ジャパンラグビーリーグワン・トヨタヴェルブリッツが6日、今シーズンの開幕に向けた所信表明会見を行った。指揮をとる、スティーブ・ハンセンHC、イアン・フォスターCOコーチ、ウィリアム・トゥポウ、髙橋汰地が登壇した。ここでは、オールブラックスで名コンビを組んだ、ハンセンHCとフォルタ―コーチのコメントをたっぷりとお伝えする
スティーブ・ハンセンHC
――イアン・フォスターコーチの存在
本当に素晴らしいコーチです。そしてコーチとして活動できることを⾮常に楽しみにしています。私⾃⾝も彼に絶対的な信頼を置いており、世界のラグビーの中でも最もラグビーの理解度が深い⼈材だと思っています。
――チームとして改善してきたところ
我々として掲げているのはチームの中でのコネクション、そしてラグビーというゲームの理解度、スキルです。このスキルというのはセットピース、キャッチ、パスそしてブレイクダウンチームとしては⽬標として掲げています。今フィールドの中でフォスターCo.HCがやっているが、まだチームとしての課題はあるので継続して取り組んでいます。
――イアンコーチとの役割分担や、彼が加わってきたことによって、チームがより良く変わってきたのか、詳細に教えてください。
私とフォスターの間には特に明確な役割分担というものはありません。それはオールブラックス時代でもありませんでした。
彼がやること、そして私がやることっていうのは周りの期待値、そして私⾃⾝、私達2⼈の得意・不得意といったものに応じて分けてきました。
なので2⼈の関係性はまるでそういったような存在の関係性です。
とはいえゲームに対する考え⽅というところは、私達2⼈は類似しています。ラグビーという複雑なゲームをいかにシンプルなものにしていくのか。またそういった複雑なゲームの中でどこに重点を絞るべきなのか、そういった点を⾒極める能⼒が⾼いと思っています。
また何を話すかという点において、そこに私達⾃⾝の個⼈的なエゴというものはありません。誰がそのときに応じて何をやるべきなのかといったことに応じて役割をこれまでも分けてきました。
なので、フィールドコーチングという⾯においては、特にアタックの点においてはイアンが話すことが先にあり、それを私⾃⾝が後から話すこともあれば、ディフェンスにおいては上野隆太コーチが話した後に私⾃⾝がその後話をすることもあります。
その話す順番には逆の順番ということもありますので、⼀つのコーチングチームとして選⼿にコミュニケーションをとるといったところを⽇々意識しています。
また先ほどフォスターからもありましたが、選⼿というのは⾮常にハードワークをする選⼿があふれています。それはこれまで関わってきた他のチームでも⾒たことがありません。
そういった選⼿に対して、学びのツールを与えることといったところを、ディフェンスに関しては上野コーチ、アタックに関してはフォスターコーチ、そしてセットピースに関してはネイサン・ホワイトコーチが担当しています。
どういった形にシンプルにするのかといったところにコーチ陣は重点を置いていますし、それが今のチームでは機能しているように感じています。
そして先ほど選⼿からもあったように、選⼿たちがクリアになっているといったのはチームにとっても⾮常に良い兆候だと思います。なぜかというと選⼿が考えることなくプレーすることができれば、コーチとしてはコーチが提⽰した戦術を素早く実践に移すことができると考えているからです。
――今季チームとして「バウンス」というのを掲げられていると選⼿から伺ったんですけれども、狙いや思いなどお伺いさせてください。
それはシークレットなので本当は知らないはずなんですけど、今みなさんが知ってしまったので、どうにかしなければなりません(笑)。
チームの中では、特定のチームの部分を伸ばすために使っている⾔葉で、シークレットではないんですけれどもチームの中で留めておきたいそういった⾔葉です。
よろしいでしょうか?
