8月28日(土)、菅平サニアパークで早大と明大の練習試合が行われた。
夏合宿での早明戦はきわめて異例。明大の神鳥裕之監督は「主務はマッチメークに苦労したみたいです」と苦笑した。コロナ禍で各チームの活動が制限されていることに加え、明大は1980年代から長い間、夏合宿地を草津、北見、岩木と菅平以外の地に移していたこともあり、夏の早明対決はほとんど行われていなかった。
前週の22日には昨季の大学選手権準決勝と同じ顔合わせの2試合が行われ、明大が天理大を、早大が帝京大を、それぞれ撃破。いわば(あくまで昨季の成績にもとづけば、だが)「夏の決勝」だった。
試合は早大のキックオフをCTB長田智希主将がロングチェイス&タックルを炸裂させて試合の主導権を握る。これでペースを掴んだ早大は前半9分、WTB松下怜央のトライで先制。
対する明大も負けてはいない。
12分にLO5武内慎の突進からCTB12廣瀬雄也のトライ、SO伊藤耕太郎のコンバージョンも決まり同点。17分にはPR大賀宗志の豪快カウンターからLO武内、山本嶺二郎がみごとなオフロードパスをつなぎ、最後はSH飯沼蓮主将が次々と戻った早大のタックルをすり抜けてトライ。14-7とリードする。
リードされた早大もすぐに反撃。29分、ラインアウトモールからNo8佐藤健次、CTB長田主将のボールキャリーからSO吉村紘がトライ。自らゴールも決め14-14の同点にすると、次のキックオフ後の攻防でもFB河瀬諒介が自陣から豪快にカウンターアタック。
No8佐藤健次がつなぎ、CTB長田主将が明大のタックルを次々とかわして逆転トライ。早大はさらにSO吉村のPGで24-14とリードを広げるが、ハーフタイム直前のラストプレーで明大は早大ゴール前に攻め込み、PR大賀がトライ。明大が17-24と追い上げて折り返す。
明大は折り返した後半も先に点を取った。2分、相手ゴール前のスクラムで重圧をかけ、FWがサイド突破を重ね後半から交替出場のPR為房慶次朗がトライ。24-24とこの試合3度目の同点に追いつく。
だがここから試合巧者ぶりを発揮したのは早大だった。