「はい、引退は撤回します!」
奥野わか花は声を弾ませた。
ファンには「原わか花」と呼んだ方が通りがよいかもしれない。女子7人制ラグビー日本代表「サクラセブンズ」で2021年東京五輪と2024年パリ五輪に出場したトライゲッター。そのわか花は早くから、「パリ五輪が終わったら第一線から引退します」と公言していた。
しかし、1月18日の全国女子選手権準決勝で「九州・ながと合同」を破った試合後、わか花は「引退撤回」を宣言したのだ。
わか花はパリ五輪を終え帰国後の8月28日、狭山セコムラガッツのPR奥野翔太さんと入籍。奥野姓に改め、新生活をスタートさせた一方、11月からは所属する東京山九フェニックスのWTBとして、女子15人制ラグビーの関東大会「OTOWA CUP」に出場していた。
「15人制をプレーするのは6年ぶりです。9月から練習を始めたのですが、イチから学んでいる感じです。セブンズの方が自由度は高いかな? でも15人制は仲間とコネクトしてプレーできる楽しさがある。新しい自分でいられるようで楽しい。フェニックスで、まだしばらくプレーを続けたいな、と思うようになりました」