――選⼿の⽅々からは、もちろんチームの⽬標は優勝だっていうことを⾔っているが、今年のトヨタは⾃信を持って優勝を狙いますと⾔えるチームになっていますか。
そうですね。選⼿がそういった話をしてくれた、優勝を⽬指しているということが聞けて良かったです。なぜかというとそれがチームの存在意義でもあり、また⼀つのチームしか達成することができないそういったことだからです。
ただ、チームとしては成⻑することを通して、そして成功を収めることができればその⼀つの形は優勝することであると思いますが、それ以外にはチームとして個⼈のスキルなどそういった点を伸ばしていく、そういった成功の形もあると思っています。
このクラブとしてはプライドを持ってチームを代表し、ファン、会社の⽅々そして対戦相⼿、また地域の⽅々などに尊敬されるそういったチームを⽬指していきたいと思っています。
我々が⽬指していく過程の中で優勝ということが達成できれば、それは⾮常に良い結果とも⾔えます。そして、今のトヨタのメンバーの中に、それに必要な⼗分なタレントがあるかという点についてですが、それに必要なタレントは⼗分に揃っていると思います。
とはいえこのリーグワンというのは本当に世界の中でも⾮常にレベルの⾼い、そういったリーグであり、他のチームにも同様に様々なタレントがあふれています。
それは海外から来た選⼿、また⽇本出⾝の選⼿またはコーチなど、全てにおいて世界トップレベルのリーグだということができると思います。タフなリーグではありますが、我々としては優勝を⽬指していきたいです。
イアン・フォスターCo.HC
――ヴェルブリッツの印象と、影響を与えたい部分
トヨタに来てから3ヶ⽉ほど経ちましたがこの時間を⾮常に楽しんでいます。また昨シーズンの後半の映像など、来⽇前に確認していました。
トヨタというのは本当に素晴らしい組織だと思います。スティーブを初め、そしてトヨタの選⼿、そしてスタッフ陣は⾮常に熱意を持ってチームに関わっていると思います。
そういった強い成⻑意識のあるチームに合流することができて⾮常に嬉しく思います。
また選⼿に対する印象ですが、彼らの懸命な働く姿勢、そういった勤勉さには⾮常に感銘を受けています。私⾃⾝が様々なチームを⾒てきましたが、他のどのチームよりもハードワークしていますし、またそれと同時に楽しむといったところも充実しているような印象があるので、
⾮常に今のチームの状態としては良い状態であると⾔えると思います。とはいえラグビーのレベル⾯においては引き上げが必要と感じていますそこで魔法のようなものはなくチームとしてはゲームの基礎的な部分、キャッチ、パスなどそういったところに取り組んでいるので、そこに関しては継続して取り組みを続けていきたいと考えています。
――11⽉のサントリー戦から、⼿応えはどうですか?予定通りにきているのか。
正確なお答えをするにはもう1ヶ⽉ぐらい期間が必要かと思います。プレシーズンという、今の現時点としてはチームの基盤を構築する、そういった時期ではあります。そういった点での今のチームを評価すると、チームの全メンバーに出場する機会を与える。そういったことを通してチームの層を厚くする、そういった部分がシーズン後半に活きてくると考えています。
そして⼀つ⾃信を持っていること。これはスティーブに関しても同様かと思いますが、それはチーム内に存在するリーダーシップです。我々のチームにいるリーダー陣はプライドを持ってプレーするといった強い意志を持っています。そういった⾯がまたそれ以外の⾯で出ているように感じるので、チームとしては⾮常に良い兆候かなと思います。
――髙橋選⼿がフォスターコーチが⼊ってきてやることが1⼈1⼈で明確したっていうふうにおっしゃっていたんですが、選⼿たちに伝えてるときに伝えるときに⼤切にしていることを教えてください。
まず⾼橋汰地からそういった答えがあったと聞いてよかったなっていう率直な印象です。また私に関してはシンプルにするということに重点を置いていますが、ラグビーというゲームは⾮常に複雑なものなので、それは簡単なものではありません。
そういった中で選⼿と具体的な話をして、何が最重要点であるのかというところに重点を置いて⽇々取り組んでいます。
でも全てのことに取り組むことはできないので、今シーズン、⾃分たちにとって重要になる部分、そういったところに私⾃⾝そしてコーチ陣は重点を絞って取り組んでいます。