8月25~27日かけて、女子セブンズ日本代表候補選手たち6人が埼玉・熊谷で合宿をしている(8月、代表候補選手たちは2グループに分かれて週ごとに合宿中)。26日、現在、合宿している選手のひとりであるバティヴァカロロ ライチェル海遥(ARUKAS KUMAGAYA/セコム株式会社)がオンラインで取材陣に対応した。
――自粛期間中はどんなトレーニングをしていたのでしょうか?
代表活動が3月末に終了して、約4~5ヶ月くらいは、所属のアルカスに戻ってトレーニングしていました。所属に戻った最初の2ヶ月くらいは制限があって、施設が使えないとかあった。近くの公園に行って、トレーニングパートナーと2人組のペアになって、(アルカスの)チームメイトの田坂藍さんと一緒にトレーニングしていました。
(2人組のペアでは)人数が少ないこともあり、コンタクトしてはいけいので、スキルだったらパス、アタックとディフェンスのアジリティ、あとはスプリントのトレーニングといったように、結構、細かいカテゴリーに分けてトレーニングしていました。ウェイトトレーニングは(所属チームの)施設が使えなかったので、自宅にチームの器具を運んで設置し、家の中をジムのようにして、ベンチや懸垂をやっていたりしました。
――妹(バティヴァカロロ・アテザ優海)さんと練習をしていたりしていたのでしょうか?
妹は立正大学の宿舎に住んでいるので、住んでいるところも別々ですし、自粛になってから制限が解けるまで会えることができなかった。久しぶりに会えたときは嬉しかった!
――大学の卒業論文の内容は?
私の所属している学部は地理学部で、回りの人たちは地理に関することを研究して発表していたりしたが、私は発展途上国におけるスポーツの存在意義みたいな形で、発展途上国の子たちがスポーツをどういうふうに捉えているかなどの論文を収集してまとめたりしました。カンボジア、ミャンマー、シンガポールの、ラグビーには関係ないですが、陸上とサッカーを取り上げました。
スキルトレーニングがメイン。テンポの速いラグビーを目標に。
――今回の合宿でどんな練習をしているのでしょうか?
今、代表活動は2グループに分かれていて、後半組はかなり少ない人数で行っています。練習の強度ですが、まだディフェンスをつけての練習ができないので、ディフェンスをイメージしてフラッグを立てた状態で、スキルトレーニングがメインですが、目の前にいるディフェンスをイメージして、ハンドリングスキルとか、サクラセブンズはテンポの速いラグビーをやっていくことを目標にしているので、相手と近い距離の中でも精度の高いパスや判断とか細かいところをやっています。
――今年、立正大学を卒業し、セコム株式会社に入社しました
セコム株式会社の西関東本部の所属で熊谷支社にいます。今は、週3回職場に行って、熊谷で生活しています。仕事の内容はデスクワークがメインで、図面を作ったり 見積を作ったりしています。あとセキュリティ会社なので、実際にカメラが何個あるかとか在庫調べもやったりしています。
――東京五輪が1年延期したことに関しての思いは?
オリンピックが1年延びたと発表されたときは、正直、驚いたこともあったが、1年伸びたことで何かやることに変わりなくて、準備期間が1年延びたと捉えました。ただ、もうちょっとはやく再開できると思っていたので、ここまで長くなってしまって代表のメンバーとはやく会いたくてうずうずしていたこともありました。今、代表の合宿が再開して、今まではそれが普通だったのですが、今、この環境に感謝しないといけないなと改めて感じました。実際、メンタル的にもいろんなことに対してポジティブに捉えられるようになりました。そういう風に考えられて、今、チームメイトと会うことができて、今は楽しみと、はやくみんなと試合がしたいなという気持ちです。
――メンタル的にポジティブになることができたきっかけはあったのか?
自粛期間に入って、今まで、所属先でも代表活動中でも、かなり多いメンバーで活動していたので、実際に2人一組のペアになったときに、自分たちでトレーニングのプランや目標設定をしないといけなくなったとき、自分自身、今までいろいろ考えながらトレーニングしていたつもりだったが、もっと自分自身を追求していかないといけないと気づけた。そういった気づきを自粛期間にすぐに感じられたときに、ポジティブに捉えられるようになりました。
ベーシックなスキルを底上げするために今できるスキルトレーニングを徹底的に行う
――まだまだ新型コロナウィルスの感染者が多い中、1年延期された東京五輪に向けて不安はないのか?
感染者数が減っていない中で(代表)活動が再開しましたが、トレーナーの指導のもと 水飲む前の手指消毒とかやっていますが、いつコロナに選手が感染してもおかしくないので、いつも不安と隣り合わせでやっているのが正直なところです。チームで言い合っているのは、いつもの癖で練習中に寄ってくるので、両手を挙げてソーシャルディスタンスを徹底するということをコロナに関してはやっています。
実際、先のことは私たちにはわからないことなので、オリンピックに向けて、今、かなり制限がかかっていますが、今できることをしっかり一つひとつ、小さな積み重ねではあると思いますが、やっているという感じです。
――「サクラセブンズははやくボールを動かすラグビーを目指している」と言っていましたが、それをもっと実現するために、チームや個人として取り組んでいることはありますか?
チームに関しては、今までもアグレッシブなラグビーというのを掲げていた部分もあったが、大事なところで細かいミスが出てしまったりしたので、ベーシックなスキルを底上げするために、自粛期間を経て、今、かなり制限がかかっている中、スキルのトレーニングはできる部分ので、今はそこを徹底してやって、積み重ねていくという状況です。
私自身は、アナリストの方にゲームでのスタッツとかを出していただいて、一試合の中での突破というのはいくつか見られると言っていただけるが、14分の中の仕事量はもっとレベルアップができるところだと思うので、いろんなシーンに食い込んでいくというか、もっと自分自身の仕事量というのを増やすために、S&Cの部分はもちろんですが、ゲームをもっと理解するという部分は今、準備ができると思っています。