 長尾峻(2)
7 前鹿川雄真(2)
8 足立佳樹(2)
9 竹内楓稀(2)
10 竹山史人(2)
11 西本友哉(2)
12 坪井悠(2)
13 古賀啓志(1)
14 鈴木豪(2)
15 曽我大和(1)
16 田中徹郎(2)
17 木俣蒼司郎(1)
18 山中綜一郎(2)
19 大塚一輝(1)
20 毛利幸太(2)
21 金野悠生(1)
22 瀬戸功大(1)
23 金子禄(2)
24 田代拓大(2)
25 髙凛太郎(1)
初めにチャンスを迎えたのは桐蔭。前半2分、キックの蹴り合いからFB曽我大和(1)の蹴ったボールが伸びて50/22が成功。桐蔭がラインアウトからフェイズを重ねると相模がノットロールアウェイのペナルティ。SH須永健心(2)がクイックでリスタート。桐蔭がBKに大きく展開するも、相模がパスカットに入りノックフォワード。この試合のファーストスクラムを迎える。
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SH竹内楓稀
桐蔭がスクラムペナルティを獲得すると速攻を仕掛ける。今度はFWでフェイズを重ね4分、3 喜瑛人(2)がゴールポスト横にトライ。12 坪井悠(2)のゴールも決まり桐蔭学園が7-0と先制する。
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前半4分・桐蔭PR喜瑛人が先制トライ
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坪井悠のゴールも決まる
9分、桐蔭は相模のペナルティから敵陣に入ると、ラインアウトモールから右サイドに抜けたFL 長尾峻(2)がトライ。ゴールも決まって14-0とリードを広げた。
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堂薗尚悟
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前半9分桐蔭・FL長尾峻がトライ
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桐蔭が連続トライでリード
13分、相模は敵陣10m付近でボールを奪いペナルティを獲得するとタッチに蹴り出しチャンスを迎える。14分、ゴール前のラインアウトから相模がフェイズを重ねるも桐蔭ディフェンスが上回り相模がノックフォワード。チャンスをのがしてしまう。
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スクラムでは桐蔭学園が優位に進めた
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FB曽我大和のロングキックも効果的だった
直後のスクラムで桐蔭はスクラムペナルティを獲得するとハーフウェイ付近までエリアを挽回。ラインアウトのボールは乱れるも桐蔭がキープ。キックを蹴り込もうとするが相模がキックチャージ。再び桐蔭にボールが入るが、モールパイルアップで相模ボールのスクラムに。
相模はボールをキープしきれ桐蔭が15m付近でのラインアウト。ノットストレートで相模にアドバンテージ。相模が左サイドへ展開し、アドバンテージが解消。再び桐蔭がアタックをしかけ敵陣22m内側に入ると相模がノットロールアウェイのペナルティ。桐蔭が再び敵陣ゴール前でのラインアウトのチャンスを迎えるもノットストレート。
相模ボールのスクラム、桐蔭がプレッシャーをかけてスクラムペナルティ。タップからリスタート。FWで近場を攻めて1 田邊隼翔(2)がトライ。19-0とリードを広げた。
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相模SO市村旅人のキックパス
前半終了間際、桐蔭のキック処理ミスから相模が敵陣に入ると、30分、敵陣ゴール前スクラムから13 久下蒼介(2)がトライ。10 市村旅人(2)のゴールも決まって19-7として前半を折り返した。
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前半終了間際、相模CTB久下蒼介がトライ
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市村旅人のゴールも決まって前半終了
