6日、ジャパンラグビーリーグワン、3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイはリコーブラックラムズ東京と対戦。
序盤から優勢に試合を進め、21‐0とリードして前半を終えると後半もCTBリカス・プレトリアスのトライでリード。ブラックラムズがSH・TJペレナラにイエローカードが出され、数的優位に立つと後半も3トライを奪い快勝。

2トライを決めた根塚洸雅

強烈なインパクトを残したオペティ・ヘル。この試合のPOMに選ばれた
勝ち点53として6位以上が確定。プレーオフ進出を決めた。今シーズン、キャプテンから外れたものの、チームの支柱であるCTB立川理道に試合後話を聞いた。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 立川理道
前半ああいう形でリードを取ったのは、自分たちとしてすごくゲームプランとしても良かったと思います。ただ、本当に80分間最後まで諦めずに戦ってくるチームであるということは念頭に置きながら、自分たちも80分戦い続けたのは良かったかなと思います。

立川理道
――スピアーズのディフェンスが良かった
システム自体を少し変えた中で、一番大事にしているのは隣とのコネクションのところで、そこが切れてしまうとどうしてもラインブレイクが起こってしまう。自分たちがラインブレイクされてスコアされる局面は、そういう部分が多かったので、(コネクションを)切らさないというか、つながり続けるというところは、特にCTBのところは、FWとの切れ目によくいますし、スコッド・マクラウド(コーチ)からもしっかりリードしてほしいと言われているので、そこは今シーンズ試合ごとに良くなっているかなと思っています。
――ディフェンスのコネクションは前から大事だと言われていますが、何か特別なことがありますか?
すごくシンプルなことだと思うんですね。すごくプレッシャーかかってくると、やっぱり自分勝手なことをしてしまったりとか、システムと違うことをやってしまうことが多いと思うので、そのプレッシャーがかかった状況でも隣の選手をどう使うのかはすごく大事ですし、単純なコミュニケーションもそうですし、誰が内にいるのかというのを早く把握するのも大事ですし、それはPRとバックローでは全然やり方も代わってくるので、そういうところの特徴を早く理解しながら自分の動きをどうしていくのかというのが大事かなと思っています。
――アタックも良かったですね。
アタックの部分は(FW・BKが)一緒にアタックするというところは結構言い続けています。うちのFWはやっぱり大きくて強くてモメンタムを生み出すので、BKはどう動いていくのかというところを考えながら、一緒にアタックしていくというところが重要になってくると思っています。
あとはBKが動きながらどこ見て、どう判断していくのかというところも試合を追う毎によくなってきているなと思います。

リカス・プレトリアス
9番、10番もどこにボールを動かしていくのか、どこでキックを蹴るのかというところの判断もよくなってきているかな。今日は風下・風上の影響も大きくあったので、そこでの自分たちの戦い方というのもうまくできたかなと思います。

デーヴィッド・ブルブリング
――プレーオフが決まったこと
プレーオフが決まったことは一安心というか、まずは一つクリアしたかなと。ただ、あんまりプレーオフを見過ぎずに、1戦1戦戦っていることが大事だと思います。
次はサントリーさんとの一戦ですが、今日戦ったリコーさんもそうですし、プレーオフ進出を狙っているハングリーなチームとの対戦になってくるので、自分たちが受け身に立つとやられてしまうというのもありますし、来週のサントリー戦はすごく大変な試合になってくると思うので、もう一度組み直しながら眼の前の試合に向けて準備していきたいですね。

――チームとしての一体感は昨年よりもある?
そうですね。去年は接戦をかちきれなくて、もどかしいシーズンを経験して、今年はすごく良くなっていると思いますし、(松下)怜央もそうですけど、選手層もすごく厚くなってきていると思うので、練習試合なんかもしっかりと試合に勝っていいパフォーマンスをした選手が、リーグワンに出てきてまたいいパフォーマンスをするという、すごくいい循環になっていると思います。
そこは日頃の練習で、質の高い競争率の高い練習ができているからこそだと思いますし、そういうのが、全体的にチームの雰囲気に繋がっているのかなと思います。

