一戦必勝―ウェールズ代表戦メンバー発表「ランキングがどうとか考えていない」 | ラグビージャパン365

一戦必勝―ウェールズ代表戦メンバー発表「ランキングがどうとか考えていない」

2025/11/14

文●編集部


14日、ラグビー日本代表が「リポビタンDツアー2025」ウェールズ代表戦のメンバーを発表した。LOハリー・ホッキングス(東京サントリーサンゴリアス)がいよいよ桜のジャージを手にする。アイルランド戦からの変更点では、PR為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が先発。JAPANXVから古畑翔(埼玉パナソニックワイルドナイツ)と植田和磨(コベルコ神戸スティーラーズ)がリザーブ入りを果たした。エディー・ジョーンズHCとワーナー・ディアンズゲームキャプテンの会見をお届けする。

エディー・ジョーンズHC、LOワーナー・ディアンズ

――ウェールズ代表戦に向けて

エディー 11月のシリーズ4試合目となりました。各週、上達していると思いますし、トレーニングも成長を重ねている。ウェールズに対してチームの状態は良いです。今年3試合目なのでお互い知っているもの同士の対戦となる。ウェールズはコーチの変更などあったが、今週末のプリンシパリティ・スタジアムでの試合を非常に楽しみにしています。

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――PR竹内がベンチに下がりPR為房が先発、ベンチには0キャップのLOホッキングス、PR古畑、WTB植田が入りました。

竹内、為房は3番として1番手、2番手となっているので替えました。最後の20~30分で、竹内がフィニッシャーで、相手にスクラムでプレッシャーをかけられると思った。ホッキングスは日本に来て5年目だが、体が大きくて、テストプレイヤーになれるポテンシャルがあると思ったので起用できて嬉しく思う。

為房慶次朗

為房慶次朗

古畑はケガがあったが、ハードトレーニングを重ねて、スクラムに手応えを感じているので、最後にスクラムで優位性を出したい。植田は7月は日本代表に入っていて、その後スコッドから外れたが、トレーニングで一貫したパフォーマンスをしていたので今回のメンバーに入りました。

――前回対戦した7月からウェールズはコーチが変わった。影響はあるか?

エディー アタックは同じ考えでやってくると思う。アタックコーチの変更はないので同じ戦い方をしてくる。(新しくHCに就いた)スティーブ・ダンディは、ディフェンスで知られていて、コネクトしてチョークタックルしてくるので、そこが変わってくるし、試合に大きな影響を与えると思う。

――ウェールズはホームで2年間、勝てていないが、ウェールズを倒す意気込みは

エディー プリンシパリティ・スタジアムは素晴らしいスタジアムで 街中にあり、周りにもアトラクションがあり、観客は午後、この辺で過ごして、スタジアムで熱狂的に応援する。イングランド対ウェールズ 屋根が空いているか閉まっているかで議論があるが、今回は閉まっている。さらに閉まったスタジアムは雰囲気が増すと思います。

若手主体のチームがプレーを経験する。強烈なファンでヤジも飛んでくるので、どう対応して、どう勝ちに行くか学ぶ絶好の機会になると思います。ウェールズが2年間、ホームで勝っていないことはアドバンテージになるか、精神的負担になるかということだが、我々にとってはウェールズにとっては負担になってほしいと考えています。

――W杯を見据えて チームの現状は?

エディー 昨年は非常に若いチームだったが、今、2年目となり、メンバーが安定してきた。前回のW杯から考えて、18、19、20キャップの選手が集まりベース作りができているし、良い化学反応(ケミストリー)も起きていると思うのでチームは良い方向に向かっている。良い方向に向かっているとき、跳ね上がるというブーストが必要で、それをしてくれるのが勝ちです。今週末のウェールズ戦で(勝って)ブーストしてチームを引き上げていきたい。

――この2~3試合、日本代表はチャンスで取り切れないが……

エディー そこはハードワークに尽きると思います。チャンスが作れているのはいいがフィニッシュできないのは、ボール周りの冷静さや、サポートオーバーランして深さが足りなかった。練習ではアンストラクチャーのところにこだわり、サポートのところに着手しました。前回の練習で、長田がラインブレイクしたとき直人がオーバーランして、オフロードパスにプレッシャーがかかってしまった。そのような状況が何回かあったが、そのあたりの癖付けをするために、サポートコースの繰り返しの練習をしないといけないと思って、今週、特にこだわって練習しました。

――7月に2試合したことは、今回、どんな影響があると思う?

エディー ホームとアウェイでお互いの環境で対戦するのは、いろんなアドバンテージがあり、アウェイなら環境に対応しないといけない。(試合の)午前10時に、管理人がグラウンドに水をまいているのかが見ものです。


――来年、ネーションズカップではどこと対戦が決まっている?

エディー ネーションズカップの開催されるので嬉しく思います。日本代表にとっては絶好の機会だと思います。強豪国と3~4試合対戦できて、チームにとっても選手にとっても育成の場となり、コンセプト自体 良いと思う。フレンドリーマッチを何試合かして、最終結果が出るということと、最後の週に全チーム集まってやるというのはストラクチャー的にも良いし、観客にもわかりやすい。新たなファンの集客にもつながると思います。

――アイルランド戦では、ミスもあったが、良いディフェンスもアタックもあった。2年目のチームの状態は?

