今年の早稲田の命運はハーフ団が握っている―筑波大戦で見たキックによるゲームコントロール | ラグビージャパン365

今年の早稲田の命運はハーフ団が握っている―筑波大戦で見たキックによるゲームコントロール

2016/10/07

文●斉藤健仁


10月2日(日)、東京・秩父宮ラグビー場では関東大学対抗戦の注目の一戦、早稲田大対筑波大が行われた。

今シーズンから山下大悟監督が就任した早稲田大にとって、接点に強みを持つ筑波大戦は「序盤のヤマ」とターゲットにしてきた試合だった。

一方の筑波大学は9月18日に慶應義塾大に20−28で敗戦しているだけに、今年から1枠減って対抗戦は4校しか出場できなく大学選手権出場のためには負けられない戦いだった。

結果を先に書くと、早稲田大学が46−12で快勝。しかも前半は早稲田大が4トライを挙げて24-0で折り返したことが勝負を決めた。

早稲田大学の山下監督が「(1年生)ハーフ団が予定通りやってくれた」と言えば、筑波大の古川拓生監督が「早稲田大の1年生ハーフ団のエリアマネジメントで自陣に釘付けにされて、対応するのに時間がかかってしまった」と悔しそうな表情を見せた。

その早稲田大の1年生ハーフ団とは、昨年度の花園の決勝のファイナリストだった2人、桐蔭学園出身のSH齋藤直人と東海大仰星出身のSO岸岡智樹であった。

 

開始1分、相手のキックオフのボールを自陣22mあたりから早稲田大のSH齋藤がラックからハイパント(相手の10mラインあたりを狙っている)。そのボールを追うのは186cmで空中戦に強いLO加藤広人(3年)、そして快足WTB本田宗詩(4年)だった。もちろん、筑波大のFWの戻りが遅いという分析も考慮していたはずだ。

2人で相手にダブルタックル。もちろんターンオーバーを意図したプレーである。もしボールを奪い返すことができなくても、ラックでの球出しを遅らせて、前に出るディフェンスで相手にプレッシャーをかけることを狙っている。

また、一般的に10mからハーフウェーラインの間からの攻めは、ランもパスもキックも可能で判断が難しいと言われている。実際、筑波大は、早稲田大のプレッシャーもあり、ハイパントをキャッチした後、有効なアタックはできていなかった。

前半9分には、再び、SH齋藤が再び22mライン上からハイパントを上げて、加藤と本田の2人がプレッシャーをかけた後のディフェンスで見事に、相手のノックオンを誘った。17分も同様にプレーがあった。

 

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