豪州代表ジョー・シュミットHCが語る日本戦の意味「13人の先発変更にはリスクがあるが、選手層に機会を与えることが重要」 | ラグビージャパン365

豪州代表ジョー・シュミットHCが語る日本戦の意味「13人の先発変更にはリスクがあるが、選手層に機会を与えることが重要」

2025/10/24

文●編集部


23日、日本代表とのテストマッチに挑むオーストラリア代表のメンバーが発表。ジョー・シュミットHCが会見に応じた。

オーストラリア代表 ジョー・シュミットHC

――日本代表戦は長い欧州ツアーの準備段階においてどのような位置づけになるのか?

我々はすでに(今年)10試合のテストマッチを消化しており、その中にはブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズのような強豪チームとの3試合、ラグビー・チャンピオンシップ、そしてフィジー代表のような非常にフィジカルなチームとの対戦も含まれています。

ですから、ある程度の疲労は蓄積しています。ラグビー・チャンピオンシップ終了後、ここへ移動する準備のために集合するまでの休みはわずか9日間でした。

――今週末の試合のキャプテンにニック(チャンピオン・ド・クレスピニー)選手を指名されましたが、その理由と、もし可能であればお話しいただける範囲で、その選択がチームにとってどのような意味を持つのかをお聞かせいただけますか?

ニックは過去に大学のキャプテンを務めております。ウェスタン・フォースでは副キャプテンとして、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ戦に臨んでおります。ですから、最近のリーダーシップ経験がある。彼は我々のリーダーシップチームの一員です。ジェレミー・ウィリアムズとルーカン・サラカイア=ロトがラインアウトを担当し、ニックを強力にサポートします。また、ジェイク・ゴードンとタネ・エドメドがワラターズでともにプレーし、数試合を戦ってきた経験からニックを大いにサポートするでしょう。

――日本代表は、かなり若いメンバーで臨むようですが

経験豊富な選手も何人かいます。私がよく日本代表の試合で目にする選手たちです。オーストラリア代表選手たちによく知られているのは、オーストラリア出身の元選手たちでしょう。FLベン・ガンターが選ばれたと思います。CTBディラン・ライリーも定期的に出場されているようです。(LOジャック・)コーネルソンや(LOワーナー・)ディアンズもレギュラーですが、(FL)下川(甲嗣)のような非常に優秀な選手もいます。

SH藤原(忍)も非常に良く、SO李承信もまた非常に素晴らしいです。彼らは一定期間一緒にプレーしてきたため、連携もスムーズです。(竹内)柊平選手はタイトヘッドプロップとして非常に優れたアスリートです。ボールを持って走るのが大好きなので、日本代表チームには多くの脅威が存在します。彼らはフィジー代表に肉薄し、フィジー代表もまた我々に迫りました。

――まだ経験の浅いSOエドメドが10番として先発します

自信と推敲力を高め続けることが重要でしょう。彼のキックゲームは強力で、パスゲームも優れています。守備面では非常に勇敢です。そしてチームを率いる役割を成長させつつあり周囲の期待に応えていくでしょう。

――任命した5人のキャプテンがそのうち4人がバックロー出身です。このポジションに何か特別な理由があるの?

フロントローの選手も何人か起用してきました。ジェームズ・スリッパーやアラン・アララトアなどです。しかし、それだけが理由ではありません。むしろ、ジェイク・ゴードンは復帰後、実質1試合しか出場しておらず自身のプレー確立に集中している状況です。一方、ニックは毎週着実にチームに貢献し続けており、先ほども申し上げましたが、彼は元々リーダーシップグループの一員です。

したがって彼へのキャプテン就任は自然な流れでした。特にジェレミー・ウィリアムズ、ルーク・サラカイア・ロトがラインアウトを指揮し、ジェイクとタネがチームを統率する体制を考慮すればなおさらです。ニックは行動で示すリーダーであり、可能な限り戦いの最前線に立つことを望んでいるでしょう。つまりポジションよりも、彼らがチーム内で占める立場、そしてリーダーシップグループの一員であるかどうかが重要で、テストマッチの週末にチームを率いる役割はリーダーシップグループ外の者を任命するよりも、自然に(リーダーシップグループ内の)彼に委ねられるのです。

――バックラインについて、新しい組み合わせについて。特にCTBコンビについて教えてください。

これは何よりもエナジーのマネジメントの問題だと思います。ジョセフ=アウクソ・スアリーは既に我々にとって非常に大きな役割を担ってくれています。そしてこれから5週間で、5試合のテストマッチが控えており、非常に激しいラグビー・チャンピオンシップ6試合すべてで最終盤まで優勝争いを繰り広げた状況があり、さらにその前にはブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズとの3試合のテストマッチがあり、全員を(欧州遠征の)最終戦まで持たせようとしている意図があります。

昨秋、アイルランド代表戦の後半戦に至った頃には、選手たちの意欲は衰えなかったものの、体力レベルが徐々に低下し始めていたことを覚えています。ですから、全員を最終戦まで持たせたいと考えています。

同時に、ハンター(・パイサミ)とジョシュ・フルークはクイーンズランド・レッズで多くの試合を経験しており、そのコンビネーションはレッズで十分に確立されています。テストマッチレベルで彼らがともにプレーするのは、自然な流れでした。

――前の試合から先発を13人変更しました。これほど多くの変更を行うことにはリスクはないのか。結束力やテストマッチを勝ち抜く能力という点で懸念はあるのか。

確かにリスクは存在すると考えています。コーチングスタッフの役割の一部は可能な限りリスクを管理することにあるでしょう。また、選手層に機会を与えなければ、特に5試合連続のテストマッチ期間の終盤にはチーム全体のエネルギーが低下し始めると思います。長距離移動や時差を伴う場合、疲労は2、3週間で顕著になります。ましてや5週連続となると、さらに我々が既に10試合のテストマッチを消化した直後ですからなおさら、です。こうした事情を踏まえつつ、我々は日本代表を非常に高く評価しております。彼らは過去に強豪チームを破り、我々よりも上位のチームを破る寸前まで迫った実績があります。この点を我々は強く認識しており、選出される選手たちにとって大きな挑戦となるでしょう。

――出場はしませんが、SOカーター・ゴードンについてどうお考えですか?

本当にうまくフィットしています。彼の復帰は本当に良かった。他の多くの選手に対しても、私たちは似たような対応をしてきました。選手たちは合流後、おそらく1週間ほどかけて調整期間を設け、そこから準備を整えていくのです。実際、カーターは私たちと3回のトレーニングをともにしただけです。しかも10番という極めて重要なポジションですから、いきなりチームを率いるのは非常に難しい。ですから、確かに試合メンバーに彼を起用したいという誘惑はありました。同時に、彼を大切に扱って今後、数週間のうちに、いずれかのタイミングで先発出場するか、途中出場する準備が万全になるよう配慮しています。

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