エディー まずはラグビーなので、結果で判断されるということはもちろんあると思います。今週末、勝ったらプロセス、成長が進んでいる。今回良い内容で負けてしまうと、プロセスが遅れていると捉えられてしまうが、毎試合、強くなっています。アイルランド戦では60分で戦うことができていた。ウェールズ 80分、戦う内容にしたい。闘争心を切らさず、集中力高く、耐えながら戦いたい。あとは不必要な細かいミスをなくしていきたいと思います。

――バックローにケガ人などが出てきたが、バックアップを呼ぶのか?

エディー 今週末の試合しか考えていません。チームの中では次に誰がいけるのかという姿勢を取っている。残念ながら、リーチがケガをしてしまったが、強力なバックロー揃っているので彼らが本領を発揮してくると思います。

――ウェールズ、ジョージアと世界ランク近いチーム同士の対戦になります。何か考えていることは?

エディー ゼロです。ランキングがどうとか考えていない。一戦一戦、重要してやっているだけです

ベン・ガンター

ベン・ガンター


――ガンターはケガではないという理由で離脱しましたが、チームに戻ってくる?

エディー (ガンターは)戻ってきません。メールでやりとりをしていますが、(彼はパートナーの出産を)辛抱強く病院で待っています。

――ケガで離脱したリーチの状態は?

エディー リーチはふくらはぎのケガで、週の序盤はどうにかやろうとしたが、フィットしてこなかったし、メディカル的な奇跡は37歳には起きなかった。一つ良かったのは、若手選手は離れないでくれ、と言いに来たということで、彼は感動していた。チームとして良いなと思う。あとは日本代表のためにみんなが必死で戦うだけだと思います。

――リーチからメッセージはあった?

ワーナー 特にメッセージなかったが、残り2試合、頑張ってくれと言われて、頑張りますと言った。リーチさんがいないチームでどうするかと聞かれても、僕に関しては変わらない。PNCでもリーチさんがいない状態で戦ったし、自分は自分の仕事に集中してプレーします。

――今年で3試合目。どうやってウェールズに勝ちたい?

ワーナー 1戦目は良いアタックができて、2戦目はキックゲームとディフェンスのエラーでやられた。それを修正したい。今シーズン、いろんな試合をやって成長しているし、どう勝つかと聞かれたら、シンプルに自分たちのラグビー、アタックを100%でやって、相手のアタックを止めていきたい。

――自分より身長が高いホッキングスの印象は?

ワーナー リーグワンで試合するときはラインアウトが大変になり、考えないといけない週になっている。それがホッコの強み、ラインアウトが得意で、フィールドではどうこうだと言わないが、すごく良いアタック、ディフェンスができる。フィールドに出れば、それを見せると思います。(自分より身長が高い選手は頼りになる?)頼りになります!

――ハードなトレーニング をしている意図は?

エディー もちろん、みんな嫌がっていると思うが、何人かはチームが成長するためには必要不可欠と感じている。世界と戦っていくためには 日本代表は平凡なことではなく、非凡なことをしないといけないことは明らかです。そういうトレーニングが必要です。そういった質問自体が興味深いです。

――世界の強豪は控えの起用や、ハイブリッドな選手を起用するなど変わってきた。どういう傾向にあると思いますか?

エディー ラグビーはこの18ヶ月くらいで、特にボール周りの強度がかなり上がっているし、選手の疲労度も上がっている。TMOでブレイクしなければバテバテになると思う。

(ボールインプレー中の)45秒の中でのブレイクダウンのインテンシティーが上がっている。ブレイクダウンの姿勢が悪かったらやられるし、ジャッカル、カウンターラックができる選手も増えていて、新しい空中戦のコンテストも激化している。

南アフリカは、コンテスト、ボール周りのインテンシティーが大きく変わった。選手の疲労度は、最後の20~30分のところで、試合のリズム、スピードについていって、出ていった選手より高いインテンシティーでプレーできるのはアドバンテージになる。

各国は スペシャリストを輩出する方法をとっている。南アフリカは、スクラムのスペシャリストを起用するプランを持っているし、他の国もいろんな手法を取ってくる。流れを変えられる選手がいることは大事だし、レフリーが取り締まるのであれば、ブレイクダウンは、今後はもっとスピード、インテンシティー上がるし、今後、控えの選手がものすごく重要になってくると思っています。

リポビタンDツアー2025 ウェールズ代表戦試合登録メンバー

1 小林 賢太 (7)
2 佐藤 健次 (7)
3 為房 慶次朗(18)
4 エピネリ・ウルイヴァイティ (9)
5 ワーナー・ディアンズ ◎(30)
6 ジャック・コーネルセン(27)
7 下川 甲嗣(21)
8 マキシ ファウルア (22)
9 齋藤 直人(26)
10 李 承信 ◯(27)
11 長田 智希(24)
12 チャーリー・ローレンス(7)
13 ディラン・ライリー ◯(36)
14 石田 吉平(8)
15 矢崎 由高(8)
16 平生 翔大 (2)
17 古畑 翔(0)
18 竹内 柊平(22)
19 ハリー・ホッキングス (0)
20 タイラー・ポール(2)
21 福田 健太(7)
22 小村 真也(1)
23 植田 和磨(0)

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