東京五輪、サクラセブンズは全敗。ビッグゲインを狙えないチームにはそれにてきした戦い方を。強化体制の検証は必要 | ラグビージャパン365

東京五輪、サクラセブンズは全敗。ビッグゲインを狙えないチームにはそれにてきした戦い方を。強化体制の検証は必要

2021/08/01

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


東京五輪の女子セブンズが終了しました。
ニュージーランドが優勝。日本は全敗という結果でしたが、大会全体を見て印象的だったのは新しい力の躍進です。リオでは8位、18年W杯では11位だったフィジーが初めて4強入りして3位に、五輪初出場で18年W杯12位だった中国が8強に躍進しました。どちらも素晴らしい戦いぶりでした。

そのうち、フィジーの躍進は想像できたというか、男子のフィジーの強さ、五輪連覇も飾ったセブンズ王国の伝統、DNA的な素養があったんだろうなと考えることができます。

しかし、中国の進化は正直、想定していた以上でした。同じアジア人ですし、アジア以外の国と対戦する機会が多くないのは日本と同じはずです。人口の母数が途方もなく多いこと、それだけ運動能力の高い、身体的に恵まれた素材が多いことは間違いないですが、それにしてもこの進歩はすごい。

感心させられたのは、中国の選手がみなラグビーらしい動きをしていたことです。大柄な選手がドカドカ走るような、運動能力に優れた選手をかき集めてチームを急ごしらえしたようなイメージではない。ステップの動作もパスの動作も、ちゃんとラグビーしてるなという動きです。走るフォームもステップを切る動作も、何というか、美しいんです。日本にも他競技から転向した選手はたくさんいますが、割とぎこちない、悪い意味とは限らないけどラグビーらしくない動きをする選手が多い。そこにはその魅力もあるけれど、やはり理にかなった美しい動作はロスがなく、効率もよく、エネルギーあたりの出力=強度も高いんだなと思いました。

この躍進へ中国を導いたユーエン・マッキントッシュHCはスコットランド出身で、NZ、オーストラリアでプレーして、フランスとNZでコーチングキャリアを積んだといいますが、ただものではないですね。

 

ということで、美しいフォームで走り、スピードもステップも優れていた中国の選手たちに自由自在に走られ、日本は0-29というスコアで完敗しました。

たいへん残念ですが、そのアタックを止めるための準備は何もできていなかったなというのが僕の感想です。


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