菅平合宿2日目、エディーHC「この合宿はセレクションキャンプ」 | ラグビージャパン365

菅平合宿2日目、エディーHC「この合宿はセレクションキャンプ」

2025/06/05

文●編集部


4日から菅平で合宿をしているJAPANXV。2日目となる5日、阿部崇人(横浜キヤノンイーグルス)とエピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ)は参加せず、35名でトレーニングを行った、代表初招集の選手も多いため、アタック、ディフェンスのシステムの確認に時間をあてていた。練習を終え、エディー・ジョーンズHCが取材に応じた。

――合宿2日目、どんなところに重点を置いて練習しましたか?

まずは、アタックとディフェンスシステムを導入したいと思っています。今朝は新しい選手たちが来たので、全員が同じ画を見られるようにというセッションを行いました。



――2年連続の菅平合宿となりますが、改めてこの菅平の練習環境というのは?


ぜひ、一度この景色をご覧になってみてください。トレーニングには絶好の環境です。施設もピッチの状態も良く、ホテルも素晴らしいです。この時期は天候も素晴らしいので、最高のコンディションです。

――ヘッドコーチにとって菅平っていうのはどういった場所でしょうか


菅平は、日本のラグビーの、精神的なホーム、聖地だと思います。ラグビーをする子供たちは、ほぼ全員が中学、高校時代に一度は菅平を訪れます。彼らにとって、菅平はラグビーを成長させる場所なのです。


――もうしばらく この合宿は続きますが、どんなものにしていきたいのか?


セレクションキャンプです。選手たちをテストしています。最終的に日本代表へ残れる選手をテストしています。ここには 35 人がいますが、おそらくさらに 15 人がリーグワン の決勝戦と3位決定戦に出場した選手たちから選ばれます。35人に15人を加えても35人にはなりませんね。つまり、選考のためのキャンプですね。


――セレクションのところですけど、今後に向けて選手には説明したのですか?


セレクションキャンプであるということを選手たちは理解しています。毎日、彼らのパフォーマンスが見られているということも選手たちは理解しています

ウェールズ戦ではリーグワンで経験したブレイクダウンよりも30%強度が上がる

――決して多くの選手が宮崎に行けることはないと思うんですけど、どんな姿を見せてほしい?


ウェールズ戦での戦術の基礎を固めています。そして、その戦術を遂行できる選手を募集しています。4週間後にウェールズと対戦するとき、ブレイクダウンは厳しいものになるでしょう。今シーズンのリーグワンで彼らが経験したブレイクダウンよりも、30%は強度が上がるでしょう。そのエリアをやっています。


――今後、海外に挑戦する選手たちに関してもウェールズ代表戦はプレーできる見込みなんですね。


はい、全員選考対象です。

ファカタヴァ・アマト

ファカタヴァ・アマト


――NZU、ホンコン・チャイナ戦には、リーグワンの経験値の高い選手も使ったような印象がありますが


いいえ。香港の試合を見ると、彼らは270キャップ、私たちは7キャップでした。つまり、この試合にはまったく経験がなかったのです。それは今後のJAPAN XVの選考に入ってくるような選手たちを使った試合でした。

――今シーズンは、12月のワールドカップのプール分けがすごく大事です。結果を残さないで、12位以下になるとプールで不利なところに入ってしまうと思います。去年はチャレンジングな年だったかもしれませんが、今年は結果も求められると思います


結果というのは常に大切です。日本代表のラグビーというのを作り直していかないといけないという状況です。他の方法はないと思っています。まだそれができていません。ご存知のように、2023年のワールドカップでは、日本代表はかなり年齢層の高いスコッドでした。そこで、私たちは残っていた選手のなかから、最高の選手たちを選びました。今年も今の選手の中からベストな選手を選びます。

中野将伍

中野将伍


――去年は新しいJAPANのゼロからスタートしたと思うんですけど、今はどの辺まで来てますか? 今年はどこからスタートできるのか?


若いチームとして、大きな飛躍を遂げたいと思っています。ですから、今年私たちが達成したい大きな目標のひとつは、トップ 10 に入るチームに勝つことです。そしてトップ10に入りたいと思っています。

日本は2019年以来、トップ10のチームに勝てていません。そのため、それを成し遂げられるチームを編成したいと考えています。そして、それが実現すれば、選手たちは自信をつけて、より強い信念を抱くようになり、チームはより早く成長します。そのためには、日本の強みを活かす必要があります。つまり、新たな強みを創造する必要があります。

――ディフェンスは誰が指導するのか、今後ディフェンスコーチは誰がやるのか


ちょっと今プランがありますが、ただまだ公式で言えることはないです。


――新しいコーチが来る?


さきほど言ったように予定の段階なので言えません。今まだ日本代表じゃないので、代表のフルスタッフがここに来ているわけではありません。

浦安ではなかなか出場機会が少なかった竹内柊平

浦安ではなかなか出場機会が少なかった竹内柊平


――ウェールズの前にJAPAN XVとマオリAbsとの試合があって、この試合はウェールズ戦の準備のために使うのか、それともある程度今いる菅平の選手も多く使うのか。どういう位置付けなのか?


