エディHC「ラックの攻防で勝てば勝機が見えてくる」ウェールズ戦に向け勝利のキーポイントとは | ラグビージャパン365

エディHC「ラックの攻防で勝てば勝機が見えてくる」ウェールズ戦に向け勝利のキーポイントとは

2025/06/30

文●編集部


30日、ラグビー日本代表、エディー・ジョーンズHCがオンライン取材に応じ、ウェールズ戦に向けどう戦っていくのか。どこで上回っていくのか。「ブレイクダウンで勝てると確信しているし、ラックの攻防で勝てば勝機が見えてくる」(エディHC)さらに、昨シーズン課題であった、超速ラグビーを目指すがゆえのガス欠になってしまう後半の20分については「若いエネルギッシュな選手たちがベンチから入ってくるので、強い最後の20分の締めをやってほしい」(エディHC)とリザーブ陣に期待を寄せた。

ラグビー日本代表 エディー・ジョーンズHC

――JAPAN XVと日本代表は違うチームですが……

この二つは全く別のチームですし、違うゲームになります。ですが、JAPAN XVの試合を振り返ると、40分はいいラグビーをしていました。しかし、後半はマオリ・オールブラックスにプレッシャーをかけることができませんでした。日本としてやらなければならないことは、私たちのスタイルである「超速ラグビー」をプレイすることです。しかし、相手にプレッシャーをかけるためには、時には別のプレイも必要になるかもしれません。ウェールズ戦では、その点も検討しています。

ウェールズには違った形でプレッシャーをかけていきたいし、実戦していきたい。コンスタントにプレーしている選手以外は北半球のインテンシティーについていけないところがあるが、そこをスキル練習やキャパシティーに上げたり、フィールドの中でも実践して行っている。ディフェンスは着手したばかりで、コーチも変わったばかりで強化している。ブレイクダウンもキーとなってくるので今、取り組んでいる。ブレイクダウンで勝てると確信しているし、ラックの攻防で勝てば勝機が見えてくる。


――HO江良について


颯は将来有望な選手ですし、佐藤はアタック力のある良いHO。原田は26歳。3人の若手HOがいて、W杯2大会で活躍できることは素晴らしい。3人は過去最高のHOになれる、将来有望だと思っている。

江良颯

江良颯

――ウェールズ代表の印象は?


シックスネーションズの途中で、(指揮官が)ガットランドコーチから替わった。ガットランドの時は、キックを多用して、カウンターのところで伝統的なプレーをしていた。その戦術は成功していたと思いいます。日本もそうですが、ウエールズもスコッドが変わって300キャップほどのチームですし、日本は220キャップくらいです。つまり両方とも若いチームです。新しいコーチが入ってきて、カーディフの横から横に振って、スイングアタックを使って、キックを多用してくる。そして9番がかなりそこで実力を発揮している。ハイボールの処理、キックオフレシーブ、特にブレイクダウンが重要になってくる。


――どういうところから突破口をしていきたい


まずは素早い、速いスタート切ることが大事。最初の20分の速い出足が大事。ウォーターブレイクが入って、ゲームが切れて崩れていく。ラグビーの試合はゲームは最初の20分でスピードを持った展開になることがGPSでも反映されています。中盤でパワーコンテストに変わってくる。

前半の中盤以降の20分からで後半の最初の20分まで、しっかり相手のパワーゲームを崩していかないといけないと思っています。そこの戦い方を試行錯誤して、違う戦術でやらないといけないがそれも実践的に練習で取り組んではいます。あとは暑い天候の中で、若いエネルギッシュな選手たちがベンチから入って来るので、最後の20分で彼らが力強いする仕事をする必要があります。


――ラックでは勝てると確信している。どこからそう思っているか


毎日、私たちは細かいタスクを細分化して行っています。スキル練習もしています。ライブコンタクトの練習もたくさんしています。パッドに対して行ったり、相手に対して行ったりしています。

ボールキャリアの役割があり、それからインサイドサポートプレーヤーとアウトサイドサポートプレーヤーの役割があります。それぞれが果たすべき役割があります。特にゲームがアンストラクチャーの状況では、ブレイクダウン時に選手が自分の役割を予測することが重要です。なぜなら、決まった役割がないからです。そのため、その点を本当に徹底的に練習してきました。しかし、日本代表のU-23とJAPAN XVが、私たちと過ごした期間中にブレイクダウンの作業で著しい改善を見せたことを確認しました。日本代表でも同じような改善が実現するだろうと確信しています。

――昨年夏、試合の入りが良かったが、ハーフタイムから後半ペース落ちてしまう。どのようにキックを使っていくのか


ご指摘のとおり、試合の中盤はパワーの争いになります。私たちは本質的にパワーのあるチームではないので、試合の流れを変える方法を見つける必要があります。そのためには、多様なアプローチが必要です。「奇襲攻撃(日本語で)」のようなアプローチが必要です。

つまり、攻撃し、動き、ボールを異なる位置にシフトさせるのです。ボールを後ろに置くこともあれば、空中に放ることもあります。私たちはこの「奇襲攻撃」タイプのラグビーを練習しています。

私たちは、このチームを、試合の序盤で速くプレーし、その後、多様なアプローチで試合を崩す「奇襲攻撃」型のアプローチを確立できるチームに育てられると信じています。そして、このプレー方法にチームが非常に興奮していることは、ご存知でしょう。しかし、これは難しいゲームです。なぜなら、ゲリラ戦のようなものだからです。卓越したスキルが必要です。選手たちのスキル向上に全力で取り組んでいます。リーグワンのスキルレベルは、私たちの選手の多くにとって十分ではありませんでした。その改善に全力で取り組んでいます。

――20分からはあまり見たことないアタックをしかける?


もちろんプランはあるが、あくまでもプランであって、ボクシングでも戦法、戦術あっても、一発食らうとプランはなくなってしまうので、そうならないように練習しています。相手が何をやってくるか予測していますが、ウェールズはハングリーで、北九州 がサポートしてウェールズのホームゲームになり、期待値が高い。我々は戦術的に賢く、フィジカル的に本当にタフな試合をしないといけないと思っています。

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