19日、NTTジャパンラグビーリーグワン・ディビジョン1準決勝、東芝ブレイブルーパス東京(シーズン2位)と東京サントリーサンゴリアス(シーズン3位)が決勝進出をかけた戦いが行われた。秩父宮ラグビー場には17,133人の大観衆が訪れた。
ブレイブルーパスは今シーズン2戦2勝とサンゴリアスには負けていない。しかし、プレーオフは独特のプレッシャーと一発勝負ということで序盤はサンゴリアスが攻勢をかける展開となった。
序盤からサンゴリアスが攻勢をかけ攻め込まれたブレイブルーパスは前半37分、ようやくジェイコブ・ピアスがトライを決めるも7-10とビハインドで迎えた前半終了間際、ブレイブルーパスは敵陣ゴール前でペナルティーキックを獲得。
リーチマイケルキャプテンは同点を狙わず、トライを狙った。結果としてスコアできないまま前半を終えた。「勢い、モメンタムがあったから、どんどんFWで圧力かけようと思った。ショットで稼ごうという選択肢はなかった。(取り切れなかったが)影響なかった。」とリーチが話すように、後半、ブレイブルーパスの反撃が始まった。
後半2分、敵陣ラインアウトからWTBジョネ・ナイカブラがブレイク。FL佐々木剛につながりトライ。リッチー・モウンガのゴールも決まって14-10と逆転に成功。さらに15分、FLシャノン・フリゼルのトライで21-13とリードを広げると、24分、桑山淳生の突破からナイカブラにつながり3連速トライで28-13と一気に突き放した。
粘るサンゴリアスをホッキングスの1トライに抑え込みノーサイド。ブレイブルーパスが28-21で勝利し決勝進出を決めた。
試合後にトッド・ブラックアダーHCとリーチマイケルキャプテンのコメントを紹介。
――今日は、いろんな選手が仕事をしてくれたと思います
トッド・ブラックアダーHC(以下ブラックアダーHC) 試合に出た全員が仕事をしてくれたなと思います。前半特にプレッシャーがかかった中でも、結束力を示してくれた。サントリーはすばらしいチームで、大きなプレッシャーがかかるなあと予測して試合に入ったら、それを上回るプレッシャーを受けた。
選手たちはレジリエンスを見せてくれて、プレッシャーがかかる中でも規律を乱すことなくプレーしてくれた。ディフェンスの時間が長かったがボールを取り返したときには東芝らしさを出せたし、自分たちらしいラグビーをすればこういう結果を得られると自信を持ってプレーしてくれた。選手を誇りに思います。
――逆転勝ちできた要因は
リーチマイケルキャプテン(以下リーチ) 今日はさすが、サントリーでした。絶対違うことやってくると思っていて、一気にワイドにふってきたり、WTBにハイボール蹴って来たり、慣れていないラグビーをどんどんしてプレッシャーをかけられた。その中でも80分見たら今だけ我慢して、対策して話した。ずっとディフェンス。とにかく我慢して、自分たちがボールを持ったら東芝ラグビーをする。前半の最後、ポジティブな形が続いて、後半に続いたのが良かった。風も良くてどんどん敵陣に入れた。
――ハーフタイムの前にPGを狙わず、ラインアウトを選択した
リーチ 勢い、モメンタムがあったから、どんどんFWで圧力かけようと思った。ショットで稼ごうという選択肢はなかった。(取り切れなかったが)影響なかった。アタックする時間はなかったがどこが通用するか試したかった。今度、決勝で同じ判断をするかわからない。
――後半10分くらい、相手のSH齋藤選手のトライがTMOでキャンセルされた
リーチ ウォーターの中尾選手が引っ張っているのではという話をレフリーに伝えにいったら、すでに上(TMO)から話があった。トライでなくて本当に良かった。
――試合直前のメンバー交替の理由は? またプレイタイムが長かった眞野選手の活躍は?
ブラックアダーHC 眞野のパフォーマンスはものすごく素晴らしくて、選手たちの努力を一つ表すものかなと思います。最後の練習で伊藤が足首をケガして、徳永が入って、今日のキックオフ5分前にタマニバルが太ももを痛めてしまった。
コリンズが先発し、バックアップメンバーの眞野が控えになった。眞野は今日(メンバー外の)K9(ケーナイン)が試合と同じくらいの強度高い練習をした中だったが、ああいうパフォーマンスをしてくれた。滞りなく、完璧なパフォーマンスをしてくれた。眞野は今日の朝練習して、2試合分やってくれて頑張ってくれました。
――ノーサイドの瞬間は
リーチ 最後の最後、のサントリーは改めて怖いなと思った。最後までプレッシャーをかけ続けた。でも勝ってホッとした。またパナソニック。久々の決勝だし、初の国立なので、楽しみです。
――東芝のラグビーとは?
リーチ 一人一人が強くて、ラグビーの原点から逃げない。接点のところに自信があって、スキル、速いBKもいて、セットプレーも強い。ボールを持ったら必ず前に出るし、ディフェンスにも自信がある。
――POMを得たFL佐々木の評価は?
ブラックアダーHC 佐々木は今季、ものすごく素晴らしいパフォーマンスで、今日もPOMにふさわしいパフォーマンスで、(日本代表の)エディー・ジョーンズHCも見てくれていると思います。 一つ一つのプレーがすごく正確でものすごくいいディフェンダーだし、ブレイクダウンでも相手にプレッシャーをかけられる。アタックだとアンストラクチャーのとき、センターのように爆発力もスピードもあり、パワーもあって、FWとBKのつなぎもできて、今日は、いまいった強みを全部出してくれた。とにかく速いです
――ハーフタイムの指示は
ブラックアダーHC HCとしては特に何も言っていない。選手たちもプレッシャーを感じた中で、流れは自分たちに来ていたと理解していた。選手が話をしていたのは、コーチ陣といっしょでした。テリトリーを取って、ボールをしっかりキープして、プレッシャーを相手に掛けていこうというところでした。サントリーさんもすごいいいチームで、腕相撲のような一進一退の攻防でしたが、選手たちは最後に勝ってくれて誇りに思います。