後半、桐蔭がキックボール処理をミス。ピンチを迎えるが相模が攻めきれずスコア動かず。
後半11分、相模はハーフウェイ付近でペナルティを獲得すると一気に敵陣深くへ入りラインアウトのチャンス。モールを押し込んで前進。桐蔭はPR喜にイエローカードがだされ、相模にはペナルティトライが与えられ19-14。
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後半11分相模がモールを押し込みペナルティトライ
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桐蔭PR喜瑛人にイエローカード
桐蔭には嫌な流れとなるも、20分、桐蔭SO竹山史人(2)が自陣ハーフウェイ付近でパスをインターセプト。そこから50mを走りきりトライ。FB曽我大和がゴールを決め再び26-14とリードを広げた。
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後半20分SO竹山史人がパスをインターセプト
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竹山史人が50m走りきりトライ
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桐蔭学園には流れを引き戻す貴重な追加点に
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曽我大和のゴールも成功
追いかける相模は直後のキックオフからディフェンスでペナルティを獲得。敵陣深くに入りチャンスを迎える。12点差をひっくり返すためには確実にスコアにつなげたい局面。ラインアウトからボールをキープした相模はフェイズを重ね攻勢をかけると桐蔭がオフサイドのペナルティ。
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久下蒼介
相模はラインアウトからトライを狙いにいくが、ここは桐蔭のディフェンスが勝り相模がノックフォワード。決定機を逃したかと思われたが、直後のスクラムから桐蔭が右サイドへ展開したところ、ラッシュディフェンスで桐蔭をタッチ外に追い出し再びラインアウトのチャンス。
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後半終了間際、相模CTB青野龍樹がトライを決める
ボールをキープして相模がフェイズを重ね、最後は12 青野龍樹(1)がタックルを受けながらも左隅にトライを決め26-19と食い下がるもそこまで。桐蔭学園が26-19で東海大相模に勝利し優勝を飾った。
以下6校が3月に行われる選抜大会出場を決めた。
1位 桐蔭学園
2位 東海大相模
3位 國學院栃木
4位 茗溪学園
順位決定戦 目黒学院、流経大柏
桐蔭学園 藤原秀之監督
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藤原秀之監督
1月9日がスタートで、やっと1ヶ月経ちました。まだ(いろんな場所を)訪問中で、パーティーもあるし、まだまだこれからですよね。1ヶ月以上遅れながら、メンバーも替えながらやって、なんとなく見えてきたかな。お互いケガ人がいて、もう少しBKが戻ってくると思うし、FWがもう少しやれるかなと思います。でも(國學院)久我山、流通経済大柏、(國學院)栃木と3つ良いチームとやれて、それが決勝に出た。
――県の決勝からメンバーを替えましたが
LOも替わったし、BKも組み替えしたし、もう少し2年生のBKがいるので、帰って来たらもう少しまともになるかなと思います。まだテクニック的に低いのでキャッチ、パスができないので、選抜までやりこむ感じですかね。体は4試合やってだいぶ当てることができてきたので、もう少し踏み込んでほしい。ここはキックだよね、パスだよねと考えていることとやることがズレていた。1ヶ月だと合わないので修正しないといけない。ハーフ団も替わる可能性もありますね。
――後半、SO竹山選手のトライが大きかったが
あれはラッキーでしたね。見ていたと思います。県の決勝はSHでしたが、SOの方がいいかもしれない。(昨季の花園は)ケガでした。メンバーに入る力はありました。
――花園3連覇がかかる今季のチームは?
