ついに東芝ブレイブルーパス東京が、埼玉パナソニックワイルドナイツに勝利し、ディビジョン1首位に躍り出た。ゲームをコントロールするポジションであるFB松永拓朗とSH杉山優平に試合後話を聞いた。勝利した80分を振り返る!
東芝ブレイブルーパス東京 FB松永拓朗

松永拓朗
ディフェンスの部分で我慢する場面が前半から多かったと思うんですけど、そこをしっかり我慢してキックでもう1回敵陣に入るようなマネジメントのところと我慢というところはすごく良かったかなと思います。
――対面には野口竜司選手がいてエリア取りというところではどうでしたか?
大きくロングに蹴ったら、ハイパントで返ってくるというのは知っていたんですけど、その部分で別に東芝が崩れることなく、相手にボールを与えることなく、こぼれたボールもうちが取れていたんで、そういう部分ではあんまりプレッシャーがかかってなかったですね。こっちが風下でもどんどん蹴っていくというオプションは全然よかったかなと思います。

――風の影響は?
前半は風下で影響あった部分もあったんですけど、相手のハイパントを蹴り返してこっちがボールをを取れるという部分に関しては別に影響なかったかなと思います。
――アタックのところが良かった
(ワイルドナイツは)ディフェンスのいいチームなんで明確なチャンスというのは生まれないので、僕達のスキルセットのところであったり、ちょっとの隙をアタックするとかであったり、そうやって我慢強くアタックし続けるというところをずっとフォーカスしてきて、それが良かった。
――考えてきたアタックのムーブやサインプレーなどもうまくいった?
前半1個ラインアウトからトライが取れた部分とかは完全にはまったかなと思います。
――パナのディフェンスは幅を持たせてくると思いますが、どういったところが狙い目だった?
ちょっと上がってくるところにアタックしてオフロード狙うとか、ダブルショルダーでタックルするという部分はすごく上手なんで、いかにされないかという部分を工夫しながらアタックできたのが良かった。
――前回の対戦でも意識してきたけど今回はさらにそれが良くなった?
そうですね。東芝は1年かけてスキルを使ってアタックすrという部分は良くなってiるんでそれが今日はフルに発揮されたんじゃないかなと思います。

――ご自身のプレーは?
僕自身はもっとボールを触りたかったなというふうには思いますけど、トータルで見た時に前半も後半もキックでプレッシャーをかけられた部分としてはチームにとってすごく良かったですし、これからもそういう試合も強い相手にはあるだろうなと感じました。

ジョネ・ナイカブラ
――今シーズンはジョネ・ナイカブラ選手とのコンビネーションが素晴らしいです
しっかり外側でスペースを作ってくれているということがあって、それはCTBであったり、リッチーのスキルであったりとか、そういうところをしっかり仕事してくれている人がいて、僕が走るスペースを作ってくれているんでそこに対して思いきりチャレンジできていますし、それが自信にもつながっていますし、あとは、ジョネは絶対的に信頼持っているんで、ちょっとでも相手のディフェンスラインがズレたらパスをジョネに放ったらいってくれるなというのがあるので、いかにいい形で渡せるかというのは常に考えています。
東芝ブレイブルーパス東京 SH杉山優平

杉山優平
東芝の自分たちの味を出すというのをテーマにというのが、マイケルさんからあったので、全体通して自分たちらしくチャレンジしてキックするところはキックするという自分たちのスタイルがしっかりでてこういう結果になったのかなと思います。
――あれはトライだった?
(笑)。レフリーの判断が重要ですから。
――あれがあったからその後トライを決めた場面での喜びがあった?
いや、それもありますけど、あのタイミングでやっぱりトライを取るのはチームにとってもすごく大きかったなという意味もありましたね。
――ラインブレイクした時はイメージ通りだった?
一応毎回そこにいるようにしたいんですけど、今回それがたまたま僕のところにスペースができたので、そのサポートした結果というのもありますし、1回目(のトライシーン*実際はトライにならなかった)は慣れてなくてもっと真ん中に走れば、普通にトライ取れていたんだと思うんですけど、普段見えていないスペースが見えちゃったんで、内に切っちゃって。2回目は取れたんでまず良かったかなと。

