岸岡智樹ラグビー教室、全国47都道府県制覇。28歳リーグワン現役SO異色の挑戦は次のステージへ | ラグビージャパン365

岸岡智樹ラグビー教室、全国47都道府県制覇。28歳リーグワン現役SO異色の挑戦は次のステージへ

2025/09/12

文●大友信彦


ラグビーリーグワン・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ所属の岸岡智樹が、コーチング機会の「地域格差の是正」を目指して2021年から全国を巡回して続けてきた「岸岡智樹 ラグビー教室」が6日、東京都足立区の舎人公園陸上競技場で開催された東京教室で、全国47都道府県での教室開催を「完成」させた。

この教室は、「子供たちがコーチングを受ける機会の地域格差を是正したい」「現役選手である自分の価値を活かしたい」と考えた岸岡が、コロナ禍でラグビーをはじめ多くのスポーツが動きを止めていた2020年に発案した。

「最初は2020年、コロナで大阪に帰っていた時に『子供たちのラグビー教室を開きたい』と考えて、手伝ってくれる人をSNSで募集したのが始まりでした」

当時は早大からスピアーズに加入して1年目。しかもコロナ禍ですべての動きが止まっていたときに始めたとは驚くべき行動力だが……本人の感覚は違っていたようだ。

47都道府県達成となった東京教室の参加選手たちと

47都道府県達成となった東京教室の参加選手たちと


「コロナ禍だったからかえって始めやすかったかもしれないですね」

密閉、密集、密室の「三密」は厳禁。不特定多数が集まるなどもってのほか……東京五輪が延期されたのをはじめスポーツイベントは軒並み中止・延期に追い込まれた。自粛・延期を促す同調圧力が世界を覆っていた。何かをしたいと言い出したら猛攻撃を浴びるような社会の空気のもと、公共団体であるラグビー協会や大企業のチームは身動きが取れず、様子見に徹していた時期。「何かしたい」と腰をあげる個人は、同じ気持ちの人たちから歓迎された。

最初は故郷の大阪で、母校の東海大仰星がグラウンドを提供して開催が実現。当初は2部構成で実施する予定だったが、参加希望者が想定よりも多く集まり、4部での実施となった。SNSでの協力者募集の呼びかけにも多くの人が反応。協力を申し出てくれた人の中には面識のない仰星の先輩もいた。1年目はスタッフ5人体勢でスタートしたが、日本代表のスポンサーでもある大正製薬(株)が趣旨に賛同。暑い時期のアカデミー開催に、熱中症対策としてラグビー日本代表公認ドリンク「リポビタンアイススラリー」を提供するなどサポートを得た。

参加者には熱中症対策として大正製薬(株)提供のリポビタンアイススラリーが配られた

参加者には熱中症対策として大正製薬(株)提供のリポビタンアイススラリーが配られた


「最初は『なんで僕らが協賛なんてしてもらえるの? 何のお返しもできませんよ…』と思いました。でもサポートしていただけたということは、僕らの試みが企業の価値向上にも貢献できたということなのかな」

チャレンジは続いた。

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