スケールが小さいですよね。そんなに甘くないし、そんなことを考えていない。今年のチームでどこまでできるか。
――県決勝で引き分けて、関東新人で勝ち切ったことは
前半は気合い入っていたが、シンビンもあって後半、ちょっと受けてしまったのは相手の力ですよね。でも、こういう試合を拾えるのは大事で、こういう経験は大事です。啓光(学園)、東(福岡)もそうでしたが、強いチームはどんな状況でも(勝ちを)拾うので、拾えるチームになりたい。相手は2ヶ月アドバンテージがあったので、やっとこっちが追いついた感じですね。1位チームと4つできたのは(経験値は)大きいですね。
いろんなメンバーがいないが、昨季は経験値のある圧倒的な第3列がいたので。今季はまずFW第1列、そして3列もタックルがいけるようになってきた。あとはLOですかね。最後の2試合はLOを固定しましたが、もともとはFLをLOとして起用したりした。後ろ(2本目)のフロントローも使える。BKはこれからですね。一大会ずつ、2年生の主力、できそうな(BK)選手が1人ずつ戻ってくる感じですかね。このままでは厳しいですね。
桐蔭学園 堂薗尚悟キャプテン
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堂薗尚悟キャプテン
今大会は2位通過ということで、相手は1位になるのですべての試合が厳しい試合になると思っていました。体が小さい分、自分たちから体を当てていこうという話をしていました。
(相模と)引き分けた後、去年の59期の先輩たちが練習してくれたりとかして、アドバイスをいただいたりサポートをしてくれました。自分たちとしてはここの試合をターゲットにしてやってきたので、まずは今日一勝できたのかなと思っています。
ーー今日の試合のテーマ
自分たちから1 vs 1にこだわって、相模さんの大きな体に対して低く当たりに行くということを意識してやりました。
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桐蔭の低いタックルが突き刺さる
ーーチームが始まってまだ1ヶ月くらいですが、どうですか?
自分もそうですし、本当に軽いプレーでミスしてしまったりというのが多いので、そこを3月22日に行われる選抜大会に向けて、改善点を修正してあと1ヶ月弱ですが、選抜大会に挑んでいきたい。今日は自分が全然安定していなかったので一番の反省点です。
ーー全国優勝を経験している、連覇を経験しているものとして感じること
強い代しか知らないので、まだ負けを知らないというところで、そこが足元をすくわれるところだったりしてしまうので、まずは優勝も目指していますけど、一戦一戦目の前の一戦に集中して取り組んでいきたいです。
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堂薗尚悟キャプテンの第60期の一年が幕を明けた
ーー3連覇と言われると思いますが
それは周りが勝手に言っているので、自分たちの代で優勝する、ということだけを意識してやっていきたいです。
ーースローガンは決まりましたか?
まだ決まっていないです。
ーー今年のチームはどんなチームですか?
いろんな個性があると思います。本当に仲いいし、去年と違った色でそこは強みになってくると思います。
ーーリーダーは?
BKは坪井悠と、FWが前鹿川雄真です。
東海大相模 三木雄介監督
相手に受けてしまったというのが一点と自分たちが強みとしていたスクラムのところでうまくレフリーとマッチング、アジャスト出来なかったところが波を逃してしまったところかなと思います。そこを桐蔭さんはしたたかにやっぱりゲーム巧者ですね。
(県予選からは準備の時間は)ほぼないです。桐蔭さんに向けて特に準備はしていないです。コンタクトバトルから逃げるな、どっちが上か、コンタクトで白黒つけなさい、君たちは強いということを証明しようと言ってピッチに送り出しました。
(県予選の結果は自信になっている)そうですね。自信がなかった学年なので自信になったというのは一つあるんじゃないかなと思いますね。
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(今年のチームの特徴は?)キャプテンがいなかったのでそういった点では、キャプテン代行の中村が一生懸命引っ張ってくれたり、後半3番に入った伊丸真生(2)がFWリーダーやっているんですけど彼らが中心になって改善してくれていますね。
(花園に向けては)FWに大きいサイズの子たちがいるので、サイズアップを図りながらまだまだ足りないところもありますし、戦術的なところも全然落とし込みしていないので、1つ1つ去年の代を超えるように準備したいですね。
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中村悠稜キャプテン代行
(どういうチームに仕上げていきたいかイメージは?)まだまだ未知数ですね。どこが伸びていくかはこちらも楽しみですね。今日はBKが足を引っ張りましたね。勝たせてあげなきゃいけないのに。9、10、15で足を引っ張っちゃったなという感じです。そこはもう1回やり直しですね。
新チームができた11月から彼らは日本一を目指すということを決めて、それにチャレンジしているんで、まだ方法論までは詰めていないですけど、目標は一つなので追い求めていきたいですね。
(メンバーについては)キャプテンが戻って来るので、またもう1人FWにもけが人がいるので、彼らが戻ってきてどう変化できるかというところですね。