ウェールズ戦への準備に使います。マオリABs戦まで2週間しかありません。その時間を最大限に活用したいと思っています。ウェールズと対戦する選手たちの中で、試合出場が必要な選手たちがいるなら、マオリABs戦に出場させます。練習が必要な選手ならトレーニングにあてます。

――その上でこの今の菅平にいる選手の中で伸びてほしいポジションは?


今回はまだ1回しかセッションをしていないので(この選手とは)言えませんが、U23とJAPAN XVの選手たちとのトレーニングでの収穫で、確かに日本のレベルが向上したということです。

北村瞬太郎と伊藤耕太郎

北村瞬太郎と伊藤耕太郎


現在9番の選手を見ても、齋藤がいますし、リーグワンで素晴らしい活躍をした藤原がいます。本当にリーグワンで素晴らしい活躍でした。ここには北村がいますし、土永がいますし、福田もいます。

つまり、質の高いハーフバックが5人いるということです。タイトヘッドには、竹内、為房、ヘルがいます。サントリーから来た若手の木原がいます。これで質の高いタイトヘッドが4人います。

フッカーには原田、江良、坂手、佐藤がいます。昨年は スコッドに層の厚さがなかったのですが、U23とJAPAN XVのメリットは、日本代表でプレーするポテンシャルを持つ選手を発見できたことです。そして今、彼らがどれだけ努力するかが鍵です。

しかし、私たちはより良い層の厚さを築き始めています。ですから、私はJAPAN XVの試合、特にマオリ・オールブラックス戦を言及したように、選手が必要であればゲームタイムを増やし、それ以外ではトレーニングを積んで、日本のラグビーの層の厚さをさらに強化していくことが重要です。


それから、私が残念に思ったのは、リーグワンのベスト15に日本人選手がたったの1人しかいませんでした。それが、私たちが直面している問題です。選手たちに、プレーするための十分な経験と、高いレベルでプレーするための十分な実力を身につけさせることです。

リーグワンの選手ではないことや、リーグワンでプレーしていない状況や、そしてリーグワンのトップ選手ではない状況と、テストレベルで成功する選手になるまでには大きなギャップがあります。

しかし、先ほど申し上げたように、少なくとも今はいくつかのことを構築し始めています。

――ヘッドコーチから見て、昨シーズンの日本代表に欠けていると思われた力は何なのか。菅平合宿で発掘したい選手の能力は


タフで明日に向けて野心を持っているような選手を探しています。


――ワールドカップでベスト4を目標に掲げていらっしゃいます。それを山登りに例えるとすれば、今、何%まで到達したと考えていらっしゃいますか?


私たちは、まさに一番下からスタートしています。一度勢いに乗れば、すぐにスピードアップします。ですから、どこからスタートしたかは問題ではなく、最後まで走り抜けることが最も重要です。2015年を見ると、それまで24年の間ワールドカップでは1試合も勝てませんでした。それで、(2015年に向けた)最初の年は1試合も勝てませんでした。2年目はウェールズ代表に勝利しました。それから勢いに乗りました。

このチームが全く同じだとは言いませんが、私たちは始める必要があります。努力し、築き上げ、深みを増し、最終的に突破口を開く必要があります。私たちは、プレーするのが難しく、相手もプレーするのが難しいラグビーをしたいと考えています。なぜなら、私たちは身体的な不利を有利に変える必要があるからです。そして、それには選手たちの努力が必要です。私たちは今、そのような選手を探しています。

――ブレイクスルーという意味では、2年目でウェールズ代表とまたやるというのは、運命的なものを感じているのか。


自分でも感じています。日本語でなんというの?運命? 私たちが良いプレーをすれば倒せる相手だと思います。ただ、向こうも必死です。今何連敗でしたっけ?17連敗?彼らは必死にくるでしょう。

彼らは若いチームと若いコーチ陣です。失うものは何もありません。(ウェールズからは)ライオンズツアーには 2 人しか選手が選ばれていない。素晴らしい試合になるでしょう。私たちの現状を試す良い機会になるでしょう。


私たちは現実的なアプローチを取ります。彼らは12位、私たちは13位です。彼らは若いチームです、私たちも若いチームです。良い戦いになるでしょう。マオリ・オールブラックスとの試合はそのための層を厚くすることが目的です。100%の準備をします。

石田吉平

石田吉平


――マオリ戦はここにいるメンバーから行くかそれともトップ4からの選手も何人か


先ほども言ったように、もっと試合に出る時間が必要だと感じた選手は試合にだしますし、あるいは、ただトレーニングの時間が必要だと感じた場合はトレーニングに集中させます。例えば、ここには、ここ6週間で100分ほどしかプレーしていない竹内のような選手がいます。彼は、ウェールズと対戦するチャンスを得るためには、プレーする必要があります。


――SH齋藤直人とタタフは?


(齋藤)直人は体調も良く、プレーできる状態にあるので、出場するチャンスはあると思います。しかし、テヴィタ(・タタフ)の出場は難しいでしょう。そのため、彼は選考対象外です

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