若きフロントロー、左から為房慶次朗、江良颯、紙森陽太
――新しい若い選手と新しいディフェンスコーチも違いがありますか
バランスもすごくいいかなと思います。ベテランも多いですし、松下なんかも違うポジションをカバーしながらですけれども、いいパフォーマンスをしているのは、みんなが支え合いながら、競争試合ながらやっている結果だと思うので、そこは今チームの強みなのかなと思います。
――順位としては3位よりも2位の方が、日程的にも6連戦もあるし。そういうのは意識しますか?
6連戦がいいのか、一週空いてプレーオフを戦うのがいいのか、正直、クウォーターファイナルからやったことがあまりないので、なかなかそこは決まってからじゃないとわからないですけども、一週空けて戦う方がやっぱり勝つ可能性が高くなってくるのかなというふうに思いますし、まあ、逆に(6連戦の方が)勢いづいて叩かるとか、そういう理由があるのかどうかもわからないですけれども、まずは目の前の1戦を戦っていきながら、リーグ戦をどう終われるのかなというところですね。
フランもコーチ陣もリーダーミーティングの中でも、プレーオフのことは出なかったので、そこを考えすぎていないのがスピアーズらしいかなと思います。

フラン・ルディケHCは常に先を見すぎず目の前の試合に集中することを言及する。
――今シーズンはキャプテンではない立場でチームへ関わることについて、これまでとの違いは?
大きな違いはないんですけども、ただ、みんなの前で喋る回数は減りましたし、その中でもマキシがすごく今よくリードしてくれています。あんまり言葉多くないですけども、本当にプレーで先頭に立って示してくれるので、みんながいい影響を受けてプレーできていると思います。それは彼のリーダーシップのあり方だと思いますし、何か殻が困ったりとか、チームの中でうまくいかないときに手助けできる存在でありたいなというふうに思っています。

でも全然そんな状況はないんですけど。後半から追い上げるようなタイミングだったり、前半うまくいかなくて、後半ひっくり返した試合とかがあった中で、一言二言、サポートできるようなことができたらいいなと思っていて、実際にゲームに出て自分たちが何を示すのかみたいなところもうまくできたので、それは自分にとっても自信になっていますし、支えるというか、押し上げるみたいなところが自分の役割の一つでもあるのかなと思っています。

プレーでチームを牽引するファウルア・マキシ
――一言二言、どんなサポートを?
何をすればいいのかというか、プレッシャーがかかったり後半おいかけないと行けない状況の時に、プレッシャーでチームがやろうとすることとは外れたことをやってしまって、去年うまくいかなかったことも多かったですし、接戦を落としてしまったことも多かったので、その状況の中で、自分の役割をしっかり果たすということを言い続けたり、ゲーム中でもそうですし、ゲームが止まってハドルを組んでいるときもそうですけど、声をかけるというところはできているかなと思います。
――前半、接戦で負けそうな試合もあった中でだんだんチームとしてよくなっている要因は?
若手の選手も試合をやっていくにつれ自分のパフォーマンスの出し方だったり、ゲームの中での判断だったりというのもすごく良くなってきたと思いますし、選手層の厚さは、今、本当に23人で戦っているという感覚が強いですし、23人以外の試合に漏れた選手たちも、狙っているというか、競争率が今すごく高いので、チームとしてもうまくいっているのかなと思います。
――リザーブの選手たちもベンチで話し合ったりとか
僕が、浦安戦に出た時も江良(颯)と為房(慶次朗)が先に交代して、『どこどこ空いているんでこういうとこ見ておいてください』みたいな。若手選手から情報をもらって、自分が入ったときにも伝えられるようなことがあって。そういうのってあんまりなかったんで、そこら辺の余裕じゃないですけども、情報を交換していきながらベンチの動きもよくなっていきていると思います。

リーグワン初代王者のスピアーズ。今シーズン、再び王者に向け挑戦が続く
――一昨年優勝して、今シーズン再び優勝するには
大事なことは自分たちを信じることだと思いますし、今までやってきたプロセスは間違っていないと思うので、これを信じ続けて全員で戦っていくということが大事だと思っています。ここから本当に総力戦というか、体もきつくなってきますし、けが人も出てくるかと思うので。今年、本当に優勝を狙える立ち位置にいると思っていますし、チーム全体の雰囲気もすごくいいので、このまましっかりと1戦1戦戦っていくことで優勝が見えてくるかなと思います。