6月、U20日本代表は、2009年以来となる、U20世代のトップカテゴリーの世界大会「ワールドラグビー U20チャンピオンシップ」を迎える。その強化のために3月には「ジュニア・ジャパン」として「パシフィック・チャレンジ」を戦った。5月には「オセアニアラグビージュニアチャンピオンシップ」でU20ニュージーランド(NZ)代表、U20オーストラリア代表、U20サモア代表と対戦し3連敗したが、U20チャンピオンシップを迎えるにあたり実りの多い遠征となったようだ。そこで5月15日~17日の合宿中に、中竹竜二ヘッドコーチに遠征の手応え、本番への意気込みなどを聞いた。
手応えがあった遠征「確実に強くなっていることを実感した」
U20日本代表は3月にフィジーで行われた「ジュニア・ジャパン」として出場した「パシフィック・チャレンジ」でカナダA代表、フィジーA代表、トンガA代表と2試合行い4連敗。5月にオーストラリアで開催された同年代との「オセアニアラグビージュニアチャンピオンシップ」では初戦のU20NZ戦では0−75で大敗したが、U20オーストラリア代表戦では終盤まで接戦を演じて31−47で敗戦。U20サモア代表戦では22点差をひっくり返されて30−33で惜敗した。そしていよいよ6月、イタリアで「U20チャンピオンシップ」に参戦する(U20日本代表がU20世代のトップカテゴリーで戦うのは2009年以来)。
――まず、今回のオーストラリアで行われた「オセアニアラグビージュニアチャンピオンシップ」を振り返ると?
中竹竜二ヘッドコーチ(以下、中竹) 学びの多い遠征だったなと思います。本当に海外でやるテストマッチの厳しさを実感しました。U20NZ代表に大敗し、選手たちは自信をなくすかと思ったら、後半は良いプレーがたくさんありました。(前半は42点取られたが、後半は29分まで相手を0点に抑えた)。
U20オーストラリア代表戦はロブ・ペニー(NTTコミュニケーションズヘッドコーチ)からディフェンス時のバックスリーの連動などを指導してもらって臨みました。8回のシーソーゲームとなりましたが、勝ちきれませんでした。この試合は勝ちに行くというより、選手全員を出すことが狙いだったのですが、リザーブだった選手は先発の選手と明らかな違いがわかったと思います。最後にU20サモア代表に勝ちきれなかったですが、まだまだダメなところが浮き彫りになったと思います。
時間が限られている中で、(ヘッドコーチが3月の遠征前に掲げていた)攻守の切り替えも良くなりました。質の高いミーティング、練習をして、限られた試合の中でチャンスをものにすることをテーマにしていました。選手たちは頑張っているし、成長していると思います。いずれにせよ、手応えのある遠征でした。確実に強くなっていることをスタッフも選手も感じているところです。
――U20サモア代表戦の逆転負けは、初戦のNZ戦が天候の影響で1日順延されたことの影響もあったのではないでしょうか?
中竹 それは言い訳にできませんが、勝って浮かれて次に臨むより良かったかなと思います。サモアの選手たちはほとんどがNZでプレーしている選手で、最終合宿もNZで行うそうです。そういったチームと接戦ができてFWの選手たちにとっては、相当の自信になりました。「この負けがあったから、本番で強くなった」と言えるようにしようと、選手たちには伝えました。
――昨年のU20日本代表同様、スクラムは良かったと思います。
中竹 実は3月のフィジー遠征からチームの武器の一つとなっています。FWは遠藤哲コーチに任せていますが、昨年、マルク・ダルマゾ(日本代表スクラムコーチ)に教えてももらったことが遠藤コーチの中で財産として引き継がれています。