――東芝は少ないフェイズでトライを取れていたように見えました
そうですね。一つは綺麗にラインアウトからのアタックから自分たちが準備していた形で取れましたね。
――森田コーチのデザインするアタックがよい?
毎回毎回、相手のディフェンスを考えたアタックがデザインされているんで、森田さんの思い描いているものを僕たちがしっかり体現するためのすり合わせはしっかり準備してきたので良かったです。
試合でやってみてうまくいかなかったら、別のシンプルなサインを選択したり、そこはもうリッチーがコントロールしてやっているんで。1個だけじゃないし、試合中に選択している感じです。

――ワイルドナイツはラックサイドでの攻防でプレッシャーをかけてくると思いますが、そのあたりは今日の試合でどんな意識をしていた?
一つは前回すごく特に前半、ブレイクダウンに対してプレッシャーをかけてきたんでそれは今回も来るだろうとわかっていました。相手が反則ギリギリのところのラインをついてきたりするんで、クリアに見えて捌けるなら捌いて、怪しいなと思ったらレフェリーにアピールするとか、そのバランスは前半から意識していました。
テンポばっかりというよりは、レフェリーへのアピールですね。ここまできたら反則ですよね、というラインを前半で示せたのはすごく良かったなと思います。
――それは何かレフェリーをコミュニケーションするとか?
いや、レフェリーに対して実際にブレイクダウンがどうかとかそういう話はしないですけど、序盤の段階で、これ(って反則)どうですか?という確認で、前半何回か(ペナルティーの笛を)吹いてもらっていたんで。そこで一個一個の(ペナルティとなる)ラインができたなというのが僕の中にもできたんで、これで結構優位にいけるかなというのがありました。それもあって、前半の最後のほうはうまく捌けたかなと思います。

リッチー・モウンガとのコンビネーションも抜群だ
――TJペレナラ(リコーブラックラムズ東京)とかはよくやりますし、SHの仕事でもありますね。
そうですね。SHとしての仕事でもあるし、パナソニックがそういうところを意識してやってくるのが最初の試合(をやったこと)でわかっていたんで、対策じゃないけど自分の中ではそういう意識をしていました。
――そういう部分で前回の対戦ではやられた?
ですね。前半の前半は全然テンポがでなくて僕達が持っているボールの数も少なく、ペナルティを逆に取られたりとかがあったし、後半は相手も疲れてきてブレイクダウンのプレッシャーをかけてこなっくてうまくボールを動かすことができていました。それが今回は前半の前半で多分お互いめちゃくちゃしんどい状況の中で足がもう止まっていたんで。東芝は逆にそういうの得意なので、足がしんどい中でも動くというところは練習中に意識してやっているので、それが前半の後半に出て、点差に繋がったかなと思います。
――東芝のBK陣は特段大きな選手はいないですが意識していることは
僕が意識している一つは『キャラクター』ですね。BKにはセタ・タマニバルだったり、眞野泰地だったり、ジョネだったりいろんなタイプの選手がいるんで、そのキャラクターに合ったボール捌きを意識していますね。
こういう選手は早めにあげた方がいいとか、こういうコミュニケーションをとってほしがるから、このようにコミュニケーションとるとか。選手によって変えていますね。
ベースは東芝のアタックというのがあって、リッチーのベースがあると思うんですけど、そこを尊重しつつ、キャラクターが活きるようなアタックができればいいかなと思いながらやっています。

ジョネ・ナイカブラ
試合を重ねていることもありますけど、試合前の、試合をやるまでのトレーニング中で本当に細かなことをコミュニケーションしています。一人一人とやることによって周りのいろんな選手、キャラクターを活かせる、そういう選手になりたいなというふうに思っています。
例えば、ジョネとかは早く渡した方がいいし、逆にロブ・トンプソンとかはギリギリで欲しがるし、ゴール前ではそれぞれなんで。セタとかはギリギリよりも早く渡して自分でもっていってオフロードとかを持ち味にしていますね。

ロブ